脳梗塞(脳卒中)は、がん・心臓病に次ぎ日本女性の死因の3位(2013年・男女合計では肺炎に次ぎ4位)となっています。
男女ともに発生する脳卒中ですが、「脳卒中は男性の病気、自分は心配ない」と思い込んでいる女性も多く、女性特有のリスクファクターや男性には見られない女性特有の症状もあることは、意外と知られていないようです。

胸痛を伴う「しゃっくり」は女性にのみ見られる脳卒中の初期症状です

オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターが行った1000人のアメリカ人女性を対象としたアンケート調査によると、妊娠や全身性エリテマトーデス(女性に多く発生する自己免疫疾患の一種)、片頭痛、経口避妊薬、更年期障害のホルモン補充療法などが、脳卒中の女性特有のリスクファクターとなることを知っていたのは、回答者のうち11%のみだったとのこと。

また、胸部の痛みをともなう「しゃっくり」が脳卒中の初期症状の場合もあると認識していた女性はわずか10%でした。
ほかに、男性の脳卒中の際にはあまり見られない女性特有の症状としては、

  • めまい
  • 頭痛
  • 胸痛
  • 全身のしびれ・無感覚(体の片側に特に強く出る)

などが挙げられます。

血栓をとかす薬剤による治療は発症から数時間以内に行う必要があるため、脳卒中の症状を認識し素早く医療機関を受診することは、後遺症などをできるだけ軽くするためにも非常に重要です。
しかし、オハイオ州立大学の神経学者Diana Greene-Chandos博士によると、しゃっくりと胸の痛みのために心臓病や消化不良を疑い、脳卒中の症状だと気づかない女性もいるそうです。

「女性は、自分が脳卒中になるとは思いません。男性の病気だと思っているのです」とGreene-Chandos博士。
「卒中が起きている最中に異常に気付き、それが脳梗塞だと認識し、救急処置室へ行き薬剤投与を受けなければいけません。
症状を無視したり、時間がたてばよくなると期待する女性は、救急処置を受けるチャンスを逃してしまいます」

喫煙・高血圧など男女共通のリスクファクターのほかに、女性特有のリスクも多数

喫煙や運動不足、高血圧(140/90以上)やコレステロール値などは男女で共通して脳梗塞のリスクを高めますが、妊娠や経口避妊薬の使用など、女性特有のリスクもあることを認識していない女性も多いようです。

Greene-Chandos博士は「妊娠は女性の脳卒中リスクを高めます。特に妊娠後期と、出産直後にです」と語っています。
高血圧の女性の妊娠時には、降圧剤の使用や妊娠11週目ごろからアスピリンを服用するといった予防法も行われているとのこと。

後遺症としてうつになる女性も多数、脳梗塞後の回復を妨げる

今回の調査では、半数近くの女性が、脳卒中後の女性が直面する問題について認識していなかったそうです。

神経損傷や嚥下困難などの後遺症にくわえ、鬱となってしまい脳機能の回復に不可欠なリハビリを受けられなくなる女性も多いとのこと。
脳を使えば使うほど、脳卒中の予後はよくなりますが、鬱が女性をリハビリや人とのかかわりから遠ざけ、脳を使う場面も減少させてしまうのです。

「社会全体として、ストレスレベルを低下させる必要があるでしょう。幸福で落ち着いた気分になれるようなことを何か、毎日時間をとって行いましょう」とGreene-Chandos博士はアドバイスしています。