生理はきているのに無排卵だった?!
女性には、毎月一度、生理がきます。
生理は、赤ちゃんを産むための大事な大事な機能です。女性ホルモンが大きく関係している生理は、女性にとって健康のバロメーターにもなります。
しかし!
毎月生理の日付はチェックしていても、きちんと排卵しているか確認したことはありますか?
生理はきているのに、実は、排卵していない!
それが、「無排卵周期症(むはいらんしゅうきしょう)」です。
「無排卵周期症」の場合、生理はきているのに排卵が行われていないため、妊娠ができません。この病気を放っておくと卵巣機能が低下して、自然な状態では妊娠できなくなる不妊の原因となります。「無排卵周期症」は妊娠希望の女性やカップルにとっては大変深刻な病気となっています。
人それぞれ症状の種類も程度も違うため、なかなか自分では気づきにくい「無排卵周期症」。「無排卵周期症」の症状について詳しくみていきましょう。
脳から指令がでない!無排卵になる理由
生理のような出血(月経血)があっても、排卵が伴っていない状態を「無排卵周期症」といいます。
排卵していなければ、精子と結びつくこともできないため、もちろん妊娠することはできません。さらに、「無排卵周期症」を放っておくと、妊娠できないだけではなく、子宮体がんや卵巣がんなどの要因にもなりうるとされています。
原因はストレス!
正常なら毎月1回行われる排卵が、どうして行われなくなるのでしょうか。
「無排卵周期症」になる原因はいろいろあります。排卵が行われるためには、脳から卵巣へ正しく指令が出される必要があります。しかし、ストレスにより、脳からのホルモン分泌が正しく行われないため卵巣へ指令が出されないと、排卵が行われません。
具体的な原因としては、
◼︎無理なダイエット
◼︎激しい運動
◼︎生活環境の変化による過度のストレス
◼︎過度な飲酒と喫煙
◼︎服用している薬の影響
などがあげられます。
最近では、女性のワークスタイルが多様化してきたため、ストレスを感じる場面も多くなることで、「無排卵周期症」の方が増えてきていると言われています。
また、ストレス以外にも「多嚢胞性卵巣症候群」や「高プロラクチン血症」「甲状腺疾患」などの病気も原因として挙げられています。
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要注意!「無排卵周期症」では妊娠できません
日本生殖医学会のデータによると、現在、10組に1組は不妊に悩んでいるとい割れています。不妊の原因は、「男性側」「女性側」「男女両方」にわけられます。
「無排卵周期症」は、不妊症の女性側の原因の一つである「排卵障害」の一種です。
「排卵障害」は、その名の通り、なんらかの理由で排卵がうまくいかないこと。
「無排卵周期症」は、卵巣機能がしっかり発達していない思春期や、卵巣機能が低下しやすい更年期にみられることが多くあります。「無排卵周期症」を放っておくと、卵巣機能はどんどん低下し、自然と排卵することが困難になり、不妊の原因となります。
「無排卵周期症」で妊娠を望む場合は、治療が必要になります。治療を行うことで、妊娠を希望される場合は、早めに婦人科を受診しましょう。
あなたは大丈夫?!生理が来ていても「無排卵月経」の可能性あり!原因と症状、治療法について知っておこう
近年、生理が正常周期できていても、排卵していない状態の「無排卵月経」が増えてきています。 無排卵月経の原因と兆候、対処法をご紹介します!
「無排卵周期症」のサインを見逃すな!生理周期が発見のカギ
「無排卵周期症」の症状の一つとして月経不順が多くみられます。月経不順では、正常だと25日〜38日周期でくる生理が、決まった周期でやってきません。
月経不順には様々な症状に分けられますが、「頻発月経」や「稀発月経」は排卵をともなわない「無排卵性」である場合が多いとされています。
《様々な月経不順の種類》
◼︎頻発月経(ひんぱつげっけい):24日以内の周期。月経回数が増える
◼︎稀発月経(きはつげっけい):39日以上の周期。年に数回しか生理がおこらない
◼︎過短月経(かたんげっけい):生理の持続日が短く2日以内で生理が終わる
◼︎過長月経(かちょうげっけい):生理の持続日が長く8日以上続く
◼︎過少月経(かしょうげっけい):生理の出血量が少なく1回の生理で20g以内。
◼︎過多月経(かたげっけい):生理の出血量が異常に多く1回の生理で140g以上。
「無排卵周期症」では、月経不順以外でも、月経量の異常、不正出血、不妊などの症状があります。これらの症状は、「無排卵周期症」の原因であるホルモンバランスの異常からくるものだけでなく、子宮発育不全などの子宮による疾患でもみられることがあります。
なお、正常な月経周期でも「無排卵周期症」は発生するため、月経周期に異常が見られない時は「無排卵」であることに気づきにくくなります。
キチンと排卵している?基礎体温で排卵をチェック!
自己診断が難しい「無排卵周期症」は、早めに婦人科の診断を受けてみましょう。
婦人科での診察では、詳細な問診、超音波審査、血液中のホルモン検査などで確定診断を行います。
また、自宅でできる判断材料としては、基礎体温の計測が有効です。
つまり、正常な生理周期の場合、基礎体温をつけていないと「無排卵周期症」に気付きにくいとも言えます。
健康な女性の生理周期では、基礎体温は「低温期」と「高温期」の2相性ですが、「無排卵周期症」の場合、「高温期」がみられない1相性となります。1ヶ月通して、健康なのに体温に変動が見られない場合、「無排卵周期症」が疑われます。
いずれも、正常な範囲かわからない、基礎体温の変動が激しい、など気になることがある場合は、自己判断で終わらせずに専門医に相談しましょう。
《正常な基礎体温グラフ》
《無排卵が疑われる基礎体温グラフ》
基礎体温の測り方は、関連記事をご覧ください。
基礎体温を測る事は女性の身体を知る為にとても効果的な方法です。
しかし、基礎体温の事って何となくは知っているけど、正しい測り方など細かい所までは知らないという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は自分の身体をよく知る為に基礎体温から分かる事や、正しい計測方法をご紹介します!
「無排卵周期症」は自分にあった治療法を!
「無排卵周期症」は治療を行うことで改善することができる病気です。長期的な体質改善から、妊娠の希望に合わせて、治療法を選択します。
ご自身のライフスタイルや人生設計に合わせて、主治医と相談しながら、適切な治療を行いましょう。
原因となるストレスを取り除く!
「無排卵周期症」は、過度のストレスが原因となることが多くあります。
ストレスの原因となるような、無理なダイエットや激しいスポーツは控えましょう。また、不規則な生活、寝不足、過度の喫煙や飲酒も原因となります。ストレスを軽減するためにも、生活習慣の見直しを行い、規則正しい生活を心がけましょう。
【妊娠を希望する場合】排卵誘発剤の使用
妊娠を希望する場合は、排卵誘発剤による投薬治療を行います。排卵誘発剤を使用して、排卵をうながす治療のことを、「クロミフェン療法」と呼びます。商品名では、クロミッド、フェミロン、セロフェンなどがあります。
排卵誘発剤は、排卵にとても効果がある反面、長く使い続けていると副作用も出てきます。
副作用として、「頚管粘液」という精子が子宮に入るのを助ける粘液が減ってしまうことや、受精卵を育てる「子宮内膜」が厚くならないことがあげられます。また、双子や三つ子を妊娠する確率(多胎率)が高くなるといわれています。その確率は、自然に排卵した時の約5~6倍といわれています。
排卵誘発剤が有効であることは高く認められていますが、副作用と効果を十分に理解し、主治医の指示の下で服用しましょう。
【妊娠を希望しない場合】ピル(ホルモン剤)の使用
すぐの妊娠を希望しない場合は、ピルやホルモン剤を定期的に使用することで、月経周期を正常に戻し、卵巣機能の自然回復を目指します。
避妊薬としてメジャーな「低用量ピル」は正しい使い方をすればほぼ100%避妊することができ、妊娠したくなったら服用をやめれば妊娠できるようになり、月経のサイクルなどを安定化することもでき、現在社会のライフスタイルにもよく合った避妊方法ということで人気です。
そんな低用量ピルにも「第1世代」「第2世代」「第3世代」といった種類があり、それぞれの特徴