歌手の徳永英明さんなど芸能人がかかったことにより広く知られることになった「もやもや病」は、子供にもかかる病気です。

日本人に多い病気ですが、原因は不明で、厚生労働省の特定疾患(難病)に指定されています。

最近では「無症状の状態でおこり、検査によって偶然発見される」ケースもあります。

発見されてからだと病状が進行しており後遺症を残すことがあるため、早めの診断が大切です。

そのためにも基礎的な症状や対処法を知っておきましょう。

どんな病気

脳の太い血管が細くなったり詰まったりしてしまう病気で、突然脳卒中のような発作が起こります。

血管が細くなると、脳に流れる血液の量が減ります。血液の量が不足すると、脳細胞は栄養不足で死んでしまいます。

正常な状態では、心臓から送られてきた血液は脳の下面にある太い動脈が互いにつながった動脈の輪(ウィリス動脈輪)を経由し、脳全体に行き渡ります。

もやもや病は、このウィリス動脈輪が詰まったり細くなってしまいます。

よって栄養が行き渡らなくなってしまった血液を補うために、新たに周囲から細い血管が網のように発達してくる病気です。

発症は欧米人よりもアジア人、特に日本人に多く、日本で申請された患者数はおよそ7,700人。年間10万人に0.54人の割合とされています。

発症年齢のピークは2つあります

■5歳~10歳の小児期=虚血型

脳に血流が足りないために起こる症状

■40歳前後の成人後=出血型

もやもや血管が長期間の負担に耐えられずに破れ、脳出血を起こすことによる症状

※年齢によって出方に差が見られる点がもやもや病の特徴です。

原因は?

小児型の主な原因は「過呼吸」「過換気」により誘発されます。

深呼吸や過呼吸をすれば、血中の炭酸ガスが減少し、脳血管が収縮します。

炭酸ガスは脳の血管を広げる作用があるので、これが減ると脳の血管が少し細くなり警告症状が出やすくなります。

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以下のようなときに症状が誘発されます。

●泣く

●激しい運動

●熱いものをフーフーふいて食べる

●笛やハーモニカを吹く

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過呼吸などで一過性に脳の血流が不足することによって、元気だった子供に突然発作が起こります。

原因は明確に分かっていませんが、10%に家族内発生があり、遺伝的素因もあると考えられています。

主な症状は?

■過呼吸時に手足の脱力

■麻痺やしびれ

■ろれつが回らない

■感覚異常

■頭痛、嘔吐、めまい

■不随意運動(急に体の一部を動かせなくなる、意思とは無関係に体が動いてしまう)

などの症状が出て、数分から数十分で元に戻るのが典型的な発症です。

このような症状が、ほんの一過性または永続的に出現する場合、もやもや病が疑われます。

前述した過換気を誘発する行為をした際に症状が強まる傾向にあります。

重症な場合には脳梗塞を来たし、運動障害・知能障害などの後遺症が残ります。

成人の場合には、脳内出血・脳室内出血・くも膜下出血などの頭蓋内出血による発症が一般的です。

症状は出血の部位や程度により異なり、軽度の頭痛から重度の意識障害、運動障害、言語障害、精神症状まで様々です。

自覚症状は出にくく、発作が起きて初めて疑うことが多い病気です。

診断と治療法は?

もやもや病は現在、MRI、MRA(核磁気共鳴血管撮影法)、SPECT(単一光子放射断層撮影)で検査します。

磁気を用いて脳や頸部の血管像の状態を立体画像で表示することができるため、脳血流が足りているかどうか検査をします。

治療は脳の働きに見合った血流を流すためにそれを補うことです。

治療法は検査結果により、内科的治療、外科的治療(バイパス手術など)を判断します。

■術後の脳血流の分布

(左)術前  (右)術後

引用先

中村記念病院

「無症候型」に注意

※明らかに、右の術後に血流量が増えているのが分かります。

※脳の血流状態が改善されれば発作は消失し、脳梗塞のリスクも低下し、日常生活を不安なく送ることが出来ます。

軽微な症状のみである際は、発見されていない もやもや病 も相当数潜在しています。これを無症候型といいます。

ただし無症候型においても脳内出血等の危険性があります。

年齢が若く症状の進行が早いと後遺症を残すことがあるため、早めの診断が大切です。

神経内科、脳神経外科の専門医の診察を受けてください。

さいごに

もやもや病は、自覚症状がないまま進行していく可能性がある難病です。

日常で今回のような症状が出たときは注意が必要です。

特定疾患で珍しい病気ですが、患者数が増加傾向にあるため、知っておくことは大切です。