子供が便秘になる原因

子供の便秘は悪循環を繰り返すことが多く、便がたまる→排便を我慢する→便が硬くなる→ 排便時に痛みを感じる→排便を我慢する→ ますます便が硬くなるといった状況に陥りがちです。

自分の意志で便を我慢できるようになるのは1~2歳くらいといわれており、年長になると排便の必要性を理解できるため、2~5歳の子供は特にこの悪循環を起こしやすくなっています。

子供に次のような様子がみられたら、便秘のおそれがあります。

・お腹の張り
・排便が苦しそう
・食欲がない
・コロコロした便しか出ない
・5~6日に1回しか出ていない
・排便時に痛がる
・肛門が切れて出血している

子供の便秘は、次のような原因が考えられます。

母乳が不足している

授乳中の赤ちゃんが便秘になる原因として、母乳不足があげられます。

母乳は飲ませた量を把握しづらいため、飲ませる母乳の量が足りずに便秘を引き起こすことがあります。

おっぱいが張っていない・赤ちゃんがなかなか乳首を離さない・授乳後すぐにおっぱいを欲しがって泣くなどの兆候があると、母乳が足りていないおそれがあります。そのような場合は、ミルクを足すことなども考えてみましょう。

母乳が不足していないか調べるには、授乳前後に赤ちゃんの体重をはかってみたり、1~2週間ごとに体重の増加をみてみましょう。

また、粉ミルクは母乳よりオリゴ糖の含有量が少なくなっています。オリゴ糖は腸内の善玉菌を増やす働きがあるため、粉ミルクを飲ませている赤ちゃんは、母乳を飲ませている赤ちゃんより便秘になりやすいと考えられます。

粉ミルクの種類によって組成が多少異なるため、メーカーを変えてみることも便秘解消のひとつの手段といえます。

栄養バランスの偏り

食物繊維・乳酸菌などの栄養が食事から摂取できていないことで、便秘を引き起こすことがあります。

食物繊維は便の量を増やして排便リズムを回復させたり、有害な物質を吸着する働きがあります。

また、乳酸菌は、便秘の原因となる悪玉菌が増えるのを防ぐ働きや、腸のぜん動運動をうながしたりして腸内環境を整える働きがあります。

水分の不足

水分不足による便秘は、特に離乳食をはじめてすぐに起こりやすくなります。

これまで母乳やミルクから摂取していた分の水分が、離乳食に変わることで減少し、便の水分量が落ちて便秘になることがあります。

トイレトレーニングがうまくいかない

トイレで用が足せるようにするための練習中は、なかなかうまくいかなかったり、お漏らしなどの失敗は付きものです。

その時に子供を叱ってしまうと、叱られないようにトイレを我慢してしまうことで便秘の原因となることがあります。

便を我慢すると便が硬くなり排便しづらくなってしまうため、便秘の悪循環を引き起こします。

家の外でトイレを我慢している

幼稚園・保育園や小学校などの集団生活がはじまると、トイレに行きづらいと感じるようになり、便秘になることがあります。

家の外でトイレを我慢するようになると、家でも自然に排便できなくなってしまうケースがみられます。

子供の便秘を解消するための対処法

赤ちゃんの便秘の解消法には、次のようなものがあります。

たっぷりの水分を与える

赤ちゃんは母乳やミルクの量が足りていないとすぐに便秘を起こします。

特に母乳の場合は飲ませた量が分かりにくく、十分な量を飲んでいないこともあるため注意が必要です。

また、赤ちゃんや子供は汗っかきのため、夏でも冬でも脱水症をおこしやすくなります。こまめに水分補給を行ってください。

水分不足は便が硬くなり、便秘の原因になります。

特に離乳食が始まる5か月頃は、離乳食の他に麦茶やかんきつ類などの果汁を3倍くらいにうすめてこまめに与えましょう。

便秘に効果的な食べ物を摂取する

便秘は、日頃の食事のバランスも大きく関わっています。

便の潤滑作用や腸の活動をうながす食物繊維、善玉菌のエサとなり腸の活動を活発にさせるオリゴ糖、乳酸菌を多く含む発酵食品などを摂取するよう意識しましょう。

これらの栄養を含んだ便秘に効く食べ物について、詳しくは関連記事をごらんください。

お尻を清潔にする

おむつかぶれなどで肛門付近に痛みがあったり、切れ痔になったりすると、痛みを避けるためにうんちを我慢するようになります。おしり周りの痛みで赤ちゃんが便を我慢しないよう、お尻は清潔に保ち、ケアをきちんとしてあげましょう。

また、お風呂やおむつ替えのときに、赤ちゃんが不意にうんちをしてしまうことがありますが、その時に不機嫌な顔をしたり叱ったりしないようにしましょう。

顔色や声色は赤ちゃんに伝わっているため、委縮してストレスになると便秘につながります。

体を動かす

赤ちゃんでも便秘の予防と解消には適度な運動が大切です。

手足を動かしてあげたり、ハイハイや伝い歩きなど、​たっぷり遊んで胃腸を活発に動かしてあげましょう。

朝ご飯を食べさせる

子供の便秘は、朝ごはんを食べない子に多くみられます。

便は朝がもっとも出やすく、朝ごはんを食べることで腸が動き始めますが、夜更かしなどで朝ご飯を食べられず、朝も慌ただしいと、せっかくの排便のチャンスを失います。

夕食は決まった時間に取り、夜食は避けるようして、子供には3食きちんと食べさせましょう。

排便習慣をつける

毎日必ずトイレに行く習慣をつけさせることが大切です。朝食後から、登園・登校までに、30分程度のゆとりを持つようにしましょう。

トイレトレーニングが上手くいかない場合も決して叱らず、一時中断し、便秘症が治ってから無理なくはじめましょう。

また、幼稚園・保育園・学校ではトイレを我慢することが便秘の重症化を招くことがあります。

「学校でトイレに行くことは恥ずかしいことではない」と教え、トイレに行く習慣をつけることが大切です。

運動習慣をつける

運動は便秘に解消は大切ですが、子供の場合は特別な筋トレなどではなく、元気に外で遊ぶことで自然に腸の動きも活発になります。

長時間のゲームなどによる慢性的な運動不足・筋力不足は、便を出す力も弱まります。

また体を動かさないと、食も細くなり、寝つきも悪くなります。

朝からしっかりと排便習慣を作る為には早寝早起きが大切です。かといって決まった時間に無理に寝かしつけるのではなく、自然に眠くなるようにするために、日中に身体を動かすことが必要です。

日常の排便の様子をチェックする

幼稚園・保育園や学校に通っている子供には、家以外でどのようなうんちをしているのかをこまめにチェックしてあげましょう。

日々次のような項目をチェックし、便秘日記として記録すると良いでしょう。

■お腹が張っていないか
■最低2~3日に1回は便が出ているか
■何時に排便ををしたか
■コロコロした便が続いていないか
■便失禁がないか

併せて、子供にはうんちを我慢しないことと、出ないときには正直に言うことを伝えましょう。日頃からコミュニケーションを取り、便秘を見逃さないことが大切です。

即効性のある便秘解消法はある?

乳酸菌などの摂取や運動は便秘に効果的ですが、即効性はありません。子供の便秘を即効で解消したい場合は、下剤の服用や浣腸をおすすめします。

下剤は市販での取り扱いがないため病院を受診する必要がありますが、浣腸は市販でも取り扱われています。また、綿棒での浣腸も効果的です。

市販の浣腸薬

イチジク浣腸10

4か月〜5歳まで使用できる浣腸です。生後3か月未満の赤ちゃんに使用する際は必ず医師の診断後に使用しましょう。

また、3か月〜1歳未満の赤ちゃんに使用する場合も、医師・薬剤師または登録販売者に相談の上使用してください。

使用後しばらくは肛門をおさえ、薬剤が排出されないようにしましょう。

イチジク浣腸20

6歳〜12歳まで使用できる浣腸です。使用後しばらくは便意が強まるまで排便を我慢させましょう。

綿棒での浣腸のやり方

生後半年くらいまでの赤ちゃんには、綿棒による浣腸も効果的です。市販のイチジク浣腸を使用する前に試してみることをおすすめします。いきなり便が出ることがあるため、おむつや新聞紙でカバーするか、入浴時に行いましょう。

【綿棒浣腸の手順】

1.綿棒の先にオリーブオイルやベビーオイルをたっぷり染み込ませる
2.肛門に綿棒の先1.5〜2cmほど差し入れる
3.棒の部分でお尻の穴を広げるようにして回す

綿棒をさした際に激しく痛がったり、便が黒いまたは血便の場合は、診療時間外でも急いで受診しましょう。

子供の便秘に使用できる薬は?

子供が便秘になったときに使用できる市販薬には、以下のようなものがあります。日常生活の改善にあわせて、便秘薬を有効的に使用するのも良いでしょう。

和光堂マルツエキス

0〜3歳まで服用できる水飴状の薬です。1日1〜3回服用します。麦芽糖によるゆるやかな発酵作用が腸の運動を活発にし、やさしく排便をうながします。

新ウィズワン

3歳から服用できる粉薬タイプの便秘薬です。1日1〜3回服用します。チョコレート風味で薬嫌いの子供も飲みやすくなっています。食物繊維と生薬でやさしく排便をうながします。

おわりに

便秘は、生活習慣が大きく影響する症状の一つです。

近年、子供に便秘症が増えている背景には、食事が和食から欧米食になった・外での遊びがゲームに変わったなど生活様式が大きく変わったことがあげられます。

大人も同様ですが、基本的な食事・運動・睡眠・心のバランスが崩れやすくなっているため、子供の生活習慣を見直す時間を取ることも大切です。