これって頻尿?子供の尿の回数について

生まれたばかりの赤ちゃんは、膀胱の中に尿をためることができません。そのため、尿意を感じたら反射的に尿が出てしまいます。

排尿機能は、知能の成長とともに発達していきます。膀胱に尿をある程度ためてから出せるようになるため、尿回数が減少する傾向があります。

年齢別の平均的な尿回数(1日当たり)は、以下が目安となります。

月例/年齢 1日の尿の回数

0~4か月

8~20回

5~11か月

8~15回

1~6歳:小学校入学前

8~12回

6歳以上:小学生

5~8回

尿の回数や排泄のリズムは個人差が大きいため、あくまで目安ととらえましょう。

多くは成長によって改善していきますので、あまり過度に気にする必要はありません。

子供の頻尿で考えられる原因

子供の頻尿で考えられる原因は、主に3つあります。それぞれのリンクをクリックすると、詳細を見ることができます。

原因 主な特徴

過活動膀胱

・急な尿意をもよおす
・尿漏れをともなう
・5歳以上の場合は早めに医療機関へ

尿路感染症(膀胱炎)

体の症状をともなう(腹痛、排尿痛)

心因性の頻尿

体の症状はない

上記の表にある病気のほか、まれに「尿崩症」や「糖尿病」といった病気も原因になることがあります。

早めに病院へ行く必要があるケース

頻尿以外にも体の症状が出ている場合は、早めに医療機関を受診する必要があります。たとえば、以下のような症状です。

・発熱(38度前後が目安)
・腹痛、背中の痛み
・排尿痛、血尿
・食欲減退など

子供は自分の症状を自分で訴えることが難しいため、大人がしっかり観察することが大切です。

また、こうした症状がみられなくても頻尿が2~3週間続いて日常生活に支障をきたす場合は、医療機関を受診しましょう。

病院へ行く際は、まずはかかりつけの小児科を受診しましょう。このほか、小児泌尿器科を受診するという選択肢もあります。

子供の頻尿の原因1|過活動膀胱

過活動膀胱は、尿が溜まっていないのに膀胱が意図せず収縮してしまう病気で、おしっこを我慢できない、漏れそうといった感じが起こります。

子供だけでなく、大人にも多くみられます。

子供が過活動膀胱になる場合、主な理由は2つあります。

・膀胱の容量が小さく、尿がためられない
・排尿機能が未成熟である

過活動膀胱の子供にみられる傾向

過活動膀胱にかかっている場合、子供に以下のような傾向がみられます。

・トイレに行った直後にすぐ行きたがる
・「おしっこが我慢できない」と頻繁に言う
・尿漏れがある、あるいは漏れそうになる

1時間おきにトイレに行きたがる場合は、トイレに行く頻度が高すぎると考えられます。

5歳以降に過活動膀胱の疑いがある場合は病院へ

子供の過活動膀胱は、成長とともに排尿機能の成熟することで自然とおさまるケースがほとんどです。

排尿機能は4~5歳ごろに成熟するのが一般的なので、5歳を過ぎても過活動膀胱の症状がみられる場合は、医療機関を受診しましょう。

過活動膀胱で頻繁にトイレに行くことで、日常生活に支障をきたしている場合は、5歳に満たない場合でも、医師に相談してください。

子供の頻尿の原因2|膀胱炎などの尿路感染症

尿路感染症とは、尿の通り道(尿路)に細菌が入り込むことで炎症が起こる感染症です。

女の子の体は、細菌が多く潜んでいる肛門と尿路が近い構造なので、特にかかりやすい傾向にあります。

尿路感染症は、子供の頻尿の中では特に早めに対処する必要がある病気なため、早急な医療機関への受診が必要です。

早めに治療を開始すれば、すぐに治る可能性があります。

尿路感染症の種類と症状

子供の頻尿で主にみられる尿路感染症は、膀胱炎とや腎盂腎炎(じんうじんえん)です。頻尿のほかに、以下の症状がみられます。

・38度以上の高い熱が出る
・不機嫌、あるいはぐったりしている
・血尿や排尿痛
・膀胱の不快感、残尿感
・わき腹や背中の痛み
・吐き気、嘔吐、下痢など

場合によっては、尿が異臭を放ったり、尿失禁を起こしたりすることもあります。

病院での治療について

尿路感染症の疑いがある場合、尿検査や細菌と特定する尿の培養検査を行います。

このほか、尿路感染症を繰り返している場合は、画像検査を行う場合もあります。また、まれに血液検査も行います。

膀胱炎や腎盂腎炎と診断された場合は、抗菌薬が処方されます。

薬を飲むと2~3日ほどで症状がおさまりますが、治療自体は7~14日ほど続けるのが一般的です。

自宅でのケアについて

尿路感染症を治すためには、薬以外でのケアも大切です。以下の3点を心がけましょう。

・高熱が下がるまでは安静にする
・トイレは我慢させない
・水分をいつもより多めにとる

水分を多めにとることは、細菌の排出を助けます。今後の尿路感染症の予防にも効果的です。

また、排便後にお尻をトイレットペーパーで拭く際は、肛門周辺にいる細菌が尿路に侵入しないようにペーパーを前から後ろに動かすと良いことも教えてあげましょう。

子供の頻尿の原因3|心因性頻尿

心因性頻尿とは、ストレスや緊張感といった精神面の原因によって引き起こされる頻尿です。

過活動膀胱や尿路感染症との違いは、以下の3点があげられます。

・体の症状や尿の異常(におい・排尿痛など)は見られない
・夜寝ているときは頻尿が起こらない
・遊びなどに夢中なときは頻尿にならない

膀胱に十分に尿がたまっていないのに尿意を感じるため、1回上がりの尿の量は少なめになります。

心因性頻尿を引き起こすストレスとは?

子供の心は非常に繊細です。思わぬところに、心因性頻尿を引き起こすストレスが隠れていることがあります。

以下のような点に思い当たる節がある場合は、これらがストレスとなっているおそれがあります。

・入園、入学、引っ越しなどで生活が大きく変わった
・習い事の発表会など緊張するイベントが控えている
・兄弟姉妹が増えたなど、家庭内に大きな変化があった
・学校などの人間関係で悩みがある

このほか、トイレへ頻繁に行くこと自体がストレスになっているケースや、それを家族に指摘されることがプレッシャーになっているケースもあります。

子供の頻尿の対処法について

子供の頻尿では、尿路感染症と長く続く過活動膀胱による頻尿ついては家庭でできる対処法はなく、病院を受診することが優先になります。

心因性頻尿の場合は、子供が抱えるストレスなど精神面へのケアをすることで対処できることがあります。

心因性頻尿は、ストレスの原因がなくなるとおさまるため、一過性のケースが多いです。

おおらかな気持ちで子供を見守り、悩みに寄り添うとともに、「またトイレに行くの?」などと追い詰めたり、おねしょをしても怒ったり、しないようにプレッシャーをかけないようにすることが大切です。

おわりに

子供の頻尿の原因は、病気の疑いから精神的なものまでさまざまです。

自分たちだけで原因を特定するのが難しい場合は、早めに医師に相談しましょう。