爪水虫の原因と症状|治療薬と治療方法も解説

爪が厚くなったり変形したりする爪水虫の原因と症状について徹底解説。爪水虫は市販薬で治療ができるかどうかについても解説します。また、爪水虫にかかってしまったときの治療方法と、内服薬や外用薬などの具体的な治療薬を紹介します。爪水虫にかからないための予防法についても簡単に説明します。

爪水虫は誰にでも感染の可能性がある感染症です。

日本皮膚科学会によると爪水虫の患者数は日本人の約10人に1人という報告があり、年齢が上がるにしたがってよくみられるようになる病気です。

爪水虫は痛みやかゆみなどの自覚症状はほとんどありません。しかし、放っておくと他の部位にも感染させたり、身近な人にもうつしたりしてしまう厄介な病気です。

この記事では、爪水虫の原因や症状、治療について徹底解説します。

爪水虫の原因

爪水虫は「爪白癬(つめはくせん)」ともいい、白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が爪の中に入りこみ感染することで発症する病気です。

爪の中は水分が多くて軟らかい上に、白癬菌が餌とする「ケラチン」というたんぱく質を多く含んでいるため、白癬菌が増殖しやすい環境です。

爪水虫のほとんどは足水虫を放置することで、足水虫の白癬菌が爪にうつることによって発症します。

また、温泉・銭湯・サウナ・プール・スポーツジムなどの不特定多数の人が裸足で集まる場所で、水虫にかかった人の剥がれ落ちた皮膚を踏むことによってうつることもあります。

柔道などの格闘技をやっている人も、練習や試合を介して白癬菌が感染することがあります。

爪水虫の症状

足の水虫の代表的な症状は痛みやかゆみですが、爪水虫の特徴はかゆみや痛みの症状がほとんど現れないことです。

また、爪水虫は足水虫に比べると治りにくいことも特徴の一つです。

爪水虫の初期症状

爪水虫の初期段階では、爪に次のような外見の変化がみられます。

・爪が厚くなる
・爪の表面に黄白色~黄褐色のにごりがある
・爪の表面がボロボロになり、白い筋のようなものが確認できる
・爪のまわりに炎症が起こる

始めは1カ所の爪だけに症状が現れますが、徐々に他の爪にも感染が広がっていきます。

爪水虫を放置するとどうなる?

爪水虫は痛みやかゆみなどの症状がほとんど現れないため、そのまま放っておく方も少なくありません。

しかし、爪水虫を放っておくと爪の周りの炎症が悪化し痛みを感じるようになり、爪が変形することもあります。

爪が分厚くなることによって靴にあたって痛くなったり、歩きにくくなったりすることもあります。

また、爪水虫を放置しておくと他の爪にも水虫がうつるだけでなく、足や手など体の他の部位にも水虫が感染したり、他の人にうつしたりしてしまうおそれも大きくなるので注意が必要です。

爪が臭いのは爪水虫?

白癬菌自体はにおいを発生させる菌ではないため、水虫が直接臭いの原因にはなることはありません。

爪が臭い場合は、ほとんどが水虫によるものではなく爪の間に入った雑菌や垢が原因です。

特に足は靴下や靴を履くことで蒸れやすく、雑菌が繁殖しやすい環境になっているため、爪の間に雑菌が溜まってにおいが発生することがあります。

爪がにおうからといって爪水虫を疑う必要はありません。

爪水虫は市販薬で治療できない?

爪水虫は、放っておいて自然治癒することはありません。

また、爪水虫は白癬菌が爪の奥深くまで侵食して発症しているため、市販の外用薬での治療が困難です。

爪水虫が疑われたら内服薬である抗真菌薬の使用が必要になるので、市販薬を使用したり放置したりせずに皮膚科を受診しましょう。

爪以外の足にできた水虫の場合には、市販の水虫薬を使用して治療することも可能です。水虫の市販薬については、関連記事をごらんください。

爪水虫の治療方法と治療薬

病院での爪水虫の治療は薬物治療を中心に行われます。

薬で白癬菌の活動をおさえ、白癬菌が感染していない新しい爪に生え変わるのを待ちます。

なお、爪が生え変わる期間には個人差があり、完治するまでは6か月から1年半程度かかります。

爪水虫の治療に使われる薬の種類には飲み薬と塗り薬があり、病院では次のような薬が処方されます。

飲み薬

現在、爪水虫の治療に使用される飲み薬は「ラミシール」と「イトリゾール」の2種類です。

◼︎ラミシール

ラミシールは効果が高いのが特徴で、爪水虫の治療でもっともよく使われる薬です。

ただし、ラミシールはごくまれに肝機能障害や血球減少などの重篤な副作用をおこすことがあるため、治療前と治療開始後2か月は月1回の定期的な血液検査が必要です。

ラミシールは錠剤タイプで、1日1回6か月以上の服用が必要です。

◼︎イトリゾール

イトリゾールは、ラミシールに比べて副作用の少ない薬です。

しかしながら、飲み合わせの悪い薬が非常に多いため、使用する際には細心の注意を払う必要があります。

イトリゾールによる治療では、薬を服用する期間と服用しない期間を周期的に繰り返す「パルス療法」という治療法が取られます。

薬の形状はカプセルタイプで、1日2回を1週間服用したあと3週間休薬するというサイクルを合計3回繰り返します。

治療期間は3か月程度で、ラミシールよりイトリゾールの方が短くなります。

塗り薬

爪水虫の白癬菌は爪の奥深くに潜んでいて、薬の効果を爪の奥まで届かせるのが難しく、今までは爪水虫に対して有効な治療薬がありませんでした。

しかし、近年になって爪の奥まで効果が届く「クレナフィン」と「ルコナック」という2種類の塗り薬が発売されました。

塗り薬は飲み薬よりは効果が劣る一方、飲み薬のような体への負担がないのが特徴です。

◼︎クレナフィン

従来の爪水虫の塗り薬は、爪自体にほとんどの成分が吸着されてしまい、白癬菌がいる部分まで効果が届きませんでした。

クレナフィンは爪への薬の吸着率が低く、成分が爪の奥まで届いて効果を発揮します。

ハケと一体型のボトルなので手を汚さずに使用できます。

◼︎ルコナック

ルコナックは皮膚の水虫に使われている「ルリコナゾール」を有効成分とした薬です。

爪に薬を浸透させるために、皮膚用の薬と比べると濃度が5倍になっているのが特徴です。

薬を使用する際の注意点

症状がなくなったからといって、自己判断で薬の使用を中止するのはやめましょう。

水虫の薬は原因である白癬菌が完全にいなくなるまで使い続ける必要があり、白癬菌が完全に死滅していない場合は症状が再発してしまいます。

薬の使用期間については医師の指示に必ずしたがいましょう。

治療に加えて自分でできる対処法

薬で治療中も爪に感染している白癬菌を増やさないようにすることが大切です。

白癬菌は温かくて湿度の高い場所を好むので、靴と靴下は通気性のよいものを選びましょう。

また、爪を清潔に保つために、毎日お風呂に入って洗うようにしましょう。

爪水虫の予防法

爪水虫は感染すると治療に長期間を要するため、感染を予防することが大切です。

水虫の予防法の一つとしては、足を清潔にしてよく乾燥させることがあげられます。

白癬菌は付着しただけですぐに発症するわけではなく、発症するまで約24時間かかるため、毎日足をしっかりと洗うことが有効な予防法となります。

白癬菌は湿った場所を好むので、入浴後はバスマットやタオルで足の水分をしっかり拭きとるとともに、一度使用したバスマットやタオルは洗濯するように心がけましょう。

また、毎日同じ靴を履かないことも水虫の予防が期待できます。

靴や靴下は通気性のあるものを選び、靴を長時間履き続けることは避けましょう。毎日同じ靴を履き続けるのではなく、何足かでローテーションさせると良いでしょう。

詳しい水虫の予防法については関連記事をごらんください。

おわりに

爪水虫は痛みやかゆみなどの自覚症状がないために放置されやすい病気です。

しかし、症状が進行すると完治にも時間がかかってしまう上に、他の人にうつりやすくなってしまいます。

爪水虫の症状が疑われるときは、一度皮膚科を受診して適切な治療を受けましょう。

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