1歳~9歳の子どもには特に多い!はしか(麻疹)の感染

はしか(麻疹)は、主に予防接種を受けていない1歳前後の赤ちゃんから9歳くらいまでの子どもがかかる感染症です。

予防接種が普及する前は、就学前の子どもの間で2~3年おきに大流行していました。

年々患者数が減少しているとはいえ、今でも毎年、春から夏にかけて流行が見られます。

 

はしかのワクチン接種が普及することにより、はしかの死亡者数は79%も減少。子どものワクチンの接種率も85%と大きな改善が見られています。

 

とはいえ、厚生労働省検疫所によると、2014年のはしかによる全世界の死亡者数は、114,900人。

いまだにはしかで亡くなる子どもがいるのが現状です。そして、そのほどんどが5歳未満の子どもです。

 

はしかには明確な治療法がありません。

子どもがはしかに感染してから危険性を知ることがないように、はしかと予防接種の重要性について知っておきましょう。

 

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はしかの症状:熱、鼻水、咳から赤い発疹とかゆみまで

はしかは、感染後発症するまでに10日ぐらいの潜伏期間があります。

潜伏期間が過ぎると、初期症状として熱や咳、鼻水、目やになど風邪と似たような症状が出始め、乳児においては、下痢や腹痛を伴うことが多くあります。

 

発症して3~4日経つと、体に赤い発疹が現れ、口の中にコプリック斑という白いブツブツができます。

これと同時に、発症していた熱が一時的に下がり、再び上がります。そして耳の後ろや顔、お腹と、全身に赤い発疹が広がっていき、強いかゆみを伴います。

 

発熱から8日ほどで、赤い発疹は色褪せ、熱も下がり食欲も出て、回復へと向かっていきます。

患部の皮膚がむけ、フケのようなものがでたり、発疹跡が残ることがありますが、自然と治ります。

 

はしかに感染してから完治するまでには、およそ10日かかりますが、その間の症状は経過するにつれて変化していきます。はしかが治るまでのプロセスを知って、変化する症状に慌てず対処しましょう。

 

【はしかの経過】

 

麻疹ウイルスに感染する

10日ほどウイルスが体内に潜伏、血液を通して広がる

熱や鼻水など風邪に似た症状がでる

発症後4日頃から顔やお腹に発疹が現れ、体全体に広がっていく

発症から6~7日頃経過すると、症状がピークをむかえ、高熱、発疹の悪化、目やにや咳、目の充血がひどくなる

発症から8日頃を過ぎると急速に回復へとむかう(合併症を併発することもある)

命の危険もある!はしかの合併症

はしかの症状が重症化すると、肺炎や中耳炎、まれに麻疹脳炎、結核を合併してしまうことがあります。数日経過しても熱が下がらない、咳が止まらないといった場合、肺炎の疑いがあります。

 

注意!

けいれんや意識障害、呼吸困難、脱水症状が起こったときは、早急に医療機関を受診し、はしかに感染していることを医師に伝えましょう。

 

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はしかの原因と感染経路

はしかの原因は麻疹ウイルスによる感染です。

 

感染すると血液を通して、全身に麻疹ウイルスが広がっていきます。主な感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染の3つで、感染力は非常に強いです。

くしゃみ、鼻水、咳、感染者が接触した物など、あらゆるものを通して感染してしまいます。

 

感染力の強い麻疹ウイルスは、空気中や物質の表面に飛沫した場合でも、2時間ぐらい感染力を保ち活性し続けます。

感染した子どもが使ったおもちゃや食器などに触れるだけで、はしかに感染してしまうということです。

幼稚園や学校の集団感染に注意

子どもが集まる幼稚園や保育園、小学校では集団感染が起こりやすくなります。

感染した子どもが1人でもいると、未感染の子どもはかなり高い確率ではしかに感染してしまいます。空気感染もする麻疹ウイルスなので、風邪対策のようにマスクやうがい、手洗いで予防することはできません。

 

ただし、過去に一度はしかに感染した子どもや予防接種を受けた子どもの場合、すでに体内にはしかの免疫があるため、再感染することはほとんどありません。

注意が必要なのは、あくまでもはしかにかかったことのない未感染者の子どもになります。

もしも子どもがはしかに感染してしまったら!

もし、子どもがはしかに感染してしまったら、医療機関を受診するのはもちろんですが、家庭でも対策をたて、早期改善を目指しましょう。まずは幼稚園・保育園、小学校を休ませます。菌を保持した状態で人と接触しないことで、集団感染の防止にもなります。

 

家で休養する際には、部屋の温度を20℃くらいに保ち、快適な環境を作りましょう。

高熱が出たときは、おでこを冷やしてあげたり、厚着になっていないかチェックします。食欲も低下するので、アイスクリームやヨーグルトなど、飲み込みやすいものをあげましょう。脱水症状を避けるために、水分補給にも気を配り、体力を奪う入浴は避けましょう。

 

熱の出方で症状の経過具合に予測がつきます。朝、昼、晩とこまめに体温を測り観察しましょう。

症状の変化が起こったらメモをとり、熱が下がらない、咳が悪化するなど以上がある場合には医師に報告します。

 

はしかは感染力の高い病気です、外出や他の人との接触はしないようにしましょう。

予防接種で95%以上の人が免疫獲得!

はしかを予防するには予防接種を受けることにつきます。

 

ワクチン1回の接種で95%以上の人が免疫を獲得することができ、感染の可能性はほとんどなくなります。

 

はしかの予防接種は、麻疹・風疹の種混合ワクチン(MRワクチン)で行われます。

麻疹ウイルスと風疹ウイルスを弱毒化して作った生ワクチンで、風疹や単独の麻疹ワクチンよりも副作用が少ないとされています。

 

予防接種を行うタイミングは2回。1歳を過ぎたら2歳までに1度予防接種を受けておきます。このときにおたふくかぜやふうしんの予防接種とのタイミングと重ならないように気をつけましょう。

 

2回目は、就学前の幼稚園の年長の時に行います。2回接種することで、よりはしかの免疫を強くすることができます。

なお、1歳未満の乳児の場合、母体からの免疫が体の中に留まっているため、感染の心配はないといわれています。

 

はしかの予防接種は公費なので、基本的に無料です。

予防接種が可能な期間や申し込み方法など地域によって違うので、お住まいの区役所や市役所など公共機関が配信する情報を確かめておきましょう。

予防接種の副反応の影響

安全性が高いとされるはしかの予防接種でも、副反応が見られることがあります。

 

麻疹ワクチンの接種の2週間以内に、5~20%ぐらいの子どもに発熱みられます。だいたいは数日で治るので、心配はいりませんが、熱が続く場合や、けいれんなど異常がみられる場合は医師に相談しましょう。

 

その他の副反応として、蕁麻疹が3%、けいれん0.3%、稀なケースとしては、脳炎や脳症が100万~150万人に1人、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)が100万~200万人に1人みられるという報告もあります。

予防接種を受ける前に、兄弟や友達が感染したら

子どもが麻疹ワクチンの予防接種をするまえに、兄弟や友達に感染が見られた場合、できるだけ早く小児科か内科を受診しましょう。

もし、はしかに感染していたとしても、発病を避ける方法があります。

 

ガンマグロブリン(ヒト免疫グロブリン)を注射するという方法で、感染から2~3日内に注射すれば、発病を防ぐことができます。また5~6日以内の注射であれば、たとえ発病しても症状を軽くすることができます。

 

ガンマグロブリンの効果は1~2か月しか続かないので、予防接種を受けはしかの免疫を獲得しておきましょう。

注意することは、ガンマグロブリンの注射と予防接種の間隔を3か月以上あけることです。ガンマグロブリンの効果が体内に残っている状態で、麻疹ワクチンの接種を受けると、免疫の獲得率が下がってしまいます。

 

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さいごに~子どもの感染者が減ってもはしかは油断はできません~

はしかは、年々感染者が減少しているとはいえ、油断は禁物です。

小さいうちに予防接種を受けずに育ち、10代や20代で感染する人も少なくありません。大人になってからのはしかの感染は、重症化しやすいといわれています。

長い目で子どもの健康を考えれば、予防接種の重要性もわかるはず。

子どもの未来は保護者の手で守りましょう。