生理痛の改善は食生活から
生理痛は普段の食生活で緩和することができます。
生理痛が起こる原因の一つは、血行が悪くなり体が冷えていることにあります。生理痛を軽くするためにも体を温めて血行を良くすることはとても大切です。血行をよくするために運動やお風呂も効果的ですが、食事の改善も役立ちます。
また、生理痛は便秘やホルモンバランスの乱れといった肉体的な原因、生理への不安・憂うつな気持ちなど精神的な原因によって引き起こされる場合もあります。肉体的な原因も精神的な原因も食べ物の改善によって和らげることが可能です。
しかし、食べ物はいい効果だけではなく反対に生理痛の原因になっている可能性もあります。食べ物の中には体温を上げるものや下げるものがあり、普段気にせずに食べているものが生理痛の原因になっているかもしれません。
生理痛に良い食べ物・悪い食べ物を確認しましょう。
生理痛を和らげる食べ物
生理痛は体の冷えが原因となって現れるので、体を温める作用がある食べ物を選ぶことが大切です。
次のような食べ物には体を温める作用があります。生理が始まる前から意識的に摂ると良いでしょう。また、食物繊維が豊富な根菜類は便秘の解消にも効果的です。
・しょうが
・ねぎ
・玉ねぎ
・大豆、豆腐
・にんじん、だいこんなどの根菜類
効果的な食べ方
熱を通す調理法は、食材の体を温める作用をより強くしてくれます。
炒める・茹でる・油で揚げるなど、調理の温度が高いほど効果が高いので、なるべく温度の高い調理法を選びましょう。スープやジュースなどもできるだけ温めて飲むことをおすすめします。
また、食材は旬の時期に食べることで体を温める効果がより期待できます。次の表を参考に、季節に合ったものを食べるようにすると良いでしょう。
春 | 玉ねぎ、菜の花、ふき、三つ葉など |
夏 | いんげん、かぼちゃ、にら、にんにく、桃、ウナギなど |
秋 | 栗、くるみ、しょうが、イワシ、カツオなど |
冬 | かぶ、小松菜、ねぎ、山芋、エビ、ブリ、マグロなど |
生理痛のときに摂取したい成分
生理痛は「たんぱく質」・「鉄」・「EPA」・「ビタミンB群」の栄養素を摂ることでも和らげることができます。たんぱく質・鉄はホルモンや血液を作り、EPAは子宮の収縮を抑えて生理痛を和らげます。また、ビタミンB群は不安・憂うつ・イライラといった気分を落ち着ける効果があります。
生理になるとレバーをたくさん食べるという方もいるかもしれませんが、レバーや肉類ばかりではかえって痛みを悪化させる可能性があります。1日1食はEPAが豊富なサバやマグロなどの魚を食べるようにしましょう。
生理痛を和らげる成分と食べ物 | |
たんぱく質 | 納豆や豆腐などの大豆製品、ヨーグルト |
鉄 | 牛や豚などのレバー |
EPA | カツオやマグロなどの魚類 |
ビタミンB群 | アーモンドやピスタチオ、くるみなどのナッツ類 |
生理痛を和らげる飲み物
生理痛を和らげるには、体を温めるために温かいものを飲みましょう。白湯のほか、しょうが湯やハーブティーがおすすめです。
しょうが湯は体を温める効果が高く、ハーブティーは生理への不安・憂うつな気持ちを和らげるので精神的な部分からくる痛みを和らげる効果が期待できます。
好きな香りのハーブで気分を落ち着け、生理に対するマイナスな感情を取り去りましょう。
ハーブの種類と効果 | |
ジャーマンカモミール | 貧血・冷え・生理痛 |
パッションフラワー | 憂うつな気持ち・不安な気持ち |
ラズベリーリーフ | 貧血・生理痛 |
アンジェリカ | 生理痛・冷え |
体を温めるしょうが湯の作り方
しょうがの辛みの元となるジンゲロールという成分は、加熱することでショウガオールという成分に変性します。ショウガオールには血行をよくし体を温める作用があるので、生理痛の緩和に期待できます。
しょうがはそのままだと辛みがあって食べづらいので、しょうが湯にして飲んでみてはいかがでしょうか。
【材料(2杯分)】
・おろしたしょうが(チューブでもOK):大さじ1杯
・お湯:300mL
・ハチミツ:大さじ2杯
・水溶きかたくり粉:少量
【作り方】
・沸騰したお湯にハチミツを加え、水溶き片栗粉でとろみをつけます
・おろしたしょうがを加えたら完成です。湯のみなどに注いで召し上がってください
辛くて飲みづらい場合には、ハチミツをさらに加えて飲みやすいように味を調整してください。
しょうがが苦手な人は、お湯の代わりにホットミルクにしょうがを溶かすと飲みやすくなるのでおすすめです。
生理痛に悪影響がある食べ物・飲み物
体を冷やすような食べ物は、生理痛を悪化させる可能性があります。次のような食べ物は体温を下げたり、痛みが現れやすくなったりするので、量を減らすなどしてなるべく控えるようにしましょう。
・ケーキやお菓子など、白砂糖を使っている食べ物
・脂肪の多い肉類
・冷製スープなどの冷たい食べ物
季節ごとの体を冷やす食べ物
季節ごとの旬の食べ物の中には体を冷やす作用を持つものもあります。生理痛がひどい場合は次のような食べ物を控えましょう。
春 | グリーンアスパラ、せり、ぜんまい、たけのこ、いちご、アサリなど |
夏 | 枝豆、オクラ、きゅうり、ゴーヤ、トマト、なす、シジミなど |
秋 | 梨、柿、アサリなど |
冬 | ごぼう、だいこん、れんこん、キウイ、みかん、シジミ、カキ、タコなど |
生理痛に悪影響がある飲み物
カフェインなど体温を下げやすい成分を含んでいる飲み物は、摂りすぎないよう注意しましょう。
・コーヒー
・日本茶
・紅茶
・アルコール
大事なのは栄養バランス
生理痛を和らげるために、何より大事なのは栄養バランスを整えることです。生理痛に悪影響がある食べ物でも、まったく摂らないようにすれば良いというわけではありません。
体温を下げやすい食品より、体温を上げやすい食品を多めに摂るなど、栄養バランスと体温の調節に気を使った食生活を心がけましょう。
また、甘いものが好きな方は無理にケーキ・お菓子などを我慢すると、かえってストレスとなり生理痛を促してしまう可能性があります。好きなものは無理に我慢せず適度に食べるなど、ストレスを減らしたり溜めないようにすることも大切です。
すぐに改善したい場合は市販薬も検討を
つらい生理痛をすぐにでも和らげたい場合は、市販薬の活用も大切です。近年では生理痛専門に開発された市販薬も販売されています。
市販薬について詳しくは関連記事をごらんください。
おわりに
生理痛は程度や現れる部位など、人によって症状が違ってきます。
すべての人に必ず効果がある食べ物・飲み物はないので、自分の体質や症状に合わせた食品を見つけていきましょう。