はじめに ~「急性胃腸炎」はどんな病気?~

感染性の急性胃腸炎は、ウイルスや細菌などが原因で、胃や腸が急性の炎症を起こし、嘔吐、下痢、腹痛を起こす病気です。

このような症状が出る病気を総して「急性胃腸炎」「急性嘔吐・下痢症」「感染性胃腸炎」などと言います。

ウイルス性は主に冬に多く、細菌性は年間を通して見られます。

ウイルス性と細菌性に共通する症状

◇下痢、嘔吐、腹痛

◇発熱を伴うこともある

◇非常に不機嫌

◇汗やおしっこの量が減る

◇ぐったりする

 

など、症状の激しさ、程度はケースによって様々です。

ウイルス性胃腸炎の特徴

原因となるウイルスは、主にロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルスなどがあります。

その他、簡単に原因を特定できない嘔吐・下痢症状を引き起こすウイルスは多数あります。

そのためウイルスに対する免疫がない赤ちゃんは、ひと冬に何回もウイルス性胃腸炎になることがあります。

 

便は、特にロタウイルス腸炎の場合、白っぽい下痢便が特徴です。

ロタウイルス腸炎は乳幼児にかかりやすく、激しい症状のため入院に至る場合もあります。

またロタウイルス、ノロウイルスは感染力が強いため、一人がかかるときょうだいみんなにかかる場合があります。

家族みんなでの注意が必要です。

細菌性胃腸炎の特徴

原因となる細菌は、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、カンピロバクター菌、ボツリヌス菌、腸炎ビブリオ菌、病原性大腸菌(O-157など)で、食中毒によるものが典型的なケースです。

夏だけではなく、年間を通して見られます。

 

便は、血便や膿が混じった下痢便が出ることもあります。

「細菌性胃腸炎」と症状がよく似ているもので、腸が重なり激しい腹痛、嘔吐、下痢を伴う「腸重積症」があります。

全く原因や治療法が違うため、便のついたおむつを持っていくと診断がつきやすくなります。

急性胃腸炎の治療法は?

ウイルス性胃腸炎の場合

特効薬はないため、脱水を防ぎながら回復を待ちます。

抗生物質は効き目がないため、一時的に吐き気止めを使うこともあります。

細菌性胃腸炎の場合

原因である細菌を特定し、その細菌に効く抗生物質で治療します。

細菌が原因の場合は、むやみに薬で下痢を止めてはいけません。

 

ウイルス性も細菌性も、重症の場合は入院治療になる場合があります。

嘔吐、下痢は何より脱水症状に注意!

嘔吐、下痢のある時には急速に体内の水分が失われます。

赤ちゃんは脱水していると訴えることができないため、サインを見逃さないことが大切です。

 

重度の脱水症状のサインは

◇おしっこの回数、汗の量が減る

◇唇や皮膚がカサカサしている

◇泣き声が弱々しく、ぐったりしている

◇重症の場合、けいれんや昏睡状態になる

 

このような場合、乳幼児の脱水は命にかかわることもあるため急いで受診しましょう。

 

脱水症状の回復には「電解質の高い」飲料を!

嘔吐、下痢のある時には急速に体内の水分が失われるため、脱水症状の回復が大切です。

特に激しい嘔吐や下痢の場合、少ししか水分が取れない時に、たくさん飲ませようとしてもまた吐いてしまいます。

その場合、通常の水分補給ではなく、薬局で販売している電解質の高い「経口補水液」(オーエスワンなど)がおすすめです。

経口補水液は、市販の赤ちゃん用のイオン飲料などとは成分が違います。

少量しか水分が取れない時などに、嘔吐や下痢で失った電解質や必要な糖分が吸収されやすいため、回復に役立ちます。

 

ただし経口補水液は、乳幼児に常時水分補給として飲ませるものではありません。

重い脱水症状の回復には効果的です。参考にして下さい。

日頃から注意すること

□家族全員で、ウイルス感染の基本的な予防(うがい、手洗い、マスク)を習慣にする

□赤ちゃんの便の処理の後は普段から必ずしっかり手洗いをする

□食中毒に注意する

・食品は必ずきちんと加熱する

・調理前や食品に触る前には必ず手を洗う

・調理器具は常に清潔にしておく

 

特に赤ちゃんがいる場合は、治療より日頃の予防が大切です。

おわりに

赤ちゃんが急性胃腸炎になると、腸の機能が低下するため、母乳やミルクの乳糖を分解できず「乳糖不耐症」になりことがあります。

乳糖不耐症になると引き続き下痢が続くことになり、体重も増えず発育に影響します。

胃腸炎は治ったはずなのにずっと下痢が続く場合は、念の為に小児科を受診しましょう。