腸重積症(ちょうじゅうせきしょう)は早期発見が大切!
赤ちゃんが泣くのは、何かしらの不快感や体の不調を訴えているサインです。
激しく泣いたらおさまる、また泣く……泣いている理由がわからないと、どうすればいいか不安になってしまいますよね。
しばらくすると泣くのもおさまるし、様子を見ようかなと思いがちですが、それでは遅い病気があるのです!
赤ちゃんに起こる「腸重積症(ちょうじゅうせきしょう)」は、早期発見が大切な病気です。症状を見落として放っておくと重症になる可能性があります。
腸重積症(ちょうじゅうせきしょう)の症状や原因、対処法を解説します!
腸重積症とは?
腸重積症は、腸の中に腸の一部がもぐりこんで重なり合ってしまう病気です。
もぐり込んだ腸は血管が圧迫されて血液が流れなくなり、放置しておくと壊死してしまいます。
腸重積症は放っておくと命にかかわる場合があるため、早期の治療が大切です。
腸重積症の原因
腸重積症の原因は、はっきりとはわかっていません。
突発性のものはウイルスが関係していること多く、かぜをひいたり下痢をしたりすると、腸のリンパ節がはれて大きくなり、そこから腸が別の部分に筒のように入り込んでいくと考えられています。
ごくまれに、生まれつき腸の一部が飛び出していたり、ポリープが原因のケースもあります。
生後6か月前後の離乳期に起こりやすく、比較的体格のいい男の赤ちゃんに多く見られます。ただし、生後6か月前後にならないと起こらないということではありません。
腸重積症の症状
腸重積症の発症を見分ける最大のポイントは、元気で機嫌が良かった赤ちゃんが、突然不機嫌になってぐずりだし、激しく泣き出すことです。
腸重積症を発症すると、以下のような泣き方を10分~30分おきに繰り返します。
【突然激しく泣く→泣きやむ→火がついたように激しく泣き出す】
断続的に腸が圧迫されるため、「泣く・おさまる」を繰り返すことが腸重積症の特徴です。
泣く以外の症状
泣き方以外にも、以下のような症状が現れる場合があります。
・イチゴゼリーやジャムのようなドロリとした血便が出る
・顔色が青白くなり嘔吐することもある
嘔吐が続くときなどは緊急性が高いので、夜間でも病院を受診するなど対処しましょう。
赤ちゃんからの病気のサインを見逃さない!
赤ちゃんは、どこがどのように痛いのか自分で症状を伝えることができません。赤ちゃんに以下のような様子がみられたら、早めに病院を受診してください。
なお、血便や嘔吐がない場合もあります。疑わしい症状がある場合は早めに受診しましょう。
◼︎不機嫌から始まる泣く・おさまるの繰り返し
◼︎足を曲げてお腹に引き寄せるような変な体位
◼︎腹を触られると、さらに激しく泣く
腸重積症の治療法
病院では触診と超音波で腸重積症を診断します。
発症から24時間以内の場合
発症から24時間以内の場合は、注腸整復(高圧浣腸)を行います。肛門から腸内に薄い浣腸液や空気を「高圧浣腸」で入れることにより、もぐりこんだ腸を元に戻す(整復)という方法で治療します。
発症から24時間以内に注腸整復すれば、ほとんどが元に戻ります。一日様子をみて再発がなければそのまま退院できることがほとんどです。
発症から24時間以上たっている場合
24時間以上の時間が経っていて、腸の潜り方がひどい場合や、腸の一部が壊死している場合は手術が必要になります。腸の壊死している部分を切除しつなぎ合わせます。
症状や状態によって異なりますが、1週間~10日程度の入院が必要になります。
おわりに
赤ちゃんは泣くのが仕事ともいわれますが、言葉が話せないぶん何が原因となっているのかをしっかり判断することが大切です。
病気が原因で泣いている場合、病気特有の症状を見極めることがとても大切です。
赤ちゃんが泣いている時には、泣き方やその他の症状などをしっかり確認し、早期対処に繋げましょう。