日本では、タンポン派より圧倒的にナプキン派が多いのは、初潮の時からナプキンを使い慣れ、また日本のナプキンの性能はどんどんよくなって、種類も豊富という面が大きいですね。
タンポンの場合は体に異物をいれるのですから、抵抗がある…怖い…痛そう…体が傷つくのでは…?など不安や疑問があったり、慎重になったりするのは当然でしょう。
ただ、タンポンも正しい使い方をすれば、決して危険なものではないため、生理のお助けアイテムとして基礎知識を知っておくとよいですね。
今回は、タンポンのしくみ、メリット、デメリット、よくある疑問など、タンポンを使う上での大切なポイントを紹介します。

image by Photo ac
タンポンの正しい使い方を知ろう!
タンポンとナプキンは仕組みが異なります。
ナプキンは体の外(膣の外)に出た経血を吸収しますが、タンポンは膣の中に挿入して直接経血を吸収します。
ただ膣の中に入れるといっても、経血を止めるために蓋(ふた)や栓(せん)をしているわけではありません。
タンポンは、脱脂綿やレーヨン綿を円筒状に小さく圧縮した吸収体が、経血を外に出さずに吸収します。
製品になるまでは、原材料から滅菌工程など、しっかり品質管理され、薬事法により医療機器として扱われています。
タンポンの種類
タンポンの種類は、アプリケータータイプ、フィンガータイプ、スティックタイプがあります。
■アプリケータータイプ
吸収体を正しい位置に導くために、プラスチックの筒(アプリケーター)が付いているものです。
アプリケーターの中にタンポンの吸収体が入っていて、アプリケーションを膣に挿入し、注射器のように筒を押し出してプラスチックを出せば挿入完了です。
手が触れる心配もなく、初めての方でも上手に挿入することができます。
■フィンガータイプ
指にカバーを付けて、直接膣に挿入するタイプです。
慣れれば挿入しやすいのですが、指が触れたり汚れたりすることが気になる場合は、アプリケータータイプがオススメです。
■スティックタイプ
タンポン後部のヒモを伸ばし、吸収体の後端にある穴にスティックをさして使用します。
手が直接触れないため衛生的ですが、日本ではほとんど販売されていません。
タンポンは種類によって使用方法に多少違いがあるため、購入したタンポンの説明書をよく読んで正しい使い方を確認しましょう。
いずれも大切なのは、膣に挿入する際、手指の衛生面には十分注意することです。
タンポンを挿入する場所
タンポンは滅菌処理されているのでとても衛生的ですが、不潔な手では使用しないことが大切。必ず手をキレイに洗ってから使いましょう。
タンポンについている取出し用ヒモがあることを確かめて、体に力を入れずリラックスして挿入しましょう。
タンポンを入れるのは膣口です。
体の内側でみると、膣の奥に入ることになります。
膣の入り口部分は感覚がありますが、膣の奥は無感覚ゾーンのため、きちんと挿入すれば痛みや異物感はありません。
初めてタンポンを使う際、挿入の仕方など不安な時は、産婦人科などの専門医に相談しましょう。
タンポンの取り出し方法
タンポンには取出し用ヒモが付いています。
取り出す時は、体の力を抜いて息を吐きながらゆっくり引き出します。
ヒモは吸収体の中心部にしっかりと固定されているので、切れることはありません。
ヒモが見当たらない場合は、手指を清潔にしてから、落ち着いてヒモが膣口に張り付いていないかを確認してください。人差し指か中指を膣の中に入れヒモを探し当てます。鏡を使うとよいでしょう。
どうしても取り出せないときには、産婦人科など専門医に相談しましょう。
4~8時間で必ず交換を!
タンポンは、1日中挿入し続けてはいけません。
経血量には個人差がありますが、4~8時間以内で必ず交換し、1回の使用は8時間を超えないようにしましょう。
タンポンを入れた時間を覚えておき、1日3回以上は取り換えるようにして下さい。
最後にいつタンポンを入れたかは、必ず覚えておき、取り出し忘れのないようにしてください。
タンポン使用でよくあるQ&A
Q、挿入するときの痛みは?
A、挿入時に多少の抵抗感を感じても、タンポンは正しい位置にきちんと入っていれば、通常、痛みはありません。痛みや異物感を感じたときは、膣の奥の正しい位置に入っていないか、タンポンのタイプが合っていないためです。
再度、取扱説明書をよく確認しましょう。
Q、何歳から使える?
A、年齢に関係なく、初経(初潮)を迎えたら使用できますが、生理に慣れてきた頃からの使用が良いでしょう。
Q、タンポンで処女膜は破れない?
A、処女膜とは膣の入り口付近にある粘膜のヒダを指し、実際は膜ではなく、中央に開口部があります。そのため、正しくは膜を破るということはありません。
処女膜の開口部にタンポンを挿入して使用します。
Q、子宮まで入ってしまうことは?
A、子宮口は外からものが入らないような構造になっています。直径は2~3mmと狭いため、どんなにタンポンを奥へ押し込んでも子宮に入ってしまう心配は要りません。
逆に挿入が浅すぎると出てきてしまうことがあるため、膣の奥まで正しく挿入しましょう。
Q、出産後はいつから使える?
A、出産後は膣内の免疫機能が低下しているため、細菌感染をおこしやすくなっています。産後8週間までと、出産後初めての生理はタンポンの使用は避けましょう。
タンポンのメリット・デメリット
タンポンは正しい使い方をすれば安全なものですが、メリットとデメリットを確認しておきましょう。
タンポンのメリット
- 漏れる心配が少ない
- どっと流れる不快感がない
- ムレやかぶれがない、ニオイ(生理臭)が抑えられる
- 入浴や水泳ができる
- スポーツや長時間の移動などアクティブに行動できる
- 夜熟睡できる
タンポンは、生理で気になる漏れやムレが無いため肌にも優しく、また経血が空気に触れないため、ニオイが発生しづらく生理臭も抑えられます。
また寝返りを打っても、漏れて下着や寝具を汚す心配がないのもメリットです。ただし就寝時間が8時間を超える時は使用を控えましょう。
タンポンは、挿入と取り出しのコツをつかめば、異物感もなく、ナプキンのような心配が少ないため、お風呂からレジャー、長時間の会議、おしゃれまで・・・色んなシーンに役立ちます。
タンポンのデメリット
- ナプキンより挿入や取り出しがしにくい
- 経血量が少なくなってくると挿入や取り出しがスムーズにいかなくなることがある
- 経血を含んで湿ったタンポンにより膣内に雑菌が繁殖しやすくなる
生理中は免疫力が下がりやすいため、感染症にかかりやすくなります。
特に、タンポンの誤った使用により、まれにトキシックショック症候群(TSS)という疾患にかかるという報告があります。
TSSは黄色ブドウ球菌が作る毒素が原因で引き起こされる疾患で、突然の高熱、発疹・倦怠感、嘔吐、下痢、粘膜充血などが見られ、放置すると血圧低下によるショック状態に陥り、命に関わることがあります。
発症はまれですが、手指を清潔にしなかったり、長時間の使用や出し忘れなどが原因となります。
体調に異常を感じたり、TSSの症状が見られたら、すぐにタンポンの使用を中止し、商品の取扱説明書を持って、産婦人科などの専門医を受診しましょう。
タンポンを正しく快適に使うために
タンポンはさまざまなメリットがありますが、必ず使用上の注意を守り、感染症に注意することを忘れないことが大切です。
快適に使うために、以下を心がけましょう。
■衛生面には十分注意する
タンポンを使う前は必ず手を清潔にし、4~8時間以内の使用時間を守り、膣に細菌が繁殖しないように注意することが大切です。
■生理日以外には使わない
タンポンは経血を吸収するためのものなので、生理の時以外には使わないようにしましょう。
おりものの吸収などのためにはパンティーライナーがオススメです。
■経血量に合わせたタイプを使う
経血の量が少ない、またはタンポンのサイズ(吸収量)が大きいと取り出しにくくなることがあります。
量が少ない日用、多い日用など経血の量に合わせたタイプを使いましょう。
■タンポンとナプキンを上手に併用する
生理の日数や経血の量には個人差がありますが、経血の量が多い3日目頃まではタンポンを使い、量が少なくなる頃からはナプキンにするなどが良いでしょう。
また1日のうちでも、必要な時だけタンポン、あとはナプキンにするなど、交互に使うこともオススメです。
■タンポンはトイレに流さない
タンポンは水に溶けないため、紙などに包んでゴミとして処理して下さい。
トイレに流すと詰まりの原因になるため注意しましょう。

さいごに
生理アイテムの選択は、どれが絶対に良いということはないため、自分に合ったものを使うことが一番です。
タンポンについては誤解も多いようですが、TOPに合わせて上手にナプキンと併用している人もたくさんいるため、まずはタンポンを正しく知ることが大切です。
少しでも生理の期間を快適に過ごすために、1度はタンポンにトライして判断してみるのもよいかもしれませんね。