はじめに
白内症は老人の病気というイメージはあると思いますが、老人性白内障だけではなく、20代、30代に起こる若年性白内障もあります。
では、赤ちゃんや子どもはどうでしょうか。
子どもの場合は、生まれつきの「先天白内障」という病気があり、視力が発達する大切な時期に起こります。
早期発見をしないと手遅れになってしまうため、しっかりと知識を持っておきましょう。

先天白内障ってどんな病気?
生まれつき目の水晶体が白く濁っていて、新生児、乳幼児、学級期までに発症する白内障を「先天白内障」といいます。
水晶体はレンズの働きをしており、厚さを変えることによってピントを合わせる役目をしています。
先天白内障はこの水晶体が濁っているため、はっきりと物が見にくくなります。
片目の場合(片眼性)もありますが、多くは両目(両眼性)に見られます。
原因は分からないケースもありますが、遺伝によるものと、妊娠中の風疹感染によるものが知られています。
現在は風疹ワクチンの普及で少なくなりましたが、ママが妊娠3ヶ月までに感染した場合は、水晶体全体が白く濁る「全白内障」になってしまう可能性があると言われています。
白内障は加齢により新陳代謝がうまくいかないことによっておこる「老人性白内障」がありますが、20代、30代に起こる「若年性白内障」もあります。
原因は、外傷、アトピー性皮膚炎、薬の副作用、悪い食生活など様々な要因で起こる可能性があります。
「先天白内障」は成人に起こる白内障と違って、早く発見して手術を行わないと視力の発達が妨げられ弱視の原因になります。
先天白内障の症状は「目の濁り」が特徴
◇瞳の中に白い濁りがある
◇生後10週以降になると目の揺れが見られる
◇片方(片眼性)だけでなく両方(両眼性)に起こることもある
◇片眼性の場合、生後3~4か月になると白内障の眼が斜視(しゃし)になってくる
発見が遅れた場合は、高度の弱視になる可能性があり、手術しても視力が向上しません。
瞳の中に白い濁りがあることに気づいたら、早急に眼科に受診してください。
子どもの斜視は早期診断・治療が大切!斜視の種類・症状・治療法を知ろう
成長過程における目の病気のひとつ「斜視」は、早期の判断が大切です。そもそも斜視とはどんな病気なのでしょうか。斜視にも種類があることをご存知ですか?症状や視力への影響、治療法などを詳しく解説します。子どもの目つきが気になったらすぐに確認しましょう!

先天白内障の治療法は?
軽度の場合
早急に手術をする必要がありませんが、定期的に眼科で検査を受けて経過をみます。
重度の場合
早めに水晶体の濁りを切除する手術をします。
両眼性では生後10週、片眼性では生後6週までに手術を行います。
術後は眼鏡やコンタクトレンズを装着し、視力の訓練なども行います。
視力の発達のためには、術後の視力矯正がとても重要です。
おわりに
白内障は目の濁りがあることから、一見分かりやすそうですが、前述した症状が現れてから分かることも多い病気です。
少しでも子どもの目に異常を感じたら、早急に眼科を受診して下さい。