はじめに 

膀胱炎は女性にかかりやすいとされていますが、その種類は様々あり、中でも「出血性膀胱炎」は子どもにも多くみられる膀胱炎です。

膀胱炎の多くは大腸菌などの細菌感染で、よほどの重症でない限り出血は見られませんが、子どもに見られる出血性膀胱炎はほとんどがウイルスによるもので、病名の通り出血を伴います。

夏に多く発症しますが、子どもはおしっこの様子を上手く伝えられず、発見が遅れることが多いため注意が必要です。

子どもの出血性膀胱炎の主な原因は「アデノウイルス」

「アデノウイルス」は子どもの夏風邪の「プール熱(咽頭結膜熱)」の原因となるウイルスです。

飛沫感染や経口感染により感染することが原因で、特に夏に悪さをすることが多いウイルスで、膀胱炎の原因にもなります。

通常、膀胱炎は膀胱の粘膜に炎症が起こる病気ですが、「出血性膀胱炎」は膀胱の粘膜から出血している状態で尿が赤み帯びて出てきます。

「出血性膀胱炎」の原因は様々あり、ウイルスや細菌、抗がん剤の投与、放射線、食物や薬のアレルギー等によって起こりますが、子どもの出血性膀胱炎はアデノウィルスによるものが多くみられ、特に夏に子どもの発病が多くなります。

出血性膀胱炎の症状

・尿に赤や茶色の血が混ざっている
・真っ赤な血尿が出ることもある
・尿が白く濁る症状はない
・微熱程度の発熱
・何度もトイレに行きたがる(頻尿)
・おしっこをすると痛がる(排尿痛)
・尿が残っている感じ(残尿感)

血尿の状態

・軽症=肉眼ではわからない程度(顕微鏡的血尿)
・中等症=目に見える血尿(肉眼的血尿)
・重症=血の塊が見られる

このように出血性膀胱炎でも軽症の場合は血尿が分かりにくいこともあります。

特に子どもはおしっこの様子をうまく伝えられず、発見がおくれることが多いため、排尿時にもじもじしたり、トイレの回数の変化や、あてはまる症状が見られたら早めに受診しましょう。

治療法

アデノウイルスが原因の「出血性膀胱炎」の場合には、特効薬はなく、自然治癒を待ちます。

通常は血尿は10日間程度で治り、頻尿や排尿痛も自然になくなります。

原因が食物や薬品アレルギーの場合には、原因となる食物や薬を飲むのを中止したり、止血剤が処方されることもあります。注意点は、細菌による「尿路感染症」が疑われる場合は抗生剤を服用することがあります。

いずれも医師の指示に従い、水分を多く摂って、尿をたくさん出すようにします。安静にすることで症状は改善されていきます。

尿路感染症に注意

赤ちゃんや子どもは、膀胱炎をはじめ、尿路にウイルスや細菌が感染し炎症を起こす「尿路感染症」にもなりやすく、尿路感染症を繰り返しすと、そのうち腎臓に再生不可能なダメージを与えてしまうこともあります。

膀胱炎から進行し重症化することもあるため、発熱やおしっこの異常があるときは放置せず、まずは小児科を受診しましょう。

おわりに

膀胱炎は大人と同じ細菌性のものの他に、子どもは「出血性膀胱炎」にもかかりやすいことを知っておきましょう。

特に夏に発症しやすいため、子どもの夏風邪と共に、尿の様子もチェックしてあげるとよいですね。