母乳はお母さんの血液でできている!

赤ちゃんの飲む白い母乳。「母乳=ミルク」と想像していた方もいるかもしれませんが、実は母乳って血液からできているんです!
お母さんの赤い血液は、乳房へ運ばれたあと乳腺で乳汁へと作り換えられ、白い母乳となります。

母乳は血液でできているため、「血液が綺麗であるか」「血行の良し悪し」が母乳の詰まりに大きく関わってきます。母乳が詰まる現象は、365日、いつでも起こりうる可能性がありますが、特に秋から冬にかけて増える傾向がみられます。気温が下がることで血流が悪くなったり、血液そのものを作る食事内容の変化などが、この時期に関係してくるからなのです。

おっぱいが出ない!おっぱいがパンパンに張っちゃった!痛くてたまらない!
この記事では、母乳が詰まる原因・対策・緊急性がある場合の対処法をご紹介します。

 

母乳の詰まりが引き起こすツラい症状

おっぱいが詰まると、おっぱいが痛い・おっぱいが張る・しこりが出来る・赤みを帯びるなど、乳房に様々な症状が出てきます。そして、症状が悪化すると以下のような乳房の病気へつながる可能性があります。

◼︎乳腺炎 (にゅうせんえん)
乳腺が詰まることにより、乳汁の摘出障害が起こり、炎症、痛み、発熱などが起こります。

《乳腺炎の主な症状》
・おっぱいが痛む、押すと激痛を伴う
・おっぱいが固くなる
・おっぱいに熱を持つ
・赤く腫れあがる
・高熱が出る
・黄色っぽい母乳が出る
・激しい倦怠感

乳腺炎は、授乳中の約4分の1のお母さんが発症しているほど頻発する症状です。乳腺炎について詳しくは関連記事をご参照ください。

関連記事:乳腺炎(にゅうせんえん)はなりかけに注意!乳腺炎の原因、症状、治療法、ケア方法


◼︎乳口炎 (にゅうこうえん)
乳首が傷つくことにより炎症が起こります。炎症が起こると乳首の先に「白斑」と呼ばれる1~2mmほどの白いニキビのようなものができます。白斑が母乳の出口を塞いでしまうため、母乳が溜まり下記のような症状が出ます。

・乳首に水泡ができて徐々に白くなる
・授乳時に痛みが出る
・乳頭が赤や黄色に変色することがある

乳口炎にかかっていても、授乳中に痛みを感じる人もいればまったく感じない人もいます。1週間程度で自然治癒するケースが多いですが、1ヶ月ほど長引いたり、乳腺炎に発展する場合もあります。

 

おっぱいの詰まりは生活習慣の見直しで治そう!

おっぱいが詰まる原因は様々ありますが、以下のような原因が考えられます。

身体的要因

・コレステロール値が高い
・体質 (乳腺が細いなど)

コレステロール(中性脂肪)が高いとドロドロ血になります。ドロドロ血になると乳腺に脂が詰まりやすくなってしまいます。脂が詰まれば当然おっぱいも出づらくなり、授乳に影響が出てきます。
また、乳腺がもともと細い人や、体質によっては詰まりやすい人もいます。「乳腺の細い・太い」は生まれつき決まっているので努力だけではどうにもならない面もあります。

【乳腺の太さを見る上でのワンポイント】
乳腺の太さは助産師さんに判断してもらうのが確実です。出産した病院で見てもらい細いと判断された場合、普段からおっぱいの詰まりを気にかけてあげるといいでしょう。また、病院ではなくても、乳房マッサージを専門にしている施設や、各市町村で実施している赤ちゃんの定期検診日に開かれる相談窓口などでも乳腺の太さを見てもらうことは可能です。
 

生活習慣の中の要因

・しめつける服装
・食生活 (欧米食、コレステロールの高い食事)

きついブラジャーなどで胸部圧迫することでもおっぱいの詰まりは引き起こされます。授乳中に身体をしめつけるような服装は控えましょう。
また、コレステロールが高い食生活が習慣化していると、乳腺が詰まりやすくなります。洋食や洋菓子は脂質が多く、アイスクリームやパンなどの糖と脂質が組み合わされた食べ物も過剰摂取は禁物です。

【食生活のワンポイント】
食生活において「あれもダメ。これもダメ。好きな物も全く食べられない。」の連続ではストレスばかりが溜まってしまい、逆に身体によくありません。
油分や塩分、糖分の多い食べ物を「絶対に食べてはいけない」ということではありません。頻繁に母乳が詰まる人でなければ、朝・夜を和食にしたら昼を洋食にするなど、1日の中でバランスを取りながら食事を行うように心がけてください。
母乳が詰まりやすい人は、クロワッサンを1つ食べただけでも母乳の詰まりを誘発してしまうケースもありますので、「普段、我慢している物をたまに食べる」場合でも、量には十分注意が必要です。
 

子育て中のお母さんならではの要因

・寝不足、疲労
・ストレス
・決まった時間、または決まった間隔で授乳できない
・同じ方向、同じ抱き方での授乳の頻度が高い

授乳中のお母さんたちは、昼夜問わず家族の寝静まった夜中でも、授乳のために2~3時間おきに起きて頑張っています。そのため授乳中は、寝不足になり疲労も溜まりやすくなります。おまけに、初めての授乳では、悩みや不安に襲われたり、家事も自分のペースで出来なくなってしまう、精神的ストレスも小さくありません。

また、授乳の方法にも、おっぱいが詰まりやすくなる原因があります
同じ方向・同じ抱き方で母乳を吸わせていると、赤ちゃんがしっかり吸ってくれている乳腺は通りも良く、おっぱいの中に飲み残しも無くなるのですが、同時にしっかり吸われていない乳腺も出て来てしまいます。吸われていない乳腺には飲み残しが出て来てしまい、詰まりの原因に繋がります。

【睡眠のワンポイント】
可能な限り、赤ちゃんと一緒に昼寝をしてしまいましょう。また、周りのご家族も「自分が寝ている間に頑張っているのだから」とお母さんの寝不足と疲労を理解をしてあげましょう。

【偏りなく母乳をすってもらうためのワンポイント】
赤ちゃんによってはおっぱいを吸うのが下手でちゃんと吸えない子もいますが、くわえさせ方や角度がおかしかったりと、ちゃんと吸えない原因が授乳の体勢にある場合もあります。抱き方は横抱き、交差横抱き、フットボール抱きなどの様々な角度や深さから赤ちゃんにおっぱいをくわえさせてみてください。

もしあまりにも赤ちゃんがおっぱいを飲めていない、またはおっぱいの飲み残し感がある場合は、一度、助産師さんにおっぱいの飲ませ方について指導をしてもらいましょう。

 

母乳の詰まりをアノ手コノ手で解消!母乳が詰まる時の対処法

一番のお助け隊は我が子です!

おっぱいが詰まったら出すしかありません。赤ちゃんに吸ってもらうことで乳管が開いてきます。トラブルを抱える乳房で積極的に授乳させ、赤ちゃんに詰まりを吸い出す手助けをしてもらいましょう。
 

乳房マッサージ

乳房をマッサージし、おっぱいから固形になった母乳の塊を出します。初期段階であればゆっくりお風呂に入りながらおっぱいを揉むのも効果的です。

乳房マッサージの方法:
乳房に対し、両手を使って乳輪付近をいろんな方向からつまみ、母乳を押し出すイメージでマッサージします。いろんな方向から両手を交互につまむのがポイントです。
痛いかもしれませんが、乳輪付近がやわらかくなり、母乳が出やすくなります。
 

搾乳 (さくにゅう)

赤ちゃんが吸ってもダメな時は搾乳器を使って母乳を搾乳しましょう。段階によっては痛みを伴う場合もあるので、様子をみながら慎重に行いましょう。
 

「冷やす」と「温める」を使い分ける

「公益社団法人 日本助産師会」では、母乳を出やすくするために、温湿布などを使用して授乳や搾乳の直前に乳頭乳輪部を中心に温めることに効果があるとしています。
また、痛みや熱がある場合には、冷湿布などを使用して熱や痛みを伴う部分を心地よさを感じる程度に冷やすこともよいとしています。
 

高熱が出たら医師に相談を

おっぱいの詰まりがひどくなると、身体が高熱を発することがあります。しかしながら、授乳中のお母さんたちにとって辛いのは、熱が出ても飲める薬に制限があること。高熱が出た場合はかかりつけ医に相談しましょう。医師の指導の元、漢方など服用可能な処方薬を服用します。
 

自分で対処できない場合はすぐ相談

赤ちゃんにおっぱいを吸ってもらっても、母乳を出そうと試みてもダメな時は、乳腺炎などの病気に発展させる前に産婦人科や助産師さんに相談しましょう。
また、この時期のお母さんたちは精神的にも不安定になりがち。「こんなママでごめんね…」と自分を追い込んでしまう方も少なくありません。無理をしないで助産師さんによるマッサージや処置を受けましょう。


 

赤ちゃんへの影響は無いの?

おっぱいが詰まった時、更には乳腺炎になってしまった場合でも、赤ちゃんに授乳させることに関して問題はありません。

ただし、おっぱいが詰まってしまった時の母乳の味というのは、通常時に比べて赤ちゃんたちも「美味しくない…」と感じるそうです。そして、何より出が悪いおっぱいに対してぐずってしまうので、根気強くなだめながら授乳することが求められます。

 

おっぱいを詰まらせないための食生活

授乳中は特に、ヘルシーで食物繊維も豊富に摂れる、和食中心の食生活が望ましいです。和食は繊維質が豊富な根菜類を使ったメニューも多く、塩分を抑えバランスの良い栄養をしっかり摂ることができます。
特に授乳中のお母さんたちにオススメしたい食べ物をご紹介します。

主食:お米 (白米)
何と言っても主食はお米です。しかし、気をつけなくてないけないのがもち米
もち米やもち米から作られるお餅などは、母乳の過剰分泌につながり、母乳を詰まらせる大きな原因になります。母乳が詰まりやすい方はもち米は控えましょう。

副菜:青菜、ワカメ
ビタミン・ミネラルや食物繊維の供給源となる副菜は、青菜やワカメがオススメです。青菜は、乳質をさらっとした詰まりにくい母乳にする働きがありビタミンも豊富です。ビタミンやミネラルは、母乳を出すことで吸い取られていくので、意識して摂取するようにしましょう。ミネラルが豊富であり、スープ類や酢の物、サラダなど、様々な料理に使い勝手のいいワカメもお勧めの食材です。

主菜:レバー、牡蠣、あさり
たんぱく質やエネルギーの源になる主菜では、「鉄」を多く含むレバー、牡蠣、あさりを摂取しましょう。母乳の元は血液なので、鉄分は母乳を作るお母さんの身体にはかかせない栄養素です。

 

おわりに〜母乳トラブルは家族の協力が大切です

おっぱいが詰まる…。授乳中のお母さんにとっては大きな悩みです。

身体が大変なのはもちろんのこと、おっぱいが出ないために大泣きしてしまう赤ちゃん。ただでさえツライ身体に赤ちゃんの泣き声で、知らず知らずのうちに自分の精神を追い込んでしまうことだってあります。

おっぱいのトラブルは母親だけの問題ではないのです!
無理をせず早い段階で対処をし、それでもダメなら助産師さんによるプロの手を積極的に借りましょう。

また、この時期のお母さんたちにとっては、家族や周りの方々の協力やケアも本当に大事になります。家族で協力しながら、母乳トラブルのおきにくい環境を作ってあげたいですね。

image by Photo AC
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