はじめに

サイトメガロウイルス感染症とはヘルペスウイルスの仲間であるサイトメガロウイルスによっておこる感染症です。

日本人の多くは乳幼児期に大人とのふれあいや子供同士で感染していて、成人の大多数が抗体を持っています。
一度感染したら抗体ができるので再感染することはありません。

感染後は宿主になるので一生体内からウイルスが消えることはありませんが、免疫抑制下で発症は抑えられます。
ヘルペスのように免疫力の低下により再発することもあります。


(image by Photo Ac)

 

サイトメガロウイルス感染症とは

乳幼児期に感染しない人は10代~30代の若年層での感染が多くなっています。
あらゆる体液で感染するので性的な接触による感染が主な原因と考えられるSTD(性感染症/性病)でもあります。

感染してもほとんどが無症状です。
ただ、特に注意したいのが妊娠中の感染です。

 

サイトメガロウイルス感染症の感染経路

感染には主に2つの経路があります。

先天性感染
胎内感染、母子間感染です。
妊娠中に初めて母親が感染した場合、胎盤から胎児に感染することがあります。
生まれてきた赤ちゃんに異常が出るのは1割程度です。

後天性感染
体液(唾液、尿、涙、母乳、便、血液、膣液、子宮頸管粘液、精液などあらゆる体液)から感染します。
一見健康な人でもウイルスの排出が行われている場合があります。

性行為などでこれらの体液と密接に接触すると感染します。
乳幼児期に感染していれば再感染はありません。

一度感染すると宿主になり、ウイルスが体内に一生潜伏している状態になります。


(image by Photo Ac)

 

“抗体(免疫)を持たない人”が増加中?

30年前は4%程度だった“抗体(免疫)を持たない人”が現在は30%近くまで増えていると言われています。
子どもの遊び方が変わったことや、子どものころから除菌や消毒を重視する清潔な環境で育ったため、幼少期に感染しないまま大人になってしまう人が増えているのがその原因ではないかと言われています。


(image by Photo Ac)
 

サイトメガロウイルス感染症の症状

・倦怠感、体がだるい、重い、疲れやすいなど
・のどの痛み
・首のリンパの腫れ
・湿疹
・肝臓、脾臓の腫れ、肝機能異常

・伝染性単核球症
サイトメガロウイルスで伝染性単核球症になる場合があります。
伝染性単核球症の症状については以下の記事を参考にして下さい。

キスから感染する性感染症「伝染性単核球症(キス病)」の原因と症状、治療法について~再発の可能性は?肝炎になるの?~

健康な人、妊婦、免疫力が極端に落ちている人など、体の状態によって症状や注意点が変わります。


◆健康な人◆
子どもでも、成人でも初感染は発熱や肝臓、リンパ節の腫れなど軽めの症状が出ることがほとんどで重症化することはまずありません。


◆妊婦◆
妊娠中の感染は要注意です。
特に二人目以降の妊娠の際は、上の子供のおむつを取り替えたり、鼻水を拭いたり、食事の世話をしている時に感染する場合があります。

子どもは感染しているものと考え、子どもと接した後はこまめに手を洗う、食器の共有はしないなど感染予防に努めてください。

体内での胎児への感染の可能性は40%。
出生時に赤ちゃんに異常が出る可能性は10%程度と言われています。

感染した場合生まれてきた赤ちゃんに起こりうる症状(先天性サイトメガロウイルス感染症)は以下のようなものです。

・低出生体重(軽い体重で生まれてくる)
・小頭症(頭囲が小さい)
・紫斑(しはん:血小板が減少して、内出血がおこりあざのような斑点が出来る)
・肝炎
・黄疸
・脳症
・難聴
・発達障害(障害の重さは軽度~重度まで様々)
・視力障害

最悪のケースは死亡ということもあります。

自分に抗体があるか調べることもできます。
検査費用は3000円~。
心配な人は妊娠したら、もしくは妊娠を考えはじめたら抗体があるか調べましょう。

万が一、胎児に感染が見られても妊娠初期の発見なら薬で障害の程度を軽くできる可能性もあります。
かかりつけ医に相談してみましょう。


(image by Photo Ac)


◆免疫不全者◆
がん患者、HIV感染者、血液透析者、免疫抑制剤使用者など、免疫不全の人は健康な人なら免疫で抑制出来るウイルス活動が抑制できません。
よって潜伏していたサイトメガロウイルスの再活性化によるサイトメガロウイルス感染症を発症することがあります。
重症化し、最悪の場合は死に至るケースもあります。

 

サイトメガロウイルス感染症の検査と治療、予防について

◎受診科◎
男性女性ともに、内科
女性は産婦人科でも受けられます。
※治療費は病院や治療方針によって異なります。病院に確認しましょう。

◎検査◎
血液検査

◎治療◎
サイトメガロウイルスのワクチンはまだありません。
安静にすることと、対症療法が基本になります。
免疫不全者で網膜炎や肺炎などが発症したら抗ウイルス薬を使用します。

◎予防◎
様々な体液で感染します。
妊娠中や免疫不全患者は手洗いやウイルス保有者の体液に触れないように注意しましょう。

 

おわりに

サイトメガロウイルスはまだワクチンも研究段階です。
特にこれから妊娠を考えている人は自分に抗体があるかまずは検査を受けてみて確認してみましょう。