女性にとって、出産は体力勝負の大仕事です。

出産に耐えうる体力適度な筋力をつけるためにも体に合わせた運動をすることは、安産にもつながる大事なポイントです。

妊娠中の適度な運動は、妊娠中の肥満むくみ妊娠高血圧症候群の予防産後の回復にも役立ちます。また、ストレス解消にもつながります。

 妊娠中は、一生の中でも最も身体が急激に変化する時期です。心身ともに不安定になりやすい時期ですが、ご自身の体調と相談しながら適切に運動を行い、出産に備えましょう。

この記事では、妊娠中におすすめの運動方法と注意点をご紹介します!


 

目次

①妊娠したら、いつから運動できる?

②妊娠中にオススメの運動

③妊娠中にやってはいけない運動

④無理なく・楽しく・ほどほどに!

 

妊娠したら、いつから運動できる?

正常な妊娠であり、体調が万全であれば、妊娠中の運動は可能です。

ご自身の体調や妊娠状況に応じて、運動を始める時期・運動の種類や強度を選択するようにしてください。
運動を始める前には、必ずかかりつけ医に相談しましょう!

 

妊娠初期の運動

妊娠前から継続的に行っていた運動は、妊娠がわかったあとも引き続き継続することが可能です。ただし、心身ともに不安定になりがちな妊娠初期の無理な運動は禁物です。運動する際は、強度や頻度を落とすなど、身体に過度な負担をかけないように心がけましょう。

妊娠を機に、体力や筋力をつけるために新しいスポーツを始めることは止めましょう。慣れないスポーツは思わぬ怪我や事故につながりやすくなります。
 

妊娠中期の運動

安定期(妊娠5ヶ月〜7ヶ月)に入ったら、かかりつけ医と相談して、体調に合わせて適度な運動を行うようにしましょう。

運動する時間帯は、午前10時から午後2時の間が望ましいとされています。また、週2〜3回の頻度、1回の運動時間は30分程度を目安にしてください。ただし、疲れを感じたらすぐにやめるようにしましょう。

運動を止める時期は定められていません。人によっては分娩直前まで運動をしている方もいるようです。ご自身の体調に合わせて、身体に負担をかけすぎない運動を心がけましょう。
 

妊娠後期の運動

妊娠後期3ヶ月になったら運動量を減らしましょう。臨月に入ったら、ジョギングなどの体力の消耗が激しい運動ではなく、軽いストレッチや早歩き、負担の少ない水中運動に切り替えていきます。

産後に本格的に運動を再開する場合、産後6週間ぐらいが目安となります。

 

妊娠中におすすめの運動

有酸素運動

軽いジョギングウォーキングなどの有酸素運動は、身体に酸素を取り込んでエネルギーに変え、 心臓、肺、筋肉、関節の機能を高めてくれます。

また、有酸素運動により、母体の血液循環が良くなると、胎児に栄養や酸素が運ばれる機能も高まります。妊娠中に起きやすいむくみ、便秘、静脈瘤などのリスクを減らしてくれます。

有酸素運動によって筋肉量が増えると、持久力がついて長時間の出産に耐えられる身体づくりができます。

《ポイント》
1日20分~30分を目安に、継続して行うと効果的です。


ウォーキング

妊娠初期におすすめの運動がウォーキングです。妊娠前に運動の習慣がなかった方はウォーキングからはじめてみましょう。

ウォーキングを始める前は、必ず軽いストレッチを行いましょう。1回20分程度を目安に、いつもの歩調より少し早めに歩きます。

最初は週に1日からスタートし、徐々に日数を増やしていきましょう。疲れを感じたらすぐに休憩することを忘れずに。

《ポイント》
空腹時や食後30分以内のウォーキングは避けましょう。
 

ヨガ

身体に意識を向け、呼吸や姿勢を通して身体を動かすヨガは、妊娠期に理想的な運動の一つです。

ヨガの効果として、持久力を高める姿勢を整える血液循環を促す呼吸を楽にして妊娠期の足腰の痛みを軽減する、などがあげられます。また、吐き気や消化不良に効果があるポーズもあります。

ヨガは身体へのアプローチだけではなく、リラックスを促し、ストレスや不安感を緩和する、といった心にも良い作用があります。出産に向けて心を整えていくことにも大変役立ちます。

《ポイント》
妊娠の周期によっては、ポーズやレベルが妊婦にむいてない場合があるので、ヨガクラスに参加する場合は、妊婦向けのクラスを選びましょう。

マタニティエクササイズ

妊娠中や産後、妊娠希望の方に向けて開発されたエクササイズです。

妊娠による身体の変化やダメージに合わせたプログラムは、大きなお腹でも効率的で安全に動ける運動で、分娩時に必要な要素も取り入れられています。主に医療機関やスポーツジムなどで参加が可能です。

ストレスの発散、体重増加の予防、出産しやすい身体づくりを目指すことができます。

腰痛やむくみなどの症状に合わせたプログラム、出産をスムーズにする、出産後の運動など、目的別でもエクササイズが選べます。
 

スクワット

スクワットでは、骨盤底筋を鍛え、骨盤を広げる効果があり、出産の時に使う筋肉を鍛えることが可能です。 スクワットは妊娠直前までできる運動です。

ただし、臨月のスクワットは破水の危険性もあるので、無理はしないようにしましょう。

《スクワットのやり方》
肩幅に足を開いたら、足の裏を床につけ身体のバランスを安定させます。 背中を伸ばしたまま、ゆっくり膝をまげていきます。 両腕は膝に置き、10~30秒姿勢をキープ。戻るときは両手で膝を押しながらゆっくり元の位置にもどります。1日5回を目安に行いましょう。慣れてきたら、徐々に回数を増やしましょう。
 

ケーゲル体操

女性の一生の中で、妊娠中ほど子宮や膣を意識する期間はありません。
ケーゲル体操は膣と膣の入り口の筋肉を鍛える簡単な体操です。

繰り返し練習することで会陰切開(えいんせっかい)や会陰裂傷(えいんれっしょう)を防ぐ効果があります。また、産後の尿もれトラブルの予防や子宮の回復にも有効です。

《ポイント》 
ケーゲル体操の基本姿勢は仰向けで行うため妊娠5ヶ月を過ぎたら止めましょう。
 

妊娠中にやってはいけない運動

炎天下での戸外の運動は禁止

高温多湿の環境での運動は、母体の体温の上昇とともに胎児の体温も上昇させます。

妊娠初期にはこういったリスクが胎児の発育に影響し、胎児奇形の原因になるとされているので要注意しましょう。

妊娠後半期でも母体と胎児の体温の上昇により、胎児低酸素症を引き起こし胎児脳のに影響がでる恐れがあります。
 

ジャンプする運動

バーレーボールやトランポリンなど上下運動の激しい運動は流産を引き起こす原因になります。

特に妊娠初期はジョギングや激しいエアロビクス、フットサルなどは避けましょう。
 

競技性が高い運動

勝敗や優劣を競うスポーツは気持ちをヒートアップさせて激しい運動につながりやすくなります。

また、勝負へのこだわりが、精神的にかえってストレスになることもあります。
 

転倒する危険がある運動

凹凸の激しい場所でのサイクリングは転倒する危険性があるため控えましょう。

また、ヒールの高い靴など転倒の危険があるものはできるだけ控えたほうがよいかもしれません。
 

誰かと接触する可能性のある運動

ソフトボール、サッカー、バスケットボール、ボクシングなど相手と衝突する可能性があるスポーツは止めましょう。

身体に衝撃を与える可能性のあるボール競技も控えましょう。
また、妊娠中期の
5ヶ月以降は仰向けの姿勢をとるような運動は避けましょう。

 

無理なく・楽しく・ほどほどに!

妊娠中に運動を行う時は、様々な点に気を配らなくてはいけません。

効果的な運動が、適度な体力づくりやストレス解消になるように、特に以下の点に注意しましょう。
 

運動を控えた方がいい場合

過去に3回以上流産や早産をしている場合、中・後期に出血がみられる場合は運動は禁止されます。妊娠性高血圧(妊娠中毒症)や心臓病、その他持病がある場合も、基本的に運動は禁物です。
また、極端にやせすぎまたは太りすぎの場合も注意が必要です。

健康な方でも妊娠してから運動を始める際は必ずかかりつけ医に相談しましょう。

 

準備運動・クールダウンを忘れずに

ついついわすれてしまいがちな準備運動ですが、心臓や肺に負担をかけないためにも必ず行うようにしましょう。

特に、運動後のクールダウンをせずに、急に動きを止めてしまうと、血液循環が悪くなり、赤ちゃんや他の身体の部位に血液が届きにくくなります。その結果、めまいや失神、心拍数の増加を引き起こす原因となるので注意が必要です。

 

消費したカロリーはしっかり補う

運動で使ってしまった分はもちろん、お腹の赤ちゃんの分までしっかり栄養をとりましょう。また、運動後はコップ1杯を目安に水分を補給しましょう。

30分の運動をすると、およそ100~200キロカロリーが消費されます。運動後にカロリーを摂取しているのに体重が増えない場合は、運動量が過剰になっている場合があるので気を付けましょう。 暑い季節や汗をたくさんかいた時には、500㏄以下の量を目安に、運動中のこまめな水分補給を心がけましょう。

運動を始める30~45分くらい前から水分を摂りはじめるようにしましょう。

 

ほどほどに楽しく

妊娠中は心身ともにデリケートな時期です。

運動をすることによって身体を過度に疲れさせてしまっては逆効果です。運動の最中に疲れを感じたらすぐ休み、気分が乗らないときは無理な運動は避けるようにしましょう。

また、自分の体調に合わせてマイペースに行うことも大切ですが、グループレッスンに参加したり、パートナーや友達と一緒に行うことも、楽しく運動するポイントです。気分をリラックスさせながら、助け合って適度な運動を行うことを心がけましょう。

運動中や前後に、腹部の痛み、めまい、息切れがひどいなどの症状が感じられた場合はすぐに中止してかかりつけ医に相談しましょう。
 

終わりに

妊娠中は、無理をしないことがとても大切です。

妊娠した時から、あなたの考え・気持ち・行動が常にお腹の赤ちゃんへ影響を与える日々は始まっています。その日の体調や身体の変化に合わせて、運動の種類、時間、内容、注意点など、かかりつけ医と相談しながらこまめに調整しましょう。

楽しい運動と共に、快適な妊娠生活を送ってくださいね。

 

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