はじめに

子どもは大人に比べて免疫力が未熟なため、感染症が発症すれば、多くの子どもたちが共にする幼稚園や学校がたちまち病原体を媒介する場所になってしまいます。

学校感染症とは、学校で病気が感染、蔓延することを防ぐために「学校保健安全法」により、伝染病にかかっている生徒の出席を停止させることがある感染症です。

子どもがかかりやすい感染症には、冬のインフルエンザをはじめ様々ものがありますが、今回は特に夏に注意したい学校感染症について見ていきましょう。

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症状の重さにより3種類に分類

出席停止が必要とされる感染症にかかった場合、医師の許可がでるまで登校・登園は禁止となります。

その場合の出席停止は欠席扱いとはなりません

学校保健安全法では、学校において予防すべき感染症を、症状の重篤性(重さ)等により第1種、第2種、第3種に分類しています。

■第1種

エボラ出血熱、ペスト、ジフテリア…など、日本国内ではあまり見られませんが、発病すると半数以上が死亡すると報告されている、極めて重症な症状になる感染症です。

発症すると入院治療し、完治するまで退院できないため、その間は登校できません。

■第2種

放置すれば学校で流行が広がってしまう可能性がある飛沫感染する感染症です。

学校に届け出て、定められた出席停止期間に従って、医師の登校許可が出るまで家庭で安静にします。

第3種

飛沫感染が主体ではないが、放置すれば学校で流行が広がってしまう可能性がある感染症です。

出席停止の個別の基準はありませんが、「病状により医師において感染のおそれが無いと認めるまで」となっています。症状によって登校してもよいと医師が判断した時は登校できます。

特に夏季にかかりやすい感染症

学校感染症の中でも、以下は夏の時期に注意しましょう。

登園・登校停止が必要なもの(第2種)

学校に届け出て、定められた出席停止期間に従い、医師の登校許可が出るまで家庭で安静にします。

<病名:主な症状/出席停止期間>

■百日咳

主な症状・・激しい咳が長期間続く

出席停止期間・・特有の咳が消失するまで、または5日間の適正な抗菌療法が終了するまで

■麻疹(はしか)

主な症状・・発熱・鼻汁・目やに口内に白い発疹、全身に発疹

出席停止期間・・解熱後3日間を経過するまで

■水痘(水ぼうそう)

主な症状・・発疹→水泡→ かさぶた

出席停止期間・・軽い発熱 全ての発疹が痂皮化(かさぶた)になるまで

■流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)

主な症状・・発熱、耳下腺の腫れと痛み(押すと痛む)

出席停止期間・・耳下腺、顎下線または舌下線の腫れが始まった後5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまで

■咽頭結膜熱(プール熱)

主な症状・・38~40℃の発熱、のどの痛み、目やに、結膜の充血

出席停止期間・・主要症状消退後2日間経過するまで

病状により学校医その他の医師が判断(第3種)

出席停止期間の個別の基準はありませんが、「病状により医師において感染のおそれが無いと認めるまで」となっています。

症状によって登校してもよいと医師が判断した時は登校できます。

<病名:主な症状/出席停止期間>

■腸管出血性大腸菌感染症(O-157)

主な症状・・激しい腹痛、水様性の下痢、血便 

出席停止期間・・症状が改善し医師により伝染のおそれがないと認められるまで

■流行性角結膜炎(はやり目)

主な症状・・目の腫れ、異物感、充血、目やに

出席停止期間・・眼症状改善し、医師により伝染のおそれがないと認められるまで

■急性出血性結膜炎

主な症状・・目の痛み、結膜や白目の部分の出血、涙

出席停止期間・・眼症状改善し、医師により伝染のおそれがないと認められるまで

条件によって登園・登校が停止(第3種)

<病名:主な症状/出席停止期間>

■手足口病

主な症状・・発熱、口腔内の発疹・手足末端や臀部の水疱

出席停止期間・・解熱し全身状態安定していれば登校可

■ヘルパンギーナ

主な症状・・38-40度の高熱、口内、のどの奥に水疱

出席停止期間・・解熱し全身状態安定していれば登校可

■伝染性紅斑(リンゴ病)

主な症状・・かぜ様症状、顔面の紅斑・手足にレース状・網目状の発疹  

出席停止期間・・発疹期には感染力はほぼ消失していると考えられるため、発疹のみで全身状態良好なら登校可

■溶連菌感染症

主な症状・・のど痛み、腫れ、イチゴ状舌、発熱

出席停止期間・・適切な抗生剤治療後24時間を経て解熱し、全身状態良好なら登校可

出席停止の必要はないが、担任に連絡

伝染性膿痂疹(とびひ)伝染性軟属腫(水いぼ)アタマジラミ

これらは登校しながらの治療が可能です。出席停止の必要はありませんが、学校及び担任に連絡して下さい。

学校感染症に感染したときの手続き

1、医師により、学校感染症と診断された場合は、速やかに学校及び担任の先生へ連絡してください。

学校保健安全法に基づき出席停止の借置を取ります。

2、学校所定の「学校感染症罹患報告書」をもらい、医師に記入してもらい、学校まで提出して下さい。

※学校感染症には病状により出席停止の基準は定めれらていますが、個人で判断は難しく、また病状は個人によって異なるため、子どもが感染症にかかった場合は必ず医師の指示に従い、登校の許可が出るまで十分に休養することが大切です。

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さいごに

感染症の主な感染経路は、①空気感染、②飛沫感染、③接触感染、④経口感染 (糞ふん口感染) があります。

日頃から、手洗い、うがい、マスク、オムツや便の適切な処理など、ウイルスや細菌から体を守るための基本的な予防行為が必須です。

夏には夏特有に流行する感染症を知り、体調を崩しやすい季節でもあるのため、家族みんなで注意しましょう。