現在妊娠したくてもできない、不妊に悩んでいる女性は少なくありません。
不妊治療を受けている女性も沢山いるかと思いますが、不妊治療の基礎的な方法が「タイミング法」です。
また、タイミング法は不妊治療だけではなく、望まない妊娠を避ける為の避妊方法としても使用することができます。
女性と妊娠は切ってもて切れない関係にあります。
そこで今回は月経周期がもたらす身体の変化から、妊娠しやすい日を予測する「タイミング法」を紹介します。
妊娠しやすいのは排卵日の6日前から排卵日前日まで
妊娠しやすいのは排卵日当日だと思っている女性がいるかと思いますが、これは間違いです。
性交日と妊娠率の関係を調べた研究によると、実は最も妊娠しやすい日は排卵日ではなく、排卵の2日前か前日です。
妊娠の可能性があるタイミングは排卵の6日前から前日ですが、4日前から妊娠の可能性が高くなり、2日前から前日が最も妊娠しやすく、排卵日当日には妊娠率は低下します。
この理由は、膣と子宮腔をつなぐ子宮頚管を満たしている粘液である「頸管粘液」が、精子の貯蔵庫として働いていることと、卵子の劣化が排卵直後から始まることにあります。
射精された精子は頸管粘液の中に入り、そこでいったん蓄えられてから順次卵管へ送り出されます。
このことから、精子は女性の体内で約3日~長くて1週間程生きている事ができます。
また、卵子は排卵後からすぐに劣化が始まってしまうため、妊娠のためのベストな受精のタイミングは排卵直後なるべく早い方が良いのです。
妊娠するために重要なのは、新鮮な卵子と新鮮な精子が出会うことです。
精子の寿命が約3日、卵子の寿命が約1日、さらに卵子の排卵直後に受精する事がベストと、という事を考えると排卵の2日前か前日に女性の体内に射精をしておいた方が妊娠率が高まる、というわけです。
排卵日の予測方法
タイミング法とは月経周期がもたらす身体の変化から妊娠しやすい日、つまり排卵日を予測する方法です。
排卵日を予測する方法はいくつかありますが、代表的な方法として以下のものがあります。
基礎体温法
基礎体温を計測する事によって排卵日を予測する方法です。
女性の基礎体温は低温期と高温期の2層に分かれています。
生理が始まると約2週間は低温期が続き、排卵日を迎えると体温は一気に上昇します。
体温は高温期のはじめに急激に上昇する前に、一旦ガクッと下がります。これが排卵日です。
体温が低温期と高温期にはっきり分かれていて、月経周期が安定している人でないと予測が難しい点が基礎体温法のデメリットです。
オギノ式
オギノ式とは、荻野久作博士が発表した「排卵は次の月経第1日から逆算して14日プラスマイナス2日にある」という学説に基づき排卵日を予測する方法です。
つまり生理周期が28日の人は生理が終わった28日後が次の月経第1日となり、そこから14日マイナスした日の2日前後が排卵日となる、と予測できます。
ただし、この方法に関しても生理周期が安定している人でないと予測が難しい点がデメリットです。
頸管粘液法
頸管粘液法は月経周期にともなってオリモノの性質が変化する事を利用して排卵日を予測する方法です。
排卵前のおりものは卵の白身の様な糸を引く、ゼリー状の粘着性の高いものが出てきます。
このようなおりものが出ている時は妊娠しやすい期間です。
また、おりものが糸をひかなくなった前の日が排卵日と予測できるといわれています。
頸管粘液法に関しても、ストレスや体調によっておりものの性質が変わってくる為、慣れていない人にとっては判断が少し難しい方法でもあります。
避妊目的でタイミング法を使用する場合は他の避妊法と併用を
月経による女性の身体の変化を判断材料としているタイミング法は、前述のとおり体調の変化によって左右される為、排卵日が確実に予測できない場合があります。
そのため避妊をする場合は確実な方法では無いため、コンドームやピルなどの他の避妊法を併用し、あくまで補助的な方法として活用してください。
おわりに
タイミング法は、不妊に悩む方に有効な手段です。
病院では排卵日を超音波検査で調べたり、その人に合った詳細なタイミング法の指導を受けることができます。
今回紹介した方法で思った効果が得られなかった方は、産婦人科やレディースクリニックに相談することもおすすめします。