はじめに 

今回は、つらい夏を少しでも楽に乗り切るために、妊婦さんが特に注意したい熱中症と夏バテ予防のポイントです。
 

熱中症対策のポイント

毎年、熱中症で救急搬送される人が増えていますが、特に妊娠中は熱中症になりやすい体質になっています。
お腹の赤ちゃんにも影響するため、以下のことを心がけましょう。

気候や環境をチェック

熱中症になりやすいのは、急に暑くなった日風が無く湿度が高い熱帯夜が続く涼しい場所から暑い場所へ移動した時などです。
熱中症のサインは、体が熱い、頭痛、吐き気、足がつる、ぐったりするなど、元々妊娠中に起こりやすい症状と似ています。
熱中症には段階があり、一番重度な「熱射病」になると、意識不明になることもあります。
気温が28度を超えたら油断しないようにしましょう。
 

水分補給の注意点

のどが渇いた…と感じる頃には、実はかなりの脱水状態にあります。
水分補給で大切なのは、のどが渇いてから一気にたくさん飲むことはせず、室内であってものどが渇く前からこまめに摂取することです。

ただし妊婦さんはカフェインと糖分を摂り過ぎないために、コーヒー、紅茶、お茶、スポーツ飲料などをたくさん飲まず、ミネラルウォーター、麦茶、ルイボスティーなどがおすすめです。できれば冷たいものばかりでなく、温めて飲むこともしましょう。

経口補水液を上手く利用しましょう

妊娠中につわりなどが重なり、思うように水分が摂れない場合には、OS1(オーエスワン)などの経口補水液を活用することをお勧めします。
経口補水液は体に必要なナトリウムイオンなどの電解質がバランスよく含まれています。飲むときはゆっくりと時間をかけてこまめに飲みましょう。500ml程度を1時間くらいでゆっくりこまめに摂取するのが効果的です。

オーエスワンゼリー

大塚製薬工場 経口補水液 オーエスワン

自宅で作れる経口補水液

以下のような自宅にあるものでも、簡単に経口補水液が作れます。

  • 水 1,000ml(1リットル)
  • 塩 1.5〜3グラム(小さじ3分の1(理想は小さじ2分の1))
  • 砂糖 20〜40グラム(大さじ4杯+小さじ1杯)

以上の材料を混ぜてしっかり溶かして飲むだけです。お好みでレモンなどを混ぜると飲みやすいでしょう。
自家製の経口補水液は衛生上、長持ちはしないのでその日の分だけ作って飲むようにするとよいでしょう。

経口補水液は、市販のスポーツドリンクより糖分が少なく、脱水症状の改善に必要なナトリウムも多いため活用しましょう。
 

服装

体に熱をこもらせないことが大切です。締め付けるようなものは避け、襟やそで口はゆったり目で風通しが良いものを。
腹帯もメッシュ素材にしたり、時には外したり楽にしましょう。
特に下半身はカンジダなどの感染症を起こさないために、下着を綿にするなど、ムレないように清潔にすることが大切です。
 

室内熱中症に注意

妊娠中は身体を冷やさないためにエアコンをかけないほうが良いと思うこともありますが、無理は禁物です。
現在のような高温多湿の状態では、室内でも熱中症になってしまいます。
部屋の風通しを良くし、25度~28度に温度調節をしながら上手くエアコンを使って体に熱をためないようにしましょう。
 

外出時のタイミングと持ち物

妊娠中は立ちくらみや、めまいなども起こりやすくなっているため、高温多湿の環境下ではふらついて転倒するリスクが高くなります。
買い物やウォーキングなど、外出時はなるべく午前中や夕方など陽が弱い時間帯を選び、その際も日傘などで直射日光を防ぎましょう。
外出時は飲み物冷たいおしぼりや保冷剤を持ち歩きましょう。
念のため、健康保険証と母子手帳携帯しましょう。

もし異変を感じたら、涼しい場所や風通しの良い日陰、冷房の効いている場所にすぐ移動しましょう。
冷やしたおしぼりや保冷剤で、首筋、脇の下、足の付け根など太い血管が通っている所において体を冷やしましょう。
休んでも具合が悪い時は、無理をせず病院に行きましょう。


 

夏バテ予防のポイント

夏バテは注意しないと誰にでも起こりますが、妊娠中は様々な身体の変化が起きているため、通常よりずっと疲れやすく体調を崩しやすいことが多くあります。バテないために対策をしましょう。

室内と屋外の温度差は5度以下に

夏バテの最も多い原因が、室内と屋内の温度差です。俗に冷房病といわれるもので、人間は頻繁に温度差が激しくなると自律神経がバランスを崩すため、疲労感が増し、イライラや頭痛、こむら返りなど、更に様々な不調が起こります。
デパートなどの屋内はクーラーが効きすぎていることが多いため、外出先で寒いと感じたときははストールやカーディガンなど羽織るもので調整しましょう。
また、外から帰った際、たくさんの汗を一気にクーラーで冷やすことは避けましょう。急に体から熱を奪われると余計に自律神経に負荷がかかるため要注意です。
 

食事は体力UPのものを

夏は食欲が落ちたり、つわりなどがある時期は余計に食べられなくなると、赤ちゃんにも影響します。
特に妊娠中は、鉄分、カルシウム、タンパク質などをバランスよくとることが大切ですが、夏はそれに加え、
ビタミンB群(豚肉、レバー、納豆、枝豆、玄米、豆腐など)
クエン酸(レモン、梅干し、ゆず、グレープフルーツなど)
も意識して摂るようにしましょう。
冷たいそうめんやうどんだけだと炭水化物ばかりになり、身体が冷えるため、栄養を考えて温かいものも摂りましょう。
 

リステリア症(食中毒)に注意

妊娠中で特に気を付けたいのが「リステリア菌」です。この菌による食中毒は、妊娠中は通常よりも20倍かかりやすいとされ、嘔吐、下痢、意識障害になることがあり、流産や死産、新生児髄膜炎などの原因になるため妊婦さんには広く警告されています。
リステリア菌は冷蔵庫でも繁殖します。生焼けの肉、生ハム、ナチュラルチーズ(殺菌、加熱していないもの)など、特に調理済みで低温保存するものは避けるようにしましょう。
体力が落ちると食中毒にもかかりやすくなるため、調理器具は清潔にし、肉類はよく加熱することが重要です。
 

寝不足対策

夏は寝不足から体力が落ちることが多いため、寝室の環境作りも大切です。
まず寝る1~2時間前に寝室を冷やしておきましょう。寝るときはエアコンや扇風機の風は直接当たらないようにし、タイマーを利用し、パジャマも通気性の良いものにしましょう。
たっぷり汗をかくため、寝る前にコップ一杯のお水を飲むことも忘れずに。
もしなかなか寝付けない時は無理して寝ようとせず、一旦ベッドから起き上がりましょう。焦らずまた自然に眠くなるのを待ちます。
寝不足はお昼寝(30分~1時間程度)で補い、疲労をためないようにしましょう。


 

まとめ

熱中症と夏バテ予防の対策は、温度、水分、栄養、休養のコントロールがポイントです。
それぞれ妊娠中には飲み物一つとっても妊婦さん特有の注意点がありますね。日頃の注意に加え、熱中症と夏バテ予防のポイントを心がけて夏を乗り切りましょう!


image by Photo AC