いんきんたむしとは?
いんきんたむしとは、白癬菌(はくせんきん)という真菌(カビの一種)による感染症の一種です。
白癬菌が皮膚に感染し、股部分に白癬菌が感染したものが「股部白癬」であり、一般に「いんきんたむし」と呼んでいます。
ちなみに、白癬菌が足に感染したものが「足白癬」であり、一般には「水虫」と呼ばれています。
いんきんたむしは10代後半から20代の男性に多く、強いかゆみがでることと、水虫も併発している方が多いのが特徴です。
感染経路は、多くの人が使用する大衆浴場、スポーツジム、プール、トイレなどや、家族に白癬菌感染者がいる場合は、バスマットやイスなどから感染する場合もあります。
初めて症状が出た場合は、自己判断せずに病院で検査を受けることをおすすめしますが、病院に行く時間がない場合は、市販でもいんきんたむしのお薬は購入できます。
いんきんたむしの原因菌に強力に効く成分
いんきんたむしと水虫は同じ白癬菌による感染症の一種です。そのため、いんきんたむしの治療の際、水虫の薬を使用します。
病院からの処方される薬では飲み薬(内服薬)のタイプの抗真菌薬だけでなく塗り薬などの外用薬が出されますが、市販薬には飲み薬(内服薬)はなく、塗り薬のみになります。
市販薬になっている真菌を殺す成分(抗真菌薬)にはラノコナゾール、ブテナフィン、テルビナフィンといったものがあります。
この白癬菌に効果がある市販薬成分の中でも最も強力な成分「ラノコナゾール」がおすすめです。
ブテナフィン、テルビナフィンもいんきんたむしの治療に十分な効果がありますが、ラノコナゾールは白癬菌の育成阻止力を示すMIC(最小育成阻止濃度)という数値が他の成分より効果が高い結果となっています。
いんきんたむしの症状別、ラノコナゾール配合市販薬の選び方
こちらでは白癬菌の殺菌力が強い「ラノコナゾール」を含む市販薬を紹介します。
ラノコナゾールを含む市販薬は現状ピロエースZシリーズのみとなっており、ラノコナゾールのほか、炎症止め、かゆみ止め、メントール、局所麻酔成分などが配合されています。
ピロエースZシリーズにはクリームタイプと軟膏タイプがあり、使用感が異なります。クリーム剤は塗りやすく伸びがよく、軟膏はジュクジュクタイプの症状にも適しています。
また、ピロエースZなどのラノコナゾールの市販薬を2週間程度使用しても効果を感じられない場合は、一度皮膚科や泌尿器科にご相談ください。
ラノコナゾール以外のお薬については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
塗りやすく伸びの良い「クリーム剤」
クリーム剤は軟膏と比べるとサラサラしていて塗りやすく伸びが良く、衣服や下着へのべたつきも軟膏より気になりにくいという特徴があります。
ジュクジュクするような症状にも適した「軟膏剤」
いんきんたむしでキズ、きれつがある場合は注意が必要です。しみそうなキズがある場合に刺激の強いクリーム剤や液剤を使うと症状が悪化する恐れがあるため軟膏剤がおすすめです。また、メントールも患部を刺激するためメントールが入っていないものを選ぶようにしましょう。
ピロエースZの使用のタイミング
いんきんたむしの場合は、患部を清潔にしてから塗ることをおすすめします。たとえば入浴後、汗が引き乾燥してから塗ると効果的です。
ピロエースZの使用期間の目安
市販薬の場合は2週間使用しても改善が見込めない場合や悪化した場合は、皮膚科を受診するようにしてください。
市販薬でいんきんたむしが改善されて、完全に治療されたと思われた場合でも再発防止のために約1ヶ月は使用を続けるようにしてください。
目安を1ヶ月とするのは、皮膚が生まれかわるターンオーバーが28日間ほどであるため、症状が良くなっても古い皮膚に白癬菌が残っていて再発してしまうのを防ぐためです。
こんな方は病院に受診しましょう
小児
小児は皮膚の浸透性が高いので市販薬を使用しないで、病院を受診することをおすすめします。
妊婦の場合
妊娠中もしくは妊娠をしている可能性にある方は、市販薬を使用せずに、病院を受診するようにしましょう。処方せん薬のラコナゾール軟膏では、妊婦への使用経験が少ないため、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ使用と注意喚起が記載されているため、医師の診断の元、使用することをおすすめいたします。
授乳中
市販で販売されている塗り薬に関しては、特に注意は出ていません。授乳中であっても使用することができます。
他にこのような方は注意
ステロイドを内服している方や糖尿病のある方は十分な効果が得られないことがあるので、病院での治療をおすすめします。
市販薬の漢方薬は真菌薬とセットで補助的に使うのがおすすめ
症状が強い場合は漢方の飲み薬を併用
水虫に適応のある漢方薬は、いんきんたむしにも効果が期待できます。
漢方薬には直接白癬菌を殺す作用はないので、あくまでピロエースなど白癬菌を殺す薬とセットで補助用に使うということをおすすめします。
ツムラ漢方十味敗毒湯エキス顆粒
体力中等度な人で、発赤があり、ジュクジュクするような症状の方に適しています。
こちらの商品以外の十味敗毒湯はこちら → <十味敗毒湯の一覧>
症状別の効果的なセット
ミナカラ薬局ではピロエースなどのいんきんたむし・水虫の原因菌を殺す薬と、水虫に効果が期待されており体質改善する漢方薬のセットも販売しています。
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<赤み・じゅくじゅくがひどい方へ> 十味敗毒湯・ピロエースZ軟膏セット |
おわりに
これから夏を迎え湿気の多く、汗ばむ季節となり、いんきんたむしが発生しやすくなります。いんきんたむしは、市販薬でも治療できますが、通気性の良い下着にしてみたり、石鹸で洗うなど患部を清潔に保つことも大切です。また、家族への感染を防ぐためにもタオルやスリッパなどを共有しないように心がけてください。
市販薬を2週間以上使用しても改善されない場合や、いんきんたむしであるか他の病気なのか分からない場合は場合は病院を受診するようにしましょう。