お母さん、お父さんにとって待望の赤ちゃん!

たっぷり母乳やミルクを飲んで、すくすくと育ってもらいたいものですね。

 

日々成長している赤ちゃんは、体の中で不要になった老廃物を汗やおしっこでどんどん出しています。

 

赤ちゃんの体内で1日に入れかわる水分の量や速度は、大人のなんと3.5倍!

もし仮に赤ちゃんが7時間なにも飲まないということは、大人が1日中ずっと水分をとらないと同じことになります。

大人以上に水分補給が大事な赤ちゃんが、吐き続けていたら、それは病気によるものかもしれません。

 

この記事では、赤ちゃんが吐く病気である幽門狭窄症の原因・症状・治療法について徹底解説します。

 

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生後2、3週間~2か月の赤ちゃんがかかる幽門狭窄症

幽門狭窄症は、正式には肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)といいます。

幽門狭窄症は、生後2、3週間~2か月の赤ちゃんが飲んだミルクを吐く病気です。

大人も胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発、幽門部分の胃がんによって発症します。

1000人に1~2人の割合でかかり、4~5:1の比で男の子に多い傾向にあります。

また、第一子がかかりやすい病気です。

 

幽門狭窄症を発症する原因は明確にはなっていません。

3~18%の頻度で家族内で発症することがあるため、遺伝の要因が考えられています。

 

幽門狭窄症にかかると、なぜ吐いてしまうのでしょうか。

その原因は、胃の出口にある幽門筋が厚くなることにあります。

幽門筋が厚くなると胃の出口が狭くなってしまい、ミルクが胃から十二指腸へとスムーズに運ばれなくなります。

そうすると胃の中にミルクがたまってしまい、飲んだときにミルクを吐いてしまうのです。

幽門狭窄症の症状は、噴水のような嘔吐や脱水症状

幽門狭窄症の特徴的な症状は、ミルクを噴水のようにピューと吐くことです。

 

最初は1日に1~2回の嘔吐が4~7日後には飲むたびに噴水のように吐いたり、一度に大量に吐くようになります。

さらには、ミルクが鼻から飛び出すことも。

吐いたあともおっぱいやミルクやほしがり、飲んでは吐くを繰り返してします。

 

そして嘔吐が続き、水分や栄養がとれないことから脱水症状や体重の増加不良に陥ります。

脱水症状には軽症・中等度・重症の3つがあります。

 

  • 半日おしっこがでていない
  • 5%以上体重が減っている
  • 皮膚にハリがない

上の項目にあてはまるときには、中等度以上の脱水症状が疑われます。

すぐに点滴で水分補給しないと命にかかわることもあるので、すぐに受診してください。

授乳のたびに繰り返し吐いたら急いで病院へ

赤ちゃんはもともと吐きやすいものです。

ミルクや母乳を飲ませたあとに寝かせると、口の端からだらだらと吐くことがよくあります。

 

これを「溢乳」といいますが、この場合は特に心配はいりません。

熱や下痢といったほかの症状がなく、吐いたあとも元気で体重も増えているなら、まず病気の心配はないでしょう。

 

ただし、以下の項目に当てはまるときにはほかの症状がなくても急いで病院につれていきましょう。

・授乳のたびに繰り返し吐く

・一日に何回も勢いよく噴水のように吐く

・水分をあたえようとしても、口をあけず飲もうとしない

 

また吐いたものが緑色の場合には、胆汁の可能性が高いので要注意。

胆汁を吐いているときには腸の病気が疑われ、手術が必要になります。

幽門狭窄症の診断は触診と超音波検査で行います

幽門狭窄症の診断方法は、触診や超音波検査です。

触診では、おなかの異変を確認します。幽門筋が厚くなると、オリーブの実のようなしこりを感じることがあるのです。

超音波検査の測定で幽門筋の厚さが3㎜以上、長さが17㎜以上を満たしているときには診断が確定します。

 

治療が遅れると体重が増えなくなり、やがては出生体重をも下回ってしまいます。

早期発見のためにも、疑わしい症状がみられらたら小児科で受診しましょう。

受診の際の注意点については、詳しくは関連記事をご参照ください。

 

赤ちゃんは病院に行く機会が多いもの。特に急な病気の時にスムーズに受診し、正しい診断を受けるためには、ちょっとした準備が大切。
いざという時に慌てないために、病院に持っていくものや、受診の時に伝えることなど、注意点などを知っておきましょう。

 

 

 

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幽門狭窄症の治療方法について

幽門狭窄症の治療には、入院が必要です。

入院して最初に行うことは、脱水を改善するための点滴治療。

そして幽門狭窄症の根本的な治療には、手術と薬を用いる方法の2種類があります。

 

■手術

手術では厚くなった幽門筋を切開します。入院期間は1週間程度で、ミルクは手術した翌日から飲むことが可能です。

手術の後に傷があまり目立たないように、おへその周りを切る方法もあります。

 

■薬による治療

筋肉を広げる作用があるアトロピンという薬を、ミルクを飲む前に使用します。

治療の効果があるか判断するのに1~2週間と時間がかかり、必ず成功するとも限らないことが難点です。

薬の効果がないときは、手術治療になります。

幽門狭窄症で吐いたときの対処法

<仰向きにさせたままはNG!>

吐いてしまったときには、すぐに顔を横向きか下向きにさせましょう。

仰向きに寝かせたままでは、喉に嘔吐物をつまらせてしまうことがあります。

もし吐き気が続いているときには、タオルや毛布を枕にして横向きに寝かせてあげてくださいね。

 

<こまめに着替えましょう!>

吐いたあとは、においで再び吐き気を催すことがあります。衣類や肌着、シーツを取り替えて清潔にしましょう。

 

<水分は吐き気がおさまってから少しづつ!>

吐いた直後にすぐに水やミルクを飲ませてしまうと、また吐いてしまうことがあります。水分補給は吐き気がおさまってから20~30分くらい経ってからにしましょう。様子を見ながら、15分おきにスプーン1杯程度を少しづつ飲ませるのがポイントです。ミルクは吐き気がおさまって1~2時間おいて与えるようにしてください。

吐かないための飲ませ方をご紹介!

授乳のときに吐かなくなる飲ませ方のコツをご紹介します。

まずミルクを飲ませるときは一度に飲ませる量を減らして、何回にもわけて飲ませてあげましょう。

そして授乳のあとはしばらくだっこすると、胃からの逆流を防ぐことができます。

 

そして、赤ちゃんはミルクを飲むときに空気も同じくらい飲み込んでしまいます。

授乳の直後は飲み込んだ空気をげっぷで出さないと、胃が張ってミルクを吐きやすくなってしまうのです。

肩で赤ちゃんをうつ伏せにするように抱き上げ、背中をとんとんと叩いてあげましょう。

そうすると、げっぷが出しやすくなります!

 

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おわりに

成長を一番近くで見守るお母さん、お父さんにとっては子どものどんな些細な異変も見逃せないことでしょう。

 

いつもと吐き方が違うなと感じたときには、吐き方や吐いたものをよく観察することが大事です。

吐いたものの色やにおいなど詳しい情報は、病気を特定する手がかりになります。

吐いたものを携帯電話などで写真を撮影しておくとよいでしょう。

受診のときに撮影した写真を見せると医師に状況が説明しやすくなります。

 

もし繰り返し吐いているときには、早めに小児科での受診をおすすめします。

そして幽門狭窄症にかかったときには、治療方法について医師とよく相談して決めるようにしましょう。