はじめに

関節リウマチは、お年寄りの病気というイメージがあるかもしれませんが、どの年代でも発症します。
特に30代~50代に多く発症し、女性の患者数は男性の3~4倍です。
ちょうど妊娠、出産、子育てをむかえる女性に多く発症することになります。

若い世代に多く発症することはあまり知られておらず、軽視してしまうと生活に大変な支障をきたすことになりかねません。
関節リウマチの基礎知識を知っておきましょう。
 

どんな病気?

関節リウマチは、体中の様々な関節に炎症が起こる疾患です。
関節の腫れや痛みが長期間続き、放っておくと関節が破壊され変形してしまいます。

病気の進行に個人差はありますが、手足の変形や歩行困難など、日常生活に支障が出るようになります。
のちに関節の破壊と共に、寝たきりになることもあるため、早期診断、早期治療が最も大切な疾患です。

 

関節リウマチの原因は?

関節リウマチは「自己免疫疾患」の1つとされています。
自己免疫疾患とは、本来自分の体を守るために備わっている免疫機能が異常をきたし、自分の体を敵とみなして攻撃をしてしまいます。
その要因として

□ウイルスや細菌感染
ホルモンのバランス(妊娠、出産)
過労やストレス
様々な環境要因

などがあげられます。
自己免疫疾患には多くの病気がありますが、そのうち「関節の滑膜」をターゲット」にした疾患が「関節リウマチ」です。
 

関節リウマチの症状と出やすい場所は?

症状
◇関節の腫れ、痛み
◇症状が左右対称に起こっている
◇特に朝方に手足にこわばりがある
◇微熱、疲労感、倦怠感
◇腫れてくる関節の数が増えてくる

特に手足(指)の第2、第3関節と手首や足首の関節が最も多く見られますが、その他、ひざやひじ、肩などあらゆる関節にも及びます。

その後放っておくと、安静にしていても痛み続けたり、運動不足により関節が固まって筋力が低下します。
最初は滑膜の炎症にはじまり→ 軟骨が薄くなり→ 骨と骨の間隔が狭くなり→ 骨、軟骨、関節の破壊に至ってしまいます。

 

合併症に注意

関節リウマチの合併症として、心疾患、腎不全、肺疾患、血管炎、骨粗鬆症、などがあげられます。
関節リウマチは単に関節の疾患ではなく、全身の臓器障害を合併する可能性があります。

また悪化した際の関節破壊は、発症してから1年以内に急速に進行してしまいます。
単なる関節痛と軽く考えたり治療が遅れると、車椅子や寝たきりの生活になってしまいます。
少しでも関節に違和感を感じた場合は、早期診断、早期治療が最も大切です。

 

妊娠中の関節リウマチの治療法と注意点は?

通常、関節リウマチの治療法は、薬物療法、手術療法、リハビリテーションなどが挙げられます。
基本は「抗リウマチ薬」などの薬物療法となりますが、妊婦の場合は「薬の制限や中止」をすることがあります。

抗リウマチ薬は、胎児奇形を誘因させることになります。
妊娠中は抗リウマチ薬の変わりに、ステロイドを少量投与することで悪化を防ぎます。
ステロイド剤は胎盤で分解されるため、抗リウマチ剤や非ステロイドの抗炎症剤に比べて、胎児に影響がないとされています。

また妊娠中期は、ホルモンの関係で症状が軽くなることがあり、薬の使用をする必要がない場合もあります。
ただし体重が増えることで様々な関節に負担がかかるようになるため、再び症状が出る、または悪化する場合もあります。

いずれも妊娠中は、使用する薬の種類や量が変わります。
治療薬の選択は大変重要です。必ず医師と相談し、指示に従いましょう。
 

出産への影響は?

多くの場合は普通分娩が可能ですが、患部の関節に「過度の負担がかからないような姿勢」を取ることが大切です。
また股関節や膝関節が動きにくい場合には、通常分娩ではなく、帝王切開になることもあります。

関節リウマチは治療を受けていても、医師の指示をきちんと守れば、妊娠、出産に問題はないと考えられています。
いずれにしても、分娩時の姿勢や分娩の方法などは、医師とよく話し合いましょう。

 

日頃心がけることは?

日常は以下のことに注意しましょう。
・重いものなどなるべく関節に負担をかけないよう心がけましょう。
・関節が固まって筋力低下にならないよう適度に体を動かしましょう。
・関節を冷やさないようにしましょう。
・睡眠不足や過労に注意しましょう
・食事はカルシウム、鉄分を十分にとりましょう。
 

おわりに

どんどんお腹が大きくなると、楽しみも増えると同時に、体への負担も大きくなりますね。
特に関節は体の動きにとって大変重要な役割があるため、関節リウマチはしっかりと治療する必要があります。
妊娠中に症状が軽減するケースも見られますが、出産後に悪化する可能性があるため、油断をしないことが大切です。