何かをきっかけに蚊に刺された跡のような赤みがパーッと体全体に広がってかゆくなりはじめる・・これが蕁麻疹です。
子どもは大人よりも体が小さく反応も変化も早く起こるため、早めに原因を突き止め対処することが大切です。

子どもの蕁麻疹の症状、原因、治療法を詳しく探っていきましょう。

蕁麻疹の症状:発疹とかゆみ

蕁麻疹による赤いポツポツとした発疹は、体の一部分で治まることもあれば、勢いよく体全体へ広がっていくこともあります。頭皮、顔、唇、まぶた、耳、手の甲、腕、背中、お腹、足など皮膚になっている箇所ならどこでも発症します。
その他、口の中や胃腸、喉、気道など体内にも蕁麻疹ができることもあり、腹痛や呼吸困難、胃腸障害を引き起こす危険性もあります。

発疹は赤く盛り上がり、強いかゆみを伴うことがほとんどです。また、焼けるようなチクチクした痛みになることもあります。
発疹の大きさは、3cm〜10cmくらいとさまざまです。形も楕円形のものから円形、みみずばれ、まだら、地図状と多岐にわたります。

発疹を引っ掻いてしまうと、患部がさらにひろがってしまいますが、だいたいは数時間から1日で症状が消えてしまいます。

蕁麻疹のかゆみはヒスタミンが原因

皮膚の下には外部の刺激から身体を守る角層があります。
角層のさらに下にある真皮という部分の肥満細胞(マスト細胞)の中に、かゆみの原因となるヒスタミンという物質がいます。

肥満細胞が何らかの影響で刺激を受けるとヒスタミンを放出し、ヒスタミンが皮膚内の血管へ働きかけ血漿が漏れだします。これが赤い発疹となり、皮膚内の神経をヒスタミンが刺激してかゆみが引き起こされます。

子どもの蕁麻疹の多くは「急性蕁麻疹」

子どもの蕁麻疹は、あっという間に跡形も無く消えてしまう「急性蕁麻疹」と、再発を繰り返す「慢性蕁麻疹」があります。
子どもの蕁麻疹の多くは急性蕁麻疹で、数日から1か月以内に改善します。

逆に1か月以上蕁麻疹の症状が続く場合には慢性蕁麻疹となり、治療薬や治療期間もそれぞれ異なります。慢性の場合は、急性よりも原因の特定が困難で8割以上は原因不明とされています。

蕁麻疹と湿疹の違い

蕁麻疹と似ている症状に湿疹がありますが、湿疹は症状が進むと赤い斑点から水泡へと悪化します。水泡が破れると皮膚の表面がジュクジュクし始めますが、蕁麻疹では起こりません。

子どもがなりやすい蕁麻疹の原因

子どもの蕁麻疹はアレルギー性の蕁麻疹であることが多く、原因になる薬や食べ物を摂取するたびに蕁麻疹の症状が繰り返し発生します。

【子どもの蕁麻疹の原因】

食べ物 牛乳、チーズ、卵、サバ、サンマ、マグロ、エビ、カニ、貝類など
食べ物以外 ほこり、ダニ、花粉、植物、昆虫など
アレルギー以外の原因 ストレス、日光、汗、温度差

また、子ども特有の蕁麻疹の原因として、夏のプール、冬場のお風呂、風邪を引いた後に免疫が下がったときといった状況がります。

蕁麻疹の治療

蕁麻疹のかゆみや発疹には体の内側からのアプローチが有効なため、塗り薬ではなく内服薬が主な治療薬となります。
主に抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬など薬を使用します。

抗ヒスタミン薬は、蕁麻疹の原因となるヒスタミンを抑えると同時に、すでに放出されたヒスタミンも血管へ作用しないように働きかけます。

治療薬を服用し始めて改善がみられたら徐々に治療薬の服用量を減らしていくことができますが、蕁麻疹が慢性化している場合は症状が治まるまで1~2か月と薬の服用の継続が大切になります。
完治を目指す上でも治療薬の服用期間をしっかり守りましょう

また、治療薬の服用と同時に、蕁麻疹の原因をできるだけ周りから排除し、遠ざけることも欠かせません。

食べ物や汗、温度など、原因と考えられるものと接触があると、改善することが難しくなってしまいます。かかりつけの医師と相談ながら、焦らず子どもの様子に合わせ蕁麻疹を改善していきましょう。

蕁麻疹のかゆみに使用する薬

抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの内服薬の処方だけで、かゆみが改善されない場合、ステロイド外用薬を処方され併用することがあります。

かゆみに有効な成分が含まれるステロイド薬は、患部の掻きむしりを防ぎます。また症状が悪化し、化膿している場合には、抗生物質が配合されたステロイド剤が処方されることもあります。

注意!

ステロイド薬には、副作用があります。子どもに使用する際、必ず医師の指示に従いましょう。

常備しておくと便利!子どもが使える市販の塗り薬

薬局やドラッグストアで、子どもの蕁麻疹に効果的な塗り薬も購入可能です。
突然の蕁麻疹に備えて、自宅の薬箱に常備しておきましょう。

蕁麻疹の市販薬を使用して、1~2日経っても症状が改善されない場合や悪化した場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

メンソレータム ジンマートは、3つのかゆみ止め成分(ジフェンヒドラミン塩酸塩、リドカイン、クロタミトン)で、ヒスタミンや神経に働きかけ、かゆみを抑えます。また、冷感(l-メントール)、収れん、抗炎症成分も配合されているので、腫れやかゆみをスーッと、鎮める効果があります。

新レスタミンコーワ軟膏は、かゆみを抑える成分、ジフェンヒドラミン塩酸塩が2.0%(OTC医薬品の配合上限量)入っています。無香料、無着色、低刺激で、のびがよい乳剤性軟膏で、広い範囲の患部にも使いやすくなっています。

ユースキンI は、かゆみに有効な5つの成分と3つの保湿成分からなる医薬品クリーム。無香料、無着色、非ステロイドで、お肌に潤いも与えてくれるやさしい使い心地です。

子どもに蕁麻疹が出たらすぐに対処すること!

子どもに蕁麻疹が出たらまず、患部を冷やします(寒冷じんましんは除く)。

赤く腫れた部分は温めたり、引っ掻くことで悪化してしまいます。冷たいタオルで冷やしかゆみを抑えますが、冷やしすぎないように、アイスノンや氷を使う場合は、タオルで包むなど直接肌へ当たらないようにしましょう。

蕁麻疹が出たときの服装は、清潔で締めつけが無いものを選び、刺激や圧迫を軽減させましょう。特にズボンやスカートのゴムの部分などは、肌への刺激が起きやすいので注意します。

そして蕁麻疹が発生したときの状況は、できるだけ詳しくメモしておきましょう。
子どもの行動、何か口にしたかどうか、発疹の起こり方や経過は、医師に相談する際に役立ちます。

蕁麻疹を悪化させないためのホームケア

蕁麻疹の改善には治療薬の服用と同時に、症状を悪化させないように自宅での過ごし方も工夫することが大切。

蕁麻疹の発疹がひどい場合、入浴は控えます。どうしても入りたいときは、温めのお湯やシャワーで長時間にならないように気をつけましょう。

夜眠る際には、部屋の温度を温め過ぎたり、布団をかけすぎて体温が上がり過ぎないように注意します。暑さで寝ている間に子どもが無意識に患部をひっかいてしまうことがあります。その時のために、子どもの爪も短く切っておきましょう。

蕁麻疹の回復や再発防止には、十分な休養が欠かせません。
突然起こった蕁麻疹に、子どもにもストレスがかかりやすくなっています。心身ともにしっかりと休ませ、気力体力を整え蕁麻疹が起こりにくい状態を目指すことが大切です。


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さいごに:突然の蕁麻疹でも落ち着いて対処しましょう

突然子供に蕁麻疹が起こったら、つい驚いたり焦ってしまうかもしれません。
でもそれは子供だって同じです。

自分の体に赤い発疹が広がっていけば、それだけでも子供なりにストレスを抱えてしまいます。だからこそ、まずは保護者の方が落ち着いて対処しましょう。

蕁麻疹の症状は、子供一人では決して治せません。子供と一緒にかゆみや痛みに適切に対処して少しでも早く回復できるよう務めましょう。