小児鼠径ヘルニア:赤ちゃんの約20人に1人がかかる脱腸の原因・症状・治療法について

赤ちゃんの鼠径ヘルニア(脱腸)は、先天的に発症します。放置すると飛び出した臓器が壊死する可能性もあるので、注意が必要です。小児鼠径ヘルニアの原因、症状、治療法に解説します。

「脱腸」という病名はみなさん聞いたことがあると思います。

正式名称は「鼠径(そけい)ヘルニア」といい、大人の場合は後天的になりますが、小児の場合は先天的に発症することが多い病気です。

小児の先天性のものは気が付きにくいことも多く、月齢や症状によって対処法も異なるので注意が必要です。

今回はそんな「小児鼠径ヘルニア」の症状や原因・治療法について解説します。

小児鼠径ヘルニアの原因とは?

「ヘルニア」とは、体内の臓器などが、本来あるべき部位から脱出した状態を指します。

鼠径ヘルニアは、太ももの付け根(鼠径部)に腸の一部が飛び出してしまう病気です。いわゆる「脱腸」とも呼ばれる症状です。

小児鼠径ヘルニアの原因は、胎児の頃、男の赤ちゃんの場合、精巣(睾丸)は陰嚢(睾丸を入れる袋)ではなくお腹の中にあります。

太ももの付け根の鼠径部には、精巣が降りる「鼠径管」という通路があり、生まれる間近になると精巣は鼠径管を通って陰嚢に降りてきます。

その時、腹膜(腹腔内の膜)も一緒に降りてきて通路が閉じます。

赤ちゃんが腹膜が開いたまま生まれると、腹膜の隙間から腸の一部が飛び出してしまいます。これが小児鼠蹊ヘルニアの原因です。

鼠径ヘルニアは赤ちゃんの20人に1人くらいの割合でみられる病気です。

男女差はあまりなく、男の子だけではなく女の子にも起こり、女の子の場合は、卵巣が飛び出すこともあります。

小児鼠径ヘルニアの症状は?

激しく泣いたり、いきんだときに症状が出ます。

◇ 太ももの付け根あたりが膨らむ

◇ ふくらみは指で押すと引っ込んでなくなる

◇ 痛みはない

◇ 生後5~6か月位までには自然に治ることも多い

膨らみの部分が戻ったり、また現われたりするのが鼠径ヘルニアの特徴です。

こんな症状があれば至急受診を

以下のような症状が出てしまったときは、早めに小児科などに相談しましょう。

◇ふくらみが暗赤色になったりする

◇押しても戻らない

◇痛がって激しく泣く

◇顔色が悪く嘔吐する

このような症状がある場合は、嵌頓(かんとん)ヘルニアの疑いがあります。

嵌頓ヘルニアは、体内からはみだした腸や卵巣などが、根元の出口部分で締め付けられ元に戻らなくなってしまう状態です。

そうなると強い痛みが起こり、そのままだと血流が悪くなり壊死を起こすことがあります。

至急医師の診断を受けましょう。

小児鼠径ヘルニアの治療法は?

①手で戻す方法

まずはヘルニア症状があっても、赤ちゃんが元気なら様子をみます。

生後5か月以内頃までは医師が手で戻してくれ、再度症状が出たときに親が戻せるように指導してくれる場合もあります。

ただ初めて症状が出たときは、自己判断で触らず、小児科でレクチャーしてもらいましょう。

②頻繁に繰り返す場合は手術

腸管や卵巣が脱出していれば腹腔内にもどし、腸が飛び出す原因になっている袋状の部分の根元を縛る手術をします。

手術は、生後4~6か月頃以降に行います。

これは自然に治る場合があることと、手術による合併症の危険があるためです。

ただし嵌頓ヘルニアの疑いがある場合は、手術時期を遅らせることは良くないため早期に手術する場合があります。

症状がある場合は、慌てずに抱っこなどして泣かせないようにしながら、夜中でも至急受診して下さい。

 

おわりに

鼠径ヘルニアは最初は気づかないこともあり、赤ちゃんが足を伸ばした時やリラックスしたときに見つけやすくなります。

もし鼠径部にふくらみを見つけたら、医師に相談してください。

普段から便秘などにも注意して、お腹に余分な圧力がかからないように注意してあげましょう。

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