はじめに ~リステリア症とは?~

リステリア症とは、リステリア菌(リステリア・モノサイトゲネス)という食中毒をおこす菌による感染症です。
妊婦をはじめ高齢者、糖尿病、腎臓病など免疫機能が低下している人にかかりやすく、特に妊婦は20倍感染しやすいと言われます。
食中毒の中でも「リステリア菌」は赤ちゃんに大きな影響があるため、特にママには知識と注意が必要です。

image by Photo AC

 

リステリア菌の特徴

□動物の腸管内や河川水などに広く分布している
□主に食品を介して人に感染する(人獣共通感染症菌)

4℃以下の低温に強い(冷蔵庫でも繁殖する)
高濃度の食塩にも強いため、塩漬けしても増殖する

このようにリステリア菌は、「通常多くの食中毒を起こす菌が繁殖できないような環境」でも増殖します。
 

リステリア症の症状は?

◇潜伏期間は12時間から30日間という開きがある
頭痛、悪寒、発熱、倦怠感、筋肉痛などのインフルエンザの症状に似ている
下痢や嘔吐を伴うこともある
重篤なケースではけいれんや平衡感覚障害、意識障害が起こる
症状の重篤度には個人差がある

リステリア症は症状が現れるまでの時間が長く、発見の難しい病気と言われています。

 

胎児への影響は?

通常、食中毒の菌は消化管にとどまっており、胎児に問題となるなるのは羊水に入り込んだ場合です。
ところがリステリア菌は他の多くの細菌と違い、「直接血液の中に入りこむ」ため、あっという間に胎盤を通じて胎児に到着してしまいます。
そのため妊婦の場合は、母体は症状が軽くても胎児への影響は大きくなり、流産や死産、新生児髄膜炎や敗血症の原因にもなります。

 

特に注意する食品は?

□生、生焼けの肉
□洗っていない生野菜
□殺菌していない生の牛乳
□魚や肉のパテ
□生ハム
□スモークサーモン
□ナチュラルチーズ(殺菌、加熱していないもの)

特に調理済みで低温保存する食品に注意が必要です。

 

予防法は「加熱」 と 「冷蔵庫を過信しない」ことです

予防方法として以下のことに注意しましょう。
◇生野菜や果物は食べる前によく洗う
動物性の食肉(牛肉、豚肉、鶏、七面鳥など)生肉等はよく加熱する
調理済みの食肉加工品は食べる前に再加熱をする
◇冷蔵保存であっても期限内に食べるようにする
◇開封したら期限に関わらず速やかに食べる
冷凍庫で保存する

その他
生肉や加熱していないものを扱った後は、包丁、まな板、食器などは消毒する
手もよく洗う

リステリア菌は冷蔵庫内でも増えるため、「加熱して食べる」、「調理器具や手を清潔」にすることが最低限の予防対策になります。

 

おわりに

妊娠中は免疫力が低下しているため、食中毒などの感染症にかかりやすくなります。
ママは大丈夫でも赤ちゃんへの影響が大きい可能性があるため、妊娠中の食べ物には、調理方法などにも十分に気を付けたいですね。