多くの女性が悩みを抱えている生理のトラブル。症状に気が付けばまだ良いですが、生理トラブルは症状が身体に出ないものも多く厄介です。
その中でも特に多いのが「無排卵性月経」です。
無排卵性月経は毎月の生理が来ているのに妊娠するために必要な「排卵」が起きていない状態です。
今は妊娠する予定が無いと放置をしていると、排卵ができなくなり、将来妊娠が出来なくなる可能性もあります。
この記事では、「無排卵性月経」の原因と症状、治療法について解説します。
無排卵性月経の原因
「排卵」とは赤ちゃんを産むための「卵子」を卵巣から排出する事です。
排卵を起こすためには卵巣から十分な女性ホルモンを分泌する必要があります。
排卵が起こらない原因としては、卵巣に女性ホルモンを分泌する力が弱まっているか、脳から卵巣へ「女性ホルモンを出しなさい!」という指令が出なくなってしまっているか、このどちからかが考えられます。
卵巣と脳にトラブルが起こる原因は様々なものがありますが、特に多いのが過度なダイエットなどによるバランスの悪い食事習慣や、ストレスなどの生活習慣が起因しています。
卵巣と脳はストレスに大変弱く、機能不全を起こす一番の要因ともなり得ます。
無排卵性月経の症状
無排卵性月経は自覚がとても難しい症状で、不妊治療で診断を受けて初めて病気に気が付くというパターンが多いようです。
しかし、無排卵性月経の人は生理に以下の症状が出やすいといわれています。
自分の生理状態に当てはまらないかチェックをしてみましょう。
・少量の出血が数日間ダラダラ続く
・生理痛があまりない
・いつもより生理の経血量が少なくなった
・生理周期が不順(特にひと月に何度も生理が来る人は要注意)
無排卵性月経に気づくために基礎体温を測ろう!
無排卵性月経かを確認する方法として「基礎体温」の計測があります。
体温には、排卵や月経の周期に合わせて「低温期」と「高温期」があります。
体内のホルモンバランスが正常である場合は体温の急上昇と急低下がありますが、排卵が無い人は常に低温状態で体温変化がありません。
つまり、生理があっても基礎体温に変化が無い場合は、排卵が無いので、病院で治療をする必要があります。
無排卵性月経の治療法
無排卵性月経の治療は、基本的に薬物療法であり、妊娠を望むか望まないかで治療法が分かれます。
1.クロミフェン療法
妊娠を希望する場合は、すぐに排卵を起こす必要があるため「排卵誘発剤」を使用したクロミフェン療法が適用される事が多いです。
排卵誘発剤は卵胞を発育させる「ゴナドトロピン」という成分を分泌し、排卵を促す作用があります。
飲み薬で十分な効果が現れない場合は、注射によって卵巣を強く刺激する方法もあります。
2.ホルモン療法
すぐには妊娠を希望していない場合は、ピルなどの「ホルモン剤」でホルモンバランスを整える治療をおこないます。
ホルモン剤はクロミフェン療法のように直接的に排卵を促す治療ではなく、ホルモンバランスを整え子宮や卵巣の機能を高める事によって、正常な生理周期や排卵を促す事を目的としています。
さいごに
無排卵性月経は、自覚症状が非常に少ない病気です。
自分の身体の状態を知るためにも、基礎体温を測るところからはじめましょう。