産科婦人科学会が不妊症の定義を「2年以上」から「1年以上」へ短縮、8月にも正式決定する方針=不妊症と深く関係する子宮内膜症について解説

不妊症の定義が「2年以上」から「1年以上」へ短縮

現在、赤ちゃんを望む多くの女性が悩んでいる「不妊症」。
妊娠を望む約6組に1組のカップルが不妊症に該当すると言われています。

産科婦人科学会によれば、不妊症とは男女が「2年間」避妊せずに性生活を続けても妊娠しないケースを言いますが、同学会はこの定義を2年間から「1年間」に短縮する案をまとめました。
全国の産婦人科医からの意見をヒアリングしたうえで、8月にも正式決定をする予定とのこと。

同学会によれば、不妊症増加の要因ともなっている晩婚化により早期の治療が必要なケースが多いことや、欧米の生殖医学会が不妊症を1年に定義していることを踏まえ、今回の案では1年間に短縮したとのこと。

現実問題、不妊症は早期の治療がかなり重要となります。
不妊症の原因となる病気は様々ですが、その中でも特に多いのが子宮内膜症です。
 

子宮内膜症とは?


子宮内膜症とは、本来子宮内にできるはずの子宮内膜が何らかの原因で子宮以外の場所で発生してしまう病気です。
子宮内膜症は良性の腫瘍ではありますが、卵巣にこの病気が発生すると悪性化して癌になる事もあります。

時代とともに初経の低年齢化や初産の高齢化、それに伴う出産回数の減少の傾向が多くなり、女性が生涯で経験する生理の回数が増えていることから、子宮内膜症になるリスクも高まっています。

特に鎮痛剤を飲んでも生理痛が鎮まらない方は、注意が必要です。
子宮内膜症の病巣からの出血による刺激が、痛みの原因かもしれないからです。

症状が酷くなると、子宮や卵巣が正常な機能を果たさなくなってしまうため、不妊の原因となると考えられています。
現在、不妊に悩む女性の約20%~30%にこの病気が見つかっています。

 

子宮内膜症と不妊症の治療は同時に行うことは難しい


不妊の原因を探る中で子宮内膜症が分かったという患者が多いですが、基本的に子宮内膜症と不妊症の治療を同時に続けることは難しいとされています。

子宮内膜症の治療にホルモン療法を行えば、排卵が止まるので妊娠ができません。また、不妊治療のために排卵誘発剤を使えば、女性ホルモンが増えて子宮内膜症が悪化する可能性があります。

治療の進め方は、年齢や子宮内膜症の症状の重さによってさまざまですが不妊症の治療を優先させ、鎮痛剤で子宮内膜症の痛みを抑えながらタイミング療法による妊娠を目指すケースが多いです。
妊娠前に子宮内膜症が多少は悪化することはあっても、妊娠後は改善に向かう可能性があるからです。

 

さいごに~妊娠を望んでからではなく、早めの診察と計画的な治療を~

子宮内膜症は月経がある限り進行する病気です。

しかし早期発見ができれば、低用量ピルで月経を調整するなどの治療で子宮内膜症の症状を抑えることも可能です。
不妊に悩んで、はじめて子宮内膜症に気付く女性も多いですが、先ほど紹介した通り不妊治療と子宮内膜症の治療は並行して行えません。
年々生理痛が重くなるなど、気になる症状がある方は早めに婦人科を受診しましょう。

(image by Photo AC)

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