生理前になると腹痛や頭痛、のぼせなどの症状で眠れない!
生理前になると腹痛や頭痛、むくみ、精神的なイライラなどの様々な身体的不調を感じることをPMS(月経前症候群)と言います。
日本国内でPMSの症状を感じている女性は、約85~95%もいるといわれます。
症状は人によって様々で、150種類以上もの症状があるといわれていますが、そのうちの1つが「不眠症状」。
そこで今回はPMSの不眠症状に効果的な漢方薬「加味逍遥散」についてご紹介します。
PMSの原因は黄体ホルモンにあり
女性ホルモンには卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2つがあり、生理周期によってこれらのホルモンのバランスが変動します。
生理前に不調を感じるPMSの時期は黄体期と呼ばれ、黄体ホルモンの分泌量が増えます。
PMSの原因は人によって様々ですが、主にこの黄体ホルモンの影響により水分の代謝や脳内物質の分泌に変化が生じることによって、腹痛や頭痛、精神的なイライラなどの心身の不調があらわれます。
さらに、黄体ホルモンには体温を上昇させる作用があり、これがPMSの不眠症状と深くかかわっています。
人間は通常、睡眠時には体温が低下し、起床時には体温が上昇するのですが、この体温の変化が深い眠りにつくためには必要になります。
しかし、黄体ホルモンによって体温が上昇し、体温変化が少なくなることによって、寝つきにくくなったり、反対に日中に強い眠気に襲われたりするのです。
PMSに効果的な漢方薬「加味逍遥散(かみしょうようさん)」
PMSの症状を緩和させる方法は、食生活や生活習慣の改善など様々ありますが、漢方薬を飲んでみるのも1つの手です。
漢方薬は生薬などの自然由来の成分でできているため、人によって効果の大小はありますが、副作用が比較的少ないのが魅力。
PMSの不眠症状は、前述の黄体ホルモンによる体温上昇や、腹痛や頭痛、精神的なたかぶりによって寝つきが悪くなるなど、その原因は様々であるため、対処が難しいのがやっかいなところ。
しかし加味逍遥散は、PMSの根本的な原因となるホルモンバランスの乱れを整える効果があるため、効果があらわれればPMSの症状を総合的に解消させることが期待できます。
加味逍遥散(かみしょうようさん)の効能・効果、副作用について
効能・効果
血のめぐりを良くし、ホルモンバランスを整える効果があるため、月経トラブルや更年期障害などの女性トラブルに効果的です。
主に以下のような症状の改善が期待できます。
・生理痛
・月経不順
・月経困難
・更年期障害
・不眠症
・精神的不安やいらだち
・虚弱体質
・手足の冷え
・のぼせ
副作用
漢方薬は西洋医学のお薬に比べて副作用は少ないですが、あくまでお薬なので副作用が全く無いというわけではありません。
用法・用量を正しく守って服用すれば、副作用が出ることはあまりありませんが、以下のような症状が出た場合は服用を中止し、医師の診断を受けましょう。
・発疹、発赤、かゆみ
・吐き気、嘔吐、食欲不振、胃の不快感
・発熱、黄疸、全身のだるさ、食欲不振
・腹痛、下痢、便秘、腹部膨張
さいごに
漢方薬は副作用がマイルドなのが良い点ですが、反対に効果もマイルドな場合があります。
1ヶ月ほど服用しても効果があらわれなかった場合は服用を中止し、医師または薬剤師に相談しましょう。