はじめに

「妊娠中は免疫力が落ちる」と言われており、妊娠中の10か月の間に、ほとんどの妊婦は1度や2度はかぜを引きます。
普段はたかが「かぜ」だと思っても、妊娠中はお薬1つとっても、普段とは違い注意することも多くあります。

妊娠中のかぜについて基礎知識を知っておきましょう。

 

妊娠中に免疫力が落ちる理由は?

通常、体に備わっている免疫力は、様々な細菌や害を及ぼすものから体を守り、感染症などの病気にかかりにくくするように働いています。
ところが妊娠中の体は免疫力が低下すると言われています。

ホルモンバランスも関係していますが、実は免疫力を「あえて低下」させていると言われています。
理由は、母親の胎内に宿った赤ちゃんの遺伝子は、半分は父親によるものです。そのため妊娠すると、ママの体からみれば、赤ちゃんは一つの「異物」とみなされます。

そこで母親の免疫力が強いと、異物として捉えた赤ちゃんを攻撃し、排除しようとしてしまい、流産や早産の危険性が高くなります。
そのため赤ちゃんを拒絶反応から守るために、あえて免疫力を低下させています。
よって妊娠中は、かぜや病気になりやすくなるのです。
 

かぜによる赤ちゃんへの影響は?

かぜ症状の、発熱、咳、鼻水、くしゃみ、下痢などは、赤ちゃんにどのような影響があるのでしょうか。

発熱でママの体温が上がると、羊水の温度も上がるため、赤ちゃんも高体温になり心拍数が上がります。
微熱程度なら特に問題はありませんが、38度以上の高熱が3日以上続く場合は注意が必要です。

また咳やくしゃみをすると、お腹に圧力(腹圧)がかかり、お腹が張りやすくなります。
下痢も一日に何度もある場合は、腸の刺激によりお腹が張りやすくなります。

かぜ症状で早産や流産を心配されるママがいますが、そのようなことはほとんどありません。
ただし長引く咳や下痢は、通常よりも子宮が収縮しやすく、子宮口が開く可能性もあるため注意が必要です。
 

かぜからの二次感染に注意

通常のかぜは、くしゃみ、鼻水、微熱、軽い咳などが主な症状で、一般的にはしっかり休養し栄養を取れば2~3日で治ります。
ただし妊娠中は免疫力が低下しているために長引くことがあり、その後、気管支炎や副鼻腔炎などを引き起こすこともあります。

かぜのウイルスは200種類以上もあり、かぜとよく似た症状でのウイルス感染症は多数あります。
はしかや風疹、みずぼうそうやおたふくかぜなどは、子どもから気が付かないうちに感染することがあり、赤ちゃんに障害が及ぶ危険性があります。
また細菌感染などは、早産や流産につながる可能性があります。
家族や子どもが何らかの感染症になっている場合は注意が必要です。
 

妊娠中のかぜ症状で注意すること

◯休息、十分な睡眠
体を温める栄養価の高い食事
特にビタミンCをたっぷりとる(ただし医師の許可なしでサプリメントを余分にとることは控える)
水分をたっぷりとる
市販の栄養ドリンクは飲まない
薬以外に、鼻孔拡張テープなどで鼻腔を広げ呼吸を楽にする
加湿などで常に鼻やのどを潤すこと
人ごみを避ける
うがい、手洗い、マスク(室内でも)
 

妊娠中のかぜ薬は?

すぐに市販のかぜ薬を飲むのはNG!ということは多くのママは分かっていると思います。
特に妊娠初期には、胎児に影響を与えるとして妊婦が飲んではいけない薬が多数あります。

ただしすべての薬が赤ちゃんに悪い影響があるわけではありません。
医師が妊娠中でも安全と思われ、症状によって一番適切な薬や治療法を指示してくれるはずです。
葛根湯などの漢方薬を処方してくれるなどもあります。

薬は飲まないにこしたことはありませんが、薬はどうしても抵抗があると、医師に処方された薬を飲むことを拒否したりしないことが大切です。
免疫力、抵抗力が落ちている時に自然治癒がなかなかすすまない場合は、悪化させて重症になる可能性もあります。

大事なことは、自己判断で市販の薬は飲まないことと、必ず産婦人科で処方してもらうことです。

 

おわりに

まず妊娠中は「普段より免疫力が下がる」ということを知っておくことが必要ですね。

かぜ症状に似た病気は多数あり、妊娠中は飲めない薬がたくさんあるため、何よりも第一に予防を心がけましょう。