妊娠前からの葉酸摂取が胎内発育遅延(SGA)予防に効果的!

はじめに

ビタミンBの一種である葉酸二分脊椎症(にぶんせきついしょう)などの神経管閉鎖障害の予防に有効なことがわかっていて、妊娠中の女性にとって重要な栄養素の一つです。
イギリスで行われた調査により、妊娠前から葉酸のサプリメントを摂取することで、胎内発育遅延児のリスクも低減できることが明らかになりました。

 

さまざまな疾患のリスクを高める胎内発育遅延とは?

日本では、出生時に2500g未満の新生児は低出生体重児として行政に届け出ることが法律により義務付けられています。
この低出生体重児には、早産のために出生体重が小さくなる場合(いわゆる「未熟児」)と、胎内での発育遅延により出生体重が低い場合があります。

胎内発育遅延により低体重で生まれる新生児は、SGA(Small for gestational age、直訳すると「在胎期間の割に小さい」)と呼ばれ、在胎週数ベースで比較したとき、体重が全体の下位10%と定義されています。

SGAは新生児罹病率や死亡率の増加、将来的な糖尿病高血圧肥満心臓血管系の疾患精神疾患などの罹患率の増加といったリスクと結び付けられています。

 

葉酸サプリメントを飲み始めた時期で胎内発育遅延児の割合に差

BJOG: An International Journal of Obstetrics and Gynaecology誌に発表されたバーミンガム大学のKhaled Ismail教授らの研究では、葉酸サプリメントの摂取状況が記録されている10万8525人の女性の妊娠出産についてのデータを分析しました。

全体の84.9%の女性が妊娠中に葉酸サプリメントを摂取していて、3万9416件で摂取開始の時期が記録されていました。
そのうち25.5%が妊娠前から葉酸サプリメントを摂取していたとのことです。

10万8525件のサンプル全体では、SGA(在胎週数ベースで体重が下位10%)は13.4%、下位5%だったのは7%でした。

葉酸サプリメントを摂取していなかったグループでSGAの発生率は最も高く、16.3%が体重で下位10%に相当、8.9%が下位5%に相当しました。

葉酸サプリメントを摂取していたケースでは、摂取開始時期により差がつき、妊娠後に摂取を開始したグループでは13.8%が体重で下位10%、7%が下位5%に相当したのに対し、妊娠前から葉酸サプリメントを摂取していたグループでは9.9%が下位10%、4.8%が下位5%だったとのこと。

すべての妊娠が計画的というわけではないため妊娠前からのサプリメント摂取は難しいケースもあるかもしれませんが、妊娠を望んでいる女性は「妊活」の一環として飲み始めておくとよいでしょう。

 

サプリメントや食品で葉酸をとりいれましょう!

葉酸はビタミンB9とも呼ばれ、DNAの生合成や修復に欠かせない栄養素で、赤血球の生成にもかかわっています。

神経管閉鎖障害の予防の観点では特に妊娠1週目から4週目の葉酸摂取が重要です。
1週目から4週目というのは多くの女性がまだ妊娠に気づく前の期間であるため、妊娠の可能性のある女性は葉酸を積極的に摂取することが望ましいとされます。

摂取量は、妊娠前の女性は1日400μg(マイクログラム)、妊娠中は1日1000μg(1mg)の摂取が推奨されています。

食品ではアボカドホウレンソウアスパラガスレバーなどに豊富に含まれますが、食品だけで1日1mgを摂ろうとするとアボカドなら約1250g、ホウレンソウなら500g、アスパラガスなら2000g、レバー(豚)なら500gを食べる必要があります。

妊娠中に食品のみで1日1mgの目標量を摂取するのは厳しいものがあるため、サプリメントと食品を組み合わせて上手にとりいれましょう!

 

おわりに

妊娠中の女性以外でも葉酸の欠乏は貧血の原因となるほか、子宮頸ガンのリスクとも結び付けられているため、女性は特に気を付けたいもの。
普段から緑色の野菜をとるよう心がけ、妊娠を望んでいる場合はサプリメントも取り入れておくとよいでしょう。

(image by freeimages)
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