水虫は、白癬菌(はくせんきん)というカビの一種に感染することで起こる皮膚の病気です。

水虫といえば、足の皮がむける、指の間がグジュグジュ化膿する、足の裏やかかとの角質が厚くなるといった足の症状を思い浮かべる方が多いかもしれません。

しかし、白癬菌は手や指、爪などの他の皮膚にも感染します。

この記事では、手や指に白癬菌が感染する手水虫について、症状や原因などを解説します。

手水虫の症状は?

手水虫は正式には「手白癬(てはくせん)」と呼び、足の水虫と同じような症状が現れます。

主な症状には、手のひらの表面が硬くなる・ガサガサと乾燥する・乾燥してむけた皮膚がポロポロと落ちるなどがあり、一見すると手荒れや手湿疹と誤った判断をしてしまいやすい症状です。

かゆみがでるかどうかは個人差がありますが、ほとんどの場合はかゆくなりません。

手水虫は手のひらだけ

角層の厚い手のひらに水虫の症状が現れると手水虫と診断されます。

手水虫と同じ白癬菌が原因となっていても、手の甲に水虫の症状が現れた場合は手水虫ではなく、体の皮膚に現れる水虫の「体部白癬」と診断されます。

手の爪に水虫が感染する場合は、手水虫ではなく「爪白癬(つめはくせん)」といいます。

爪白癬は、足の爪と手の爪にそれぞれ現れる症状に違いはなく、爪が白くにごる・爪が分厚くなるといった症状が現れます。

手水虫と似た症状の病気

手水虫は足や爪と比べて、見た目だけでは手水虫だと判断できない他の似たような症状が現れやすい部位であるため、医師でも診断が難しい病気です。

手水虫と間違えやすい手のひらの病気は、次のようなものがあります。

病名 症状
爪甲剥離症(そうこうはくりしょう) 爪が白くなる・爪の剥がれなど
汗疱(かんぽう) 水ぶくれ・皮がむける・痛み・かゆみ・指先が割れるなど
手荒れ・手湿疹 水ぶくれ・びらん・カサカサする・皮膚が硬くなる・ひび割れなど
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう) 手のひらに膿の水ぶくれ・かゆみ・角質の剥がれ・関節の痛みなど

確実に手水虫だと判断するためには病院で検査が必要なので、手水虫の症状が疑われる場合は一度病院を受診しましょう。

手・指に水虫ができる原因

手水虫の原因のほとんどは、自分の足や他の部位で発症している水虫からの感染です。

もともと足や他の部位で水虫に感染している人が、水虫がいる足や体をかいてしまい、手や指にも白癬菌を感染させてしまうために発症します。

多くの場合は片手だけに感染して症状が見られるということも手水虫の特徴です。

また、手水虫に感染した人は、すでに足水虫に感染している割合が高いという特徴もあります。

白癬菌が原因の全水虫の中で手水虫は1%程ですが、足水虫を発症している人の約5%は手水虫にも感染していると考えられています。

手水虫に効くおすすめの市販薬

手水虫の症状が重い場合には医師の治療を受ける必要がありますが、症状が軽い場合は自分で改善できることがあります。

手水虫の症状を自分で予防・改善したい場合は、市販薬を使用することも有効です。

手水虫の症状を改善できる、ミナカラ薬剤師おすすめの市販薬には次のようなものがあります。

ダマリングランデX液

白癬菌を殺菌するテルビナフィン塩酸塩に、患部を殺菌・消毒するイソプロピルメチルフェノール、かゆみ・痛みを鎮めるリドカイン、炎症を改善するグリチルレチン酸、清涼感を与えるl-メントールの5種類の有効成分を配合しています。

成分が浸透しやすい液剤で、カサカサした患部におすすめです。

指の間など細かいところにも塗りやすいボトル設計になっています。傷ができている場所は染みるので使用を控えましょう。

ラミシールATクリーム

ラミシールATクリームは、殺真菌成分のテルビナフィン塩酸塩のみが配合されたシンプルなの薬です。

クリームタイプの薬はどの種類の水虫にも使用することができます。軟膏に比べて、べとつきが少ないのが特徴です。

皮膚を保護する働きと使用感のバランスが良く、成分をすりこむことで浸透させることができます。

なお、水虫の治療をする場合は外用薬を使用するだけでなく、患部を清潔に保つことも意識しておきましょう。

また、外用薬を塗るときは症状の現れている部位だけでなく、症状のない周辺まで広めに塗りましょう。

薬を使用して1~2週間経っても症状が改善しなかったり、悪化したりする場合は、他の病気であるおそれがあるので病院を受診しましょう。

水虫薬の選び方については関連記事をごらんください。

手水虫が疑われる場合は病院へ

症状の判断が難しい手水虫は、皮膚科で医師の診断を受けることがとても重要です。

手荒れや湿疹のような症状に対して、ハンドクリームや市販薬などを使用してもなかなか症状が改善されない場合は、水虫の疑いがあるので早めに病院を受診してください。

また、ステロイドの入った軟膏などは水虫の原因である白癬菌をより活発にする作用があるため、手水虫に使用しても症状は改善されず、場合によってはひどくなることも考えられます。

手水虫と診断された場合は、手水虫用の塗り薬を処方されることが一般的ですが、仕事や日常生活の状況によっては内服薬での治療を選択されることもあります。

まずは白癬菌が原因の手水虫なのか違う症状なのかの検査を受けて診断してもらいましょう。

おわりに

手水虫はすでに水虫である自分の皮膚から感染する原因が多い病気です。足や体に水虫の症状があり手のひらが荒れてきた場合は、すみやかに皮膚科を受診することをおすすめします。

まれに足や爪に水虫がなく、自分以外から白癬菌に感染して手水虫を発症することもあります。

普段とは違う手のひらの症状を自覚した場合には、皮膚科を受診し適切な治療をおこなってください。

なお、病院を受診する際は、市販の水虫薬を付けていると正確な診断ができなくなるので、受診の1週間程前には塗り薬の使用を中止しておきましょう。