不正出血は病気のサイン!原因となる子宮の病気を知っておこう

不正出血は、病気や体調の変化など、体からのなにかしらのサイン。排卵期やホルモンの影響で起こる機能性出血のほかに、子宮の病気が原因の器質性出血があります。ここでは不正出血の原因となる病気について紹介します。

不正出血は、生理の時以外に性器から出血することを指します。

女性の60%以上が経験している不正出血。突然の出血やおりものの色がいつもと違うとびっくりしてしまいますよね。

 

不正出血には、子宮や膣の病気が原因となる器質性出血と、それ以外の機能性出血の大まかに分けて2つのタイプがあり、器質性出血の場合は例外なく注意しなければなりません。

 

機能性出血は、生理のサイクルや女性ホルモンのバランスによって起こるので、過度の心配は不要ですが、出血が続くようなら注意が必要です。

 

ここでは、注意しなければならない器質性出血の原因である子宮の病気をご紹介します。

気になる不正出血がある方はしっかり原因を確認してみてください。

不正出血の原因を知ろう

まずは、機能性出血と器質性出血の違いを確認しましょう。

機能性出血

ホルモンバランスの乱れから起こります。

女性ホルモンには卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2つがあり、分泌のバランスが崩れると、出血が起こることがあります。

 

年齢層では、更年期と思春期にとくに多く、50%以上は45歳以上の女性に、20%は思春期の女児にみられます。更年期の場合は卵巣機能の衰えがきっかけとなり、思春期の場合は子宮や卵巣の成長段階で不正出血が生じます。

その他、妊娠可能年齢の初期と末期にみられることも多くあります。

 

そして、20-40代の機能性出血に多いのは排卵期に起こる出血です。

中間期出血」といわれ、軽度であれば心配はありません。しかし長く出血が続いたり激しい痛みがある場合は、一度診察を受けましょう。ホルモン療法や生活のリズムの乱れを正すことで改善が期待できます。

器質性出血

子宮や膣の病気や傷が原因で出血が起こります。

 

◯外傷性出血:

会陰(えいん)裂傷・膣壁(ちつへき)裂傷・頚管(けいかん)裂傷など、傷や産婦人科での処置後に出血するもの

 

◯炎症性/腫瘍性出血:

膣部びらん、子宮内膜症、子宮頸管ポリープ、子宮頸がん、子宮体がん、子宮筋腫など、病気に関するもの

 

腫瘍ができるものは、良性と悪性に分かれ、とくに悪性のものはがんの可能性があります。

器質性出血の原因である主な病気

器質性出血の原因となっている子宮の病気について、詳しくみていきましょう。

①子宮膣部びらん:

びらんとは、表面がただれて見える状態のことです。およそ80%の女性に子宮膣部びらんはみられますが、ほとんどは病的なものではありません。しかし、出血やおりものの増加があった場合は、子宮頚管炎などの感染症や子宮頸がんの疑いがあるため、検査が必要です。

性行為やタンポンの使用で出血しやすいことが特徴です。

 

②子宮内膜症:

子宮内部で内膜が厚くなり剥がれ落ちることを月経(生理)といいますが、内膜が、卵巣や膣、へそなど、本来の場所とは異なる場所にできてしまう病気を子宮内膜症といいます。およそ10%の女性に症状がみられ、不妊症の原因にもつながるといわれています。

不正出血以外に、耐えられないほどの下腹部痛がある場合は、必ず診察を受けましょう。

 

器質性出血の原因<良性の腫瘍>

③子宮筋腫:

子宮の筋肉から発生する腫瘍を子宮筋腫と呼び、数ミリ程の大きさであればほとんどの女性が持っているといわれます。

腫瘍が大きくなった場合、不妊症など影響の出る可能性がありますが、閉経すると子宮筋腫の多くは縮小していくことが多いため、治療で必ずしも摘出するとはいえません。

主な症状は、生理痛、血の塊が混じるなどです。月経量が多く貧血などの症状がある場合は薬で治療をします。

 

④子宮頸管ポリープ:

ポリープは粘膜が増殖してできる突起のことで、大きさは米粒から親指大くらいの大きさがほとんどです。

痛みはありませんが性交時や激しい運動でかんたんに出血します。自覚症状がない場合、子宮がん検診で見つかることも多くあります。妊娠してからポリープが見つかると悪影響を及ぼすことがあるので、見つかった場合は早めに治療をしましょう。

 

⑤子宮内膜ポリープ:

子宮頸管ポリープより発生率は低いのですが、同じポリープでも大きいもので10センチを超えるほど大きくなることがあります。不妊症の原因なる場合は、摘出手術を行います。不正出血以外にも、月経の出血量が多くなったり貧血の症状が出ることもあります。

 

器質性出血の原因<悪性の腫瘍>

⑥子宮頸がん:

不正出血で最も注意したいのが子宮頸がんで、20-30代の女性で発症する一番多いがんです。

初期の自覚症状はほとんどなく、性交時などの不正出血を見逃さなければ早期発見につながります。そして、子宮の入口にできるため、婦人科の診察で比較的発見されやすく、早期の治療で治ることが期待できます。しかしながら、進行すると治療が難しいため、不正出血があった場合や定期的な検診が重要と言えるでしょう。

 

⑦子宮体がん:

妊娠時に胎児を育てる部分に発生するがんで、40-50代の女性に多く発症します。また、患者の90%に不正出血がみられますが、中には褐色のおりものだけという場合もあります。

がんが子宮内にとどまっている状態で治療をすれば、80%は治ることが期待できるため、早期発見が重要です。

 

⑧卵管がん:

卵巣は数多くの腫瘍が発生しやすい場所です。腫瘍の多くは良性ですが、悪性の場合卵巣がんとなります。

初期は無自覚の場合が多いことが特徴で、不正出血や月経異常が現れたときにはすでに進行している場合がほとんどなので、定期的な検診を受けることががんの早期発見の鍵となります。

※良性の腫瘍の場合でも、不妊症の原因と成り得るため、診断されたら必ず治療しましょう。

 

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photo AC

不正出血の色やおりものについて

不正出血の状態は個人差があります。

出血の色は、鮮血であったり、黒や茶褐色、おりものに血がまざる、おりものが茶色っぽくなるなど様々です。

また、量は少量から多量、期間も1日から長期間と、こちらも様々なケースがあります。

出血の状態からどの病気になったかを自分では判断できません。

 

いつもと違うと感じたり、排卵期以外の出血が続く場合は、必ず診察を受けてください。

不正出血による腹痛や下腹部痛

不正出血で腹痛や下腹部痛を伴う場合もあれば、ない場合があります。痛みがないから放っていても平気というわけではありません。

 

たとえば、子宮筋腫で不正出血があった際に、痛みがある人もいれば、ない人もいます。

腹痛や下腹部痛で病気の判断は難しいので、気になる症状が現れた時点で、医師に相談しましょう。

不正出血があるならば、痛みの有無は関係なく、病気の可能性を疑うようにしてください。

 

不正出血以外の症状をを目安とする場合、子宮の病気の多くは、月経時の出血量の増加、痛みが以前よりも強くなったなどが挙げられるので、少しでもおかしいと感じたら、婦人科の検診を受けましょう。

閉経後の不正出血にも注意

閉経したから婦人科の病気とは無縁というわけではありません。

 

とくに子宮体がんは閉経前よりも閉経後の方が多く発症するため、不正出血があれば子宮体がんを疑う必要があります。

 

また、閉経後は卵胞ホルモンの低下により、膣内の自浄作用が低下し、雑菌が繁殖したり、膣内の乾燥などが起こりやすくなります。これは萎縮性膣炎と呼ばれ、閉経後の女性の40%に発症しているといわれます。感染症のリスクが増加するため、不正出血など気になる症状がみられた場合は、医師の診断を受けましょう。

おわりに

不正出血は体が発しているSOSのサインです。

検診を受けたことのない年齢の女性にとっては、婦人科は敷居が高いと感じられるかもしれませんが、不正出血などを放置すると、様々な病気が進行し、将来の不妊症につながったり、がんであることを見落としてしまいます。

 

不正出血があった場合、内診と経膣超音波検査で、子宮・卵巣の状況を観察してから、血液検査、おりものの検査、がん検診などが行われます。

 

かかりつけの婦人科を見つけ、相談できる医師を探しておくと安心なので、まずは定期検診として婦人科に足を運んでみてください。病気は他人事ではないことを意識しましょう。

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