生理前に性格が豹変する?!PMDD(月経前不快気分障害)とは

「ある日突然、無気力になる」

「落ち込みがひどく、誰にも会いたくない」

「いつもは平気な言葉も、ささいなことで深く傷つき涙が止まらなくなる」

「急にイライラが強まって、怒りが爆発してしまう」

 

女性の皆さんは、生理前にこんな症状に悩まされたことはありませんか?

あなたが男性なら、周りにこんな症状がでている女性はいませんか?​

 

月経前の7~10日前に重度の不調を引き起こす「PMDD」。

別名、月経前不快気分障害(Premenstrual Dysphoric Disorder)とも呼ばれます。

 

PMDDの症状はPMS(生理前症候群)とよく似ていますが、特徴はPMSよりも精神的な症状が重く、不安や怒りなどの感情を自分で抑えられなくなり、日常生活や仕事にも影響がでてしまうということです。

 

症状は月経前にだけに起こり、月経が始まると同時に「あの辛さがうそみたい」と思えるほど自然に改善されていくのも大きな特徴です。

 

PMDDの原因は女性ホルモンにあり!

PMDDの原因は明確には解明されていませんが、PMSと同じように女性ホルモンが関係していると考えられています。

 

その中でも注目されているのがエストロゲンとセロトニンの関係

 

女性ホルモンのひとつエストロゲンは「女性らしさをつくるホルモン」ともいわれ、自律神経や感情の働きにも大きく関わっています。

エストロゲンの分泌が多い時期(卵胞期)は心も体も安定して体調がいいのですが、排卵を境にホルモンバランスが変化。

エストロゲンが減少し、代わりにプロゲステロンの分泌が増える「黄体期」に入ります。

 

セロトニンの減少

じつはこのエストロゲンは精神神経系とも関わりがあり、エストロゲンが減少すると脳内の神経伝達物質セロトニンも減少してしまうのです。

エストロゲンとともに、感情を安定させ幸福感を感じさせるセロトニンも減少することで、月経前はどうしても重だるく憂鬱な気分に・・・。

これがPMSが発症するメカニズムです。

 

PMDDは、PMSよりさらに精神的症状が強いもので、その原因にはセロトニンが急激に、それも多量に減少することが挙げられています。

 

月経のある女性の約50~70%がPMSを経験し、さらにその中の約5%がPMDDで悩んでいるといわれています。

 

症状の出現は月経周期と関係が!

PMDDは女性ホルモンが関係しているため、PMSと同じように症状の出現にも月経周期が関わってきます。

 

生理が始まる約1週間前からイライラや孤独感、抑うつ感、過眠や不眠などが著しく悪化し、その程度は自分で抑えられないくらいになることも。

しかし、生理が始まると2~3日で症状が軽くなり、生理が終わって1週間ほどは全く症状がなくなるのが大きな特徴です。

 

PMDDは心に大きな変化があらわれます

PMDDの症状の強さや種類などには個人差がありますが、精神的な症状が強いことからうつ病と間違えられることがあります。

 

また重度の場合は、物を破壊したり暴言を吐いたりするほか、PMSとの違いとして自殺願望や自傷行為にまで発展することも。

早期に病気を見極めて、適切な治療をおこなうことが重要です。

 

PMDDをセルフチェック!こんな症状はありませんか?

自分の症状がPMDDによるものかわからない・・・。

そんなときは、次に挙げる項目で自己チェックしてみましょう。

 

過去1年間の月経周期のほとんどにおいて、以下のチェックリストに5つ以上あてはまり、1・2・3・4のいずれかの症状が1つ必ず当てはまる場合はPMDDの可能性があります。

 

また、症状が生理が始まる約1週間前から出現し、長くても生理が始まってから4日以内には消失する、という点もPMDDを診断するうえでの重要な判断基準です。

 

《PMDDチェックリスト》

  • 著しい抑うつ気分、絶望感、自分を責める気持ちが強くなる
  • 著しい不安、緊張、いらだちが高まる感情
  • 突然悲しくなったり、ものごとを拒絶するようになったり、情緒不安定になる
  • 怒りっぽくなり、対人関係に問題が生じる
  • 仕事や友人、趣味など、今まで興味を持っていたことに無関心になる
  • ものごとに集中できなくなる
  • 倦怠感を感じ、すぐにつかれてしまう
  • 食欲の減退、過食、特定の食べ物が無性に欲しくなる
  • 過眠または不眠
  • 何かに圧倒される、または自分の感情が制御不能になってしまう
  • 乳房の圧痛や頭痛、関節痛、筋肉痛、体重増加、身体が膨らんでいる感覚など、他の身体症状の変化

PMDDとうつ病の違いとは

頭痛、吐き気、過食や不眠、気力や集中力の低下、激しい怒り、不安定な感情、涙もろくなる、全てに興味がくなり、外出も避け、周りの人との交流さえも面倒くさくなってしまうなど、PMDDの精神的症状は「うつ病」とよく似ています。

 

しかし、決定的に違うのが症状の出現が月経周期に関係しているかどうかということ。

 

PMDDは、月経周期に合わせて女性ホルモンの影響で症状が悪化・消失しますが、うつ病の場合は月経周期に関係なく発症し、回復の期間も症状の重さによって異なります。

 

PMDDの治療は心療内科か精神科へ

PMSの場合、治療は婦人科か女性外来でおこないますが、PMDDは同じ女性ホルモンが関係していても精神症状が強いため

心療内科や精神科の受診をおすすめします。

 

自己診断でPMDDなのかPMSなのかを見極めるのは難しいので、あらかじめ生理周期や基礎体温のパターン、症状の発症時期や特に強く表れる症状、症状が継続する期間などを具体的にメモしておいて、病院に持参しましょう。

基礎体温を測る事は女性の身体を知る為にとても効果的な方法です。



しかし、基礎体温の事って何となくは知っているけど、正しい測り方など細かい所までは知らないという人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は自分の身体をよく知る為に基礎体温から分かる事や、正しい計測方法をご紹介します!

 

基礎体温をつけておくと、女性ホルモンの変化を自分で把握できるため、体調の変化など症状の発症にも前もって心の準備ができます。

 

生理があるうちは他人事と思わず、ぜひ基礎体温をつけてみましょう。

 

治療薬は症状にあわせて選ぼう!

1.抗うつ剤SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は精神科や心療内科でPMDDと診断されると処方される薬で、抑うつ症状を改善し、月経前に低下し始めるセロトニンを補う作用があります。

 

抗うつ薬の一種でPMDD患者の50~60%に効果があり、フルキサミン、パロキセチン、セルトラリンの3種類のうち、パロキセチン、セルトラリンが推奨されています。

 

!注意!

服用後に気分が悪くなる、吐き気がするなどの副作用を伴うことがありますので、必ず医師の指導のもと服用しましょう。

 

■薬はいつまで服用するの?

 

SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は月経の始まる2週間前~月経が始まり症状が無くなるまで服用します。

 

症状が治まっても、服用を止めるとPMDDが再発するおそれがあるので、予防として長期間の服用が必要です。

必ず医師の診断のもと、薬を服用するようにしてください。

※薬の服用期間や効果は個人差があるので、あくまでも目安です。

 

2.漢方薬

抗うつ薬に抵抗がある方、妊娠を考えている方で服薬を避けたい方には、漢方薬の治療も可能です。以下の漢方薬はPMSの精神的な症状にも処方されています。

 

PMDDの治療には、症状が軽い場合や自殺願望、重いうつ状態などの生命の危険がないことを前提に検討しましょう。

 

漢方薬を服用する際には、体質や症状に合った処方が重要になりますので、専門医や漢方医に相談することをおススメします。

 

《PMDDに処方される主な漢方薬》

 

半夏厚朴湯:不安神経症、神経性胃炎、つわり、せき、しわがれ声、のどのつかえ感

 

加味逍遥散:冷ええ症、虚弱体質、月経困難、のぼせ、精神不安、更年期障害、不眠症、月経不順、血の道症

 

当帰芍薬散:月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の道症注、肩こり、めまい、頭重、打ち身(打撲症)、しもやけ、肩こり、頭重、めまい、のぼせて足冷えなどあるしみ、湿疹・皮膚炎、にきび

 

桂枝茯苓丸:月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、血の道症注、肩こり、めまい、頭重、打ち身(打撲症)、しもやけ、頭重、めまい、

 

抑肝散:神経の高ぶり、イライラ、不眠、手の震え、神経過敏、興奮を抑える

桃核承気湯:月経不順、月経困難症、月経痛、月経時や産後の精神不安 イライラ、不眠、腰痛、頭痛、腰痛、便秘、高血圧の随伴症状

 

PMDD(月経前不快気分障害)に効果的な漢方薬「半夏厚朴湯 (はんげこうぼくとう)」
生理前になるとイライラしたり、頭痛、むくみ、めまいなどの心身の不調を感じる病気を「PMS(Premenstrual syndrome:月経前症候群)」と言います。

PMSの症状は人によって様々で、その種類は150以上もあると言われていますが、その中でも特に多いのがイライラ感や抑うつ

 

■漢方薬の副作用に要注意!

漢方薬には副作用が少ないイメージがありますが、体調の変化や体質と漢方薬との組み合わせで副作用がでることもあります。また、効果が思うように出ないときは、他の漢方薬の服用や治療を医師に相談しましょう。

PMDDにピルの使用は要注意!

通常、ピルは女性ホルモンのバランスを整えるのに有効な薬として、PMSの症状改善でも処方されます。

同じようにPMDDの治療でも低用量ピルを使用することがありますが、精神的な症状が強い場合には低用量ピルで対処できないケースもあります。

 

自己判断でピルを使用せず、必ず医師の診断を受けて、どんな薬が症状に適しているのかを相談の上決めてください。

 

国の支援制度を活用しましょう〜自立支援医療制度〜

症状の改善に、薬の長期服用が求められるPMDDは、受診料や薬代が大きな負担になりかねません。PMDDは健康保険が適用されますが、地方自治体によっては「自立支援医療」の対象になります。

 

立支援医療制度とは、心身の障害を持つ方を対象とし、医療費の自己負担額を軽減する制度です。3割の自己負担額に対して1割なります。ただし、対象者の基準や対象となる障害や治療例がありますので、お住まいの区市町村の担当窓口や保健センター、保健所等に問い合わせてみましょう。

★厚生労働省 自立支援医療(精神通院医療)について

 

PMDDを日常生活から予防しよう

つらい症状が突然消える!ということはありません。

しかし、次の周期にむけてしっかりと対策を行うことで、月経を楽にすることはできます。生理中の方もそうでない方も、つらい症状がでる前に対策を始めましょう。

好きなことを運動にして楽しむ

適度な運動が体に良いことはわかっていても、なかなかできないものです。

「やらなくちゃ」という義務感からではなく、「これなら好き!」と思えるものを探して、楽しみながら体を動かしてみましょう。

 

血行の促進はストレス解消になり、月経前の症状の緩和にも効果大。運動が習慣化できれば、しめたものです。つらい症状をやっつけてしまいましょう。

 

男性の優しさが女性の助けになります!

PMSやPMDDは、残念なことに男性の認知度が非常に低いのが現状です。

 

某製薬メーカーのPMSに関する意識調査によりますと、男女計618人にPMSの認知について尋ねたところ、男性では12.2%が「知っている」もしくは「少し知っている」という結果。

 

半数以上の女性が悩むPMSでさえ認知度が低いということは、PMDDという言葉さえも知られていないことが想像できます。

 

家庭や職場などで接している女性が、いつもと違ってなんだか辛そう、理由もなく怒る、落ち込んでいる・・・という時は、自分でもコントロールできない症状で苦しんでいるのかもしれません。

 

男女を問わずPMDDについて正しい知識をもち、もしもの時は無理をしない・させない心配りで、少しでも精神的な負担を軽くするよう考えてあげましょう。