口唇ヘルペスは赤ちゃんにも感染します。
体調を崩すとピリピリチクチクと再発する口唇ヘルペス。
子育て中のママでも体の抵抗力が落ちてくると再発することがあります。赤ちゃんに影響が出ないか心配ですよね。
一般的にヘルペスウイルスは強い感染力をもっていると言われ、赤ちゃんの粘膜や、湿疹・アトピーなどの傷がある肌への接触で感染することがあります。
もし、赤ちゃんにヘルペスウイルスがうつってしまったらどうなってしまうのでしょうか?
乳幼児のヘルペス感染症
多くの場合、感染しても症状が出ないか、出たとしても風邪のような症状で終わります。しかし、まれに重篤な症状を引き起こす場合もあるので注意が必要です。
ヘルペス性歯肉口内炎
乳幼児でもっとも多い症状がヘルペス性歯肉口内炎です。
高熱の後、口の周りや口内に水疱が出来たり、口の中や歯ぐきが真っ赤に腫れて痛がり口内が出血することもあります。ミルクを飲むのを嫌がるため脱水症状にかかりやすく、重症の場合は入院して点滴治療を行います。2週間くらいで水疱が乾いてかさぶたになりポロッと剥がれたらおわりです。
治療は抗ウイルス薬、軟膏やクリームなどの外用薬が処方されます。
新生児ヘルペス
母親が妊娠中にヘルペスに感染すると、胎内や出産時の産道で赤ちゃんにヘルペスウィルスが感染することがあります。
その他にも、口唇ヘルペスを発症している家族や友人が出産後すぐにお見舞いに来て、赤ちゃんに接触(キスなど)して感染したケースもあり周囲の人も注意が必要です。
新生児ヘルペスは出生後2~7日で発症することが多く、ミルクを飲む力が弱くなったり、活動力の低下や肝機能障害、呼吸障害、黄疸が見られることもあります。ウイルスが中枢神経にまで及ぶと、脳症を起こし後遺症を残すことがあります。治療をせずに放置すると高い確率で死に至る病気なのでミルクを嫌がる、口の中が赤い、急な発熱、呼吸音がおかしい、などの症状が見られたらすぐに病院へ連れていって下さい。
ママがヘルペスになってしまったら。赤ちゃんをヘルペスから守ろう。
ママが口唇ヘルペスを再発したら、とにかく赤ちゃんにうつらないように徹底してください。
ヘルペスの感染予防方法
1.使い捨てのマスクをする。
2.手洗いを徹底する。
3.シーツやタオルを共用しない。
4.口移しや食器の共用をしない。
5.赤ちゃんへのキスは厳禁。
(パパが口唇ヘルペスを発症しているママとキスした場合、パパも赤ちゃんにキスしないでください。)
家族や友人も注意しましょう。
1.ヘルペスが発症している時は赤ちゃんに会いにいかない。
2.発症していなくても唇にヒリヒリやムズムズを感じる時は、出産後のお見舞いもやめておきましょう。
授乳中の抗生物質の服薬について
口唇ヘルペスで処方されるお薬は抗生物質のバルトレックスが一般的です。
体内でアシクロビルに変換されて、ウイルスの増殖を抑える効果の高い抗ウイルス薬です。
授乳中に飲んで赤ちゃんに影響しないの?
バルトレックスの添付文書には「授乳婦への投与は慎重に行うこと」「本剤投与後、活性代謝物のアシクロビルがヒト乳汁中へ移行することが報告されている」と書かれていますが、国立成育医療研究センターのホームページ「妊娠と薬情報センター」内の「安全に使用できると思われる薬」にはバルトレックスが上げられています。(国立成育医療研究センター ママのためのお薬情報より)
アメリカをはじめとした欧米でも授乳婦に処方されているお薬ですが、特に日本では慎重になっているようです。授乳をやめるように勧める医師もいれば、服用直後に母乳を飲ませて、抗生物質の血中濃度が最高になる時間帯(2~3時間後)は授乳を避けるように勧めている医師もいて考え方はさまざま。担当医とよく相談して服薬を決めてください。服薬に不安があるなら、塗り薬も処方してもらえますし、市販の軟膏もあります。
おわりに
母親が過去にヘルペスに感染していた場合、赤ちゃんにも抗体が移行していると思われるため重篤な症状にならないと言われています。
それでも、もし、妊娠中や出産後にママにヘルペスの再発があったら、赤ちゃんに変化がないか注意深く観察して、異変に気づいたらすぐに病院に連れていってあげてくださいね。