はじめに
かわいい赤ちゃんの体に少しでも気になることがあると、ママは心配で仕方がないですよね。
生後1か月までの赤ちゃんには、新生児特有の色々な特徴があります。
今回は新生児ならではの「産瘤(さんりゅう)」と頭血腫(とうけっしゅ)を紹介します。
産瘤(さんりゅう)と頭血腫(とうけっしゅ)とは?
産瘤も頭血腫も、分娩時の圧迫で頭がむくんだり、こぶができる状態をいいます。

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赤ちゃんは狭い産道を通るとき、一番大きい頭を先に通過させるため、自分の頭蓋骨を重ね合わせたり、ゆがめたりするため頭が圧迫されます。
赤ちゃんは通常、頭を下にした姿勢で、頭→肩→体→足という順番で産道から外に出てきます。
頭から先に出た際に、外に出ている頭部は圧迫されないため、そこに体液がたまっていきます。
分娩に時間がかかるとむくみが大きくなり、こぶのようなものができることがあります。
症状と治療は?
<産瘤>
産瘤は一時的なむくみによる「こぶ」で、中身はリンパ液などの体液です。
触ると柔らかくブヨブヨした感触があります。
頭から生まれてきた赤ちゃんのほとんどにみられます。
さか子の赤ちゃんの場合は、足から出てくるため、足やお尻にできることもあります。
分娩直後がもっとも大きく、分娩後24時間から36時間で消失します。
病的なものではなく治療の必要はありません。ご安心くださいね。
<頭血腫>
産瘤はむくみであるのに対し、頭血腫は頭蓋骨と骨膜の間の内出血です。
頭血腫も産瘤と同様に、分娩時に頭が産道で圧迫されて頭にできますが、血液が溜まってできるものです。
触るとゴムまりのような感触で、痛みやかゆみはなく、内出血が脳の他部分に広がる事はありません。
頭血腫は頭がデコボコになるため心配しますが、治療の必要はありません。
産瘤と違い、消えるまで生後2~3か月かかることはありますが、血液は吸収され自然に治っていきます。こちらもご安心ください。
頭血腫が大きい場合は、赤血球が壊れるため黄疸が強くなることがあります。
新生児は特有の黄疸がありますが、黄疸が強い場合は、ビリルビン(血液中の赤血球が壊れた時に出る黄色い色素)の検査を行うことがあります。
注意点は?
通常は特別な治療はせず様子を見ます。
針や注射器などを刺して吸引などをすることは、感染症を引き起こす場合があるため原則として行いません。
自己判断で手を施すことはやめましょう。
また頭血腫は消失まで時間がかかることがあります。
コブの回りは感染を防ぐため清潔にしましょう。

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おわりに
生後1か月までの新生児には、新生児特有の色々な症状があります。
産まれたばかりの赤ちゃんは、色々な面で心配がつきものですね。
ただし病気として治療が必要なもの、そうでないものなど、少しでも知識として持っておくといいですね。