はじめに
風邪が流行ると鼻水はつきものですが、なかなか止まらない頑固な鼻水は厄介ですね。
風邪を起こすウイルスは全部で200種類以上ありますが、多くのウイルスは鼻や口の粘膜から増殖します。
特に小さな子どもの鼻水は、小児科で処方された薬でもなかなか改善せず、副鼻腔炎になるというケースも多いようです。
この記事では、鼻水の色からわかる症状や治療法など、子どもの鼻水について解説します。
鼻水の色を観察しましょう!
透明でサラサラした鼻水
気温の変化やほこり、ハウスダストなどの刺激でも起こる「アレルギー性」のものです。細菌やウィルスを洗い流そうとしている場合が多いです。発熱や咳が無いなら様子をみましょう。
白っぽく粘り気のある鼻水
風邪の症状です。ウイルスに感染している場合に見られます。無色透明の鼻水に比べて鼻づまりを起こしやすくなります。
黄色・緑色の鼻水
風邪の場合と副鼻腔炎にかかっている場合が考えられます。
風邪(細菌やウィルス感染)の場合は、死んだ細菌やウィルスが入っているためで、治りかけに多くみられます。
副鼻腔炎にかかっている場合は、副鼻腔に膿が溜まっているためです。なるべく早く耳鼻科を受診しましょう。
副鼻腔炎とはどんな病気?
鼻の中は、鼻の穴(鼻腔・びくう)と鼻の奥にある空洞(副鼻腔・ふくびくう)で成り立っています。
副鼻腔は鼻の周りに大小、左右それぞれ4個ずつ、合計8個あります。
副鼻腔は本来空洞なのですが、空洞に細菌が入って炎症を起こすと膿がたまってしまいます。
副鼻腔炎には、「急性副鼻腔炎」と「慢性副鼻腔炎」があり、副鼻腔炎を放置すると、他の病気を引き起こすことにもつながります。
副鼻腔炎の原因は?
・主な原因菌はインフルエンザ菌、肺炎球菌(他にブドウ球菌や連鎖球菌)により感染
・多くは風邪から発症。赤ちゃんは鼻腔から副鼻腔の距離が短いことからなりやすい
・風邪以外にもアレルギー性鼻炎で鼻づまりがひどくなるのをきっかけに発症することも多い
・溶連菌感染症、百日咳、はしかなどから併発する場合もある
副鼻腔炎の症状は?
・微熱(37~38℃)
・鼻水と鼻づまり、呼吸がしづらい
・たんが絡んだような咳
・黄色、緑色の鼻水
・鼻づまりによる口呼吸、いびき
・頭痛
・頭がぼーっとなり注意力の低下
・疲れやすい
・赤ちゃんは鼻詰まりが原因でミルクの飲みが悪い
このように、副鼻腔炎は鼻症状の他に様々な不調がおこりやすくなります。
副鼻腔炎の治療法は?
鼻の洗浄、内服治療、吸引療法、ネブライザー(細かい霧状になった薬を吸入する治療)が主体となります。
かなり悪化してしまった場合は手術もありますが、子どもは顔や鼻の骨が発達途中に起こるので、成長段階で自然に治る場合もあります。
慢性化は治療が長引くことがありますが、耳鼻科に通院し、医師の指示に従いましょう。
症状が落ち着いてきたからといって自己判断で薬を止めたりせず、医師と相談しましょう。
副鼻腔炎は慢性化と合併症に注意
蓄膿症
風邪からの急性副鼻腔炎を完治させなかったことから、慢性副鼻腔炎「蓄膿症」になる場合があります。
副鼻腔炎が慢性化すると、治療に時間がかかります。
急性副鼻腔炎の場合、3~14日ぐらいで治ることが多いのですが、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)は完治までに数か月以上かかることも少なくありません。
中耳炎
膿を含んだ鼻水が、喉のほうへ流れる事で喉に炎症を起こしやすくなります。
赤ちゃん、子どもは耳管が未熟で、鼻やのどにいる細菌が中耳を通って内耳に入りやすいため、中耳炎を起こしやすくなります。
※その他、副鼻腔は目や脳の非常に近くにあるため、まれに合併症として失明したり、髄膜炎をおこしたりすることがあるため、早期の治療が大切です。
日常の注意点は?
〇鼻水は強くかまないように、こまめに何回かに分けてかむように教えましょう。
〇日常の手洗い、うがいの徹底・習慣化させましょう。
〇鼻すすり(鼻が詰まっていても鼻をかめずにすすっててしまう)が多いので気を付けて見てあげましょう。
〇部屋の換気や丹念な清掃でハウスダストに注意しましょう。
〇乾燥に注意。部屋の湿度を調整しましょう。

子どもの鼻炎におすすめのグッズ
子ども用マスク
子どもにおすすめのティッシュ
子どもだって保湿ペーパー ポケットティッシュ
かわいい3種類の動物柄のパッケージで、お子様の小さなポケットに入るサイズのポケットティッシュ。ティッシュペーパーは無地のためプリント柄のポケットテュッシュを持っていけない保育園、幼稚園でもお使いいただけます。通常の2倍の保湿成分が入ったうるおいティッシュなので子どものデリケートな鼻に優しい商品です。
ハナぴゅあ(鼻の洗浄ミスト)
風邪や鼻炎の予防に役立つ鼻の洗浄スプレー。薬ではないのでお子様や妊婦さんでもお使いいただけます。コンパクトなサイズでハッカとユーカリのすっきりした使用感なのでいつでもどこでも鼻洗浄ができます。
おわりに
頑固な鼻水を長引く風邪だと軽く考えてしまい、副鼻腔炎や蓄膿症になってしまうことがあります。
子どもにはあまり自覚症状がないことが多いため、風邪が長引く、鼻水が止まらない、黄色や緑の鼻水などが続いたら、すぐに耳鼻科を受診しましょう。