不妊症の原因や薬など悩みをセルフチェック

2018年10月19日

不妊症の原因・対処・お薬・疑われる病気を解説します。分からないことがあれば薬剤師に相談することができます。

不妊症の症状

妊娠を望む健康な男女が避妊をせずに性交をしているにもかかわらず、一定の期間妊娠しない場合、不妊としています。日本産科婦人科学会では、一定の期間について、1年が一般的である、と定義しています。

生活の中で考えられる原因

不妊症には、女性に原因がある・男性に原因がある・男女両方に原因がある・男女ともにはっきりとした原因がないなど、いくつか原因が考えられます。

ストレス

ストレスがあると月経不順を招いたり、生殖ホルモンの卵胞ホルモンや黄体ホルモンの分泌にも影響したり、自律神経が乱れて不妊の原因となる恐れがあります。

内分泌・排卵因子は、ホルモンが正常に作用していないと、排卵機能がうまく働かなくなります。仕事や妊娠に関するプレッシャーのほか、体重減少や肥満、冷えなども影響します。

基礎体温が安定しない

基礎体温が安定しない場合、質の良い卵子の生育や、着床後の受精卵の育成に影響を及ぼす可能性があります。

なかでも黄体機能不全という黄体ホルモン(プロゲステロン)の値が低い状態では、着床のための準備ができない状態がみられることがあります。

女性の加齢

生物学的には、妊娠・分娩に最適な年齢は20歳代、遅くとも35歳までと考えられています。30歳を過ぎると自然妊娠の可能性は低下していき、35歳前後から急激に低下します。

卵子の元である卵母細胞の数は、まだ母体内にいる5か月頃に約700万個作られ、出生時には約200万個、思春期頃には約30万個まで減少し、37歳頃を過ぎると急速に減少します。

卵母細胞は新しく作られることはないため、排卵される卵子は年数を経た古い卵子です。妊娠には卵子の数だけではなく質も重要で、年齢とともに卵子の質も低下していくとされています。

また加齢にともなって、卵子の染色体に異常が起こることも原因としてあげられます。

男性の加齢

加齢が不妊の原因になるのは、女性だけではなく男性も同じです。精子機能は35歳から急速に低下がみられ、細胞や精子の数の減少、DNAが損傷した精子の増加がみられます。

DNAが損傷した精子は、着床率を下げ、流産率を高めることが判明しています。また、自閉症や統合失調症などの胎児への影響も考えらえます。

女性要因

卵管のつまりなどの異常、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮内膜ポリープなどの疾患、子宮の奇形、精子に対する抗体が作られてしまうなどの原因があります。

男性要因

精巣で作られた精子が射出されるまでの仕組みの中になんらかの障害が起こることで男性不妊の原因となります。精子を作る機能、精子の通過経路、性機能の障害や内性器の炎症などが考えられます。

不妊症の対処法

ストレスを緩和させる

規則正しい生活や食生活の改善、睡眠の質を見直しましょう。生活リズムが乱れると自律神経の乱れにつながります。不規則な生活を改め、食事や就寝・起床の時間を一定に保つようにしましょう。

冷えを改善する

入浴や軽い運動を習慣化して冷えを改善します。とくに就寝前のストレッチは、血行が良くなって体温が上がるほか、質の良い睡眠にもつながります。また、体を温める食べ物や飲み物の摂取も大切です。

不妊検査を行う

特に30歳を超えて妊娠を望むときは、まずは男女ともに検査を受けましょう。不妊になる可能性のある原因をあらかじめ調べて対処することが大切です。

ホルモン検査(血液検査):月経5日以内に行い、黄体化ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)、卵胞ホルモン(エストロゲン)、プロラクチンの値を調べます。

子宮卵管造影検査:月経7~11日ころに行い、卵管のつまりや狭さを調べます。

超音波検査・尿検査:月経13〜14日の排卵日前後に、卵胞の大きさや子宮内膜の厚さ、排卵が行われるかを調べます。

フーナーテスト:月経13〜14日の排卵日前後に、性交後の子宮頸管粘液の中にある精子の状態を確認します。

ホルモン検査:月経21日ごろに、黄体ホルモン(プロゲステロン)の値を調べます。

その他、クラミジア、男性ホルモンのひとつであるテストステロン、卵巣がん、甲状腺ホルモン、AMH、抗精子抗体などの検査を受けることも可能です。

不妊治療を行う

タイミング治療:性交を妊娠の確率が高い排卵期に合わせるために、卵胞の大きさを確認し、排卵日を特定します。

人工授精(AIH):採取した精子を調整し、濃縮した精子を子宮内に注入します。

体外受精(IVF):タイミング治療や人工授精を何度もチャレンジしても結果が得られない場合や、卵管のつまり、精子の数が少ないなど、体内受精が難しい場合に行われます。卵子と精子を採取し受精させ、培養して胚盤胞まで成長したら子宮内に戻します。

顕微受精(ICSI):体外受精では受精しにくい卵子や精子の場合に適応となります。卵子1個の中に、顕微鏡下で精子1個を直接注入し、受精させ、培養して胚盤胞まで成長させ、子宮内に戻す方法です。

薬の使用

自宅で行えるタイミング療法として、基礎体温と排卵検査薬を併用する方法があります。排卵検査薬は妊娠しやすい排卵日前日を特定することが可能です。排卵前に急激に増加する尿中のLH(黄体化ホルモン)の分泌で診断します。

病院でタイミング療法などの治療を行う場合、卵胞を成長させ、卵巣に刺激を与えて排卵を起こすために、排卵誘発剤であるクロミフェンや、卵胞を刺激するホルモンのゴナドトロピン製剤を使用します。ただし、不妊の原因を治療するものではないため、不妊症が改善するわけではありません。

不妊症に使われるお薬の総合情報

薬剤師に相談する

疑問に思ったことは薬剤師に相談してみましょう。