喉が痛くなる原因

喉の痛みはとても身近な症状です。風邪など全身の体調不良の中で喉が痛くなる場合や、日常的に喉の痛みに悩まされている、という人は珍しくありません。

喉が痛くなる原因はさまざまですが、ここでは大きく6つに分けて説明します。

1.細菌やウイルスによるもの

喉の痛みの原因として特に多いのは、細菌やウイルスが原因となっているケースです。

喉の粘膜に病原体が入り込むと、咽頭や扁桃に炎症が起こり、風邪や扁桃炎を引き起こします。

2.喉の使いすぎによるもの

喉にある喉頭(こうとう)という器官には声帯が存在し、声帯は左右2本のヒダによって空気を振動させて声をつくります。

カラオケで歌いすぎたり、仕事などで声を出し続けたりすると、声帯に負担がかかりむくみや炎症を起こします。

声帯がむくみや炎症を起こすと、声がかすれたり痛みをともなうことがあります。

3.乾燥や寒さによるもの

喉の潤いを保つには、約60%の湿度が必要です。

冬場の湿度は約20%と非常に低く、夏場であってもエアコンをつけた部屋の湿度は40〜50%で、喉には負担がかかります。

乾燥によって喉の潤いが足りなくなると、細菌やウイルスが喉に付着しやすくなり、炎症を起こしやすくなります。

4.アルコールによるもの

お酒を飲むと、体はアルコールを分解するために大量の水を必要とし、細胞から水分を奪います。

細胞から水分が奪われると喉も乾燥し、炎症を引き起こすことがあります。

また、乾燥による炎症のほかにも、アルコールそのものが直接喉を傷つけて痛みや声の枯れが起こることもあります。

5.たばこによるもの

たばこには有害物質が含まれており、たばこを吸うことで煙が直接喉に悪影響を及ぼし、声帯に炎症を起こします。

また、煙が器官や肺にも入り込むことで咳や痰などの症状を引き起こすこともあります。

6.疾患によるもの

環境や生活習慣による痛みの他に、何らかの疾患が原因となり痛みを引き起こしている場合もあります。

進行した声帯ポリープや声帯結節によって痛みが出ることがある他に、咽頭がんの症状として飲み込む時に焼け付くような痛みを感じる場合もあります。

喉が痛くなるメカニズム

喉の痛みの原因はさまざまですが、特に多いのは風邪などのウイルスによって引き起こされる炎症によるものです。

炎症とは主に「赤くなる」「腫れる」「痛む」「熱を持つ」といった症状のことですが、なぜ喉にウイルスが侵入すると炎症が起こるのでしょうか。

ウイルス排除のための免疫反応

細菌やウイルスに感染すると、粘膜には病原体を排除するために、免疫細胞である白血球が集まってきます。

白血球は血流に乗って集まってくるため、より集まりやすくするために体内のヒスタミンやプロスタグランジンといった物質が患部の毛細血管を拡げる働きをします。

毛細血管が拡がり血液が集まってくることによって、喉は赤くなって熱を持ち、粘膜が腫れるのです。

また、プロスタグランジンは痛みで危険信号を伝える物質であるため、腫れとともに痛みが生じます。

喉が炎症を起こして痛くなる理由の多くは、細菌やウイルスを排除しようとする体の免疫反応によるものなのです。

喉の痛みの原因となるウイルスとは?

ウイルスや細菌によって起こる炎症の原因となるのは、多くが風邪などの原因ウイルスです。

風邪を引き起こすウイルス

ウイルスの種類 特徴
ライノウイルス ライノウイルスは、風邪の原因の約30〜40%を占めるウイルス。春と秋に多く、主に鼻風邪を引き起こす。
コロナウイルス コロナウイルスはライノウイルスに次いで多く、主に冬に流行する。鼻や喉風邪を引き起こし、症状は比較的軽いウイルス。
パラインフルエンザウイルス パラインフルエンザウイルスは主に喉や鼻の風邪を引き起こすウイルス。春〜夏に流行する型と秋に流行する型がある。子供が感染すると大人よりも重症化しやすいウイルス。
アデノウイルス 冬から夏にかけて多いウイルス。咽頭炎や気管支炎、結膜炎などの原因にもなる。プール熱の原因ともなる。
RSウイルス RSウイルスは年間通して流行し、特に冬に多いウイルス。乳幼児に感染すると気管支炎や肺炎を引き起こす場合がある。
エンテロウイルス 夏に流行するウイルス。風邪症状のほかに下痢を引き起こすこともある。

喉が痛くなった時の対処法

喉が痛くなった時のために、自分でできる対処法をご紹介します。

必要に応じた治療薬を活用する

喉の痛みをおさえる薬は、病院での処方薬はもちろん、市販薬にも種類が豊富にあります。

種類 作用 成分 備考
内服薬 解熱鎮痛・抗炎症 イブプロフェン、アセトアミノフェンなど 解熱鎮痛剤は頭痛や発熱にも用いられますが、抗炎症作用もあるため喉の痛みや炎症をおさえるのにも有効です。

抗プラスミン剤

トラネキサム酸

喉の炎症部分のプラスミンの生成や増加を抑え、炎症や痛みのもと発生を抑えます。

外用薬 抗炎症 アズレンスルホン酸ナトリウムなど 抗炎症の外用薬には、トローチやうがい薬などがあります。
殺菌 ポピドンヨード、セチルピリジニウム塩化物水和物(CPC)など 医薬部外品の喉スプレーやうがい薬、ドロップなどがあります。

また、副作用などが心配な方には漢方薬もおすすめです。

炎症の回復をサポートする食品を摂取する

喉が炎症を起こしている間は、極力喉に刺激を与えないことが大切です。

【喉に良い食べ物・避けた方が良い食べ物の条件】

喉に良い食べ物 避けた方が良い食べ物
喉を殺菌してくれるもの 香辛料の効いたからいもの
喉を刺激しないもの 固いもの
熱すぎず、冷たすぎないもの 熱すぎるもの・冷たすぎるもの

喉の痛みの予防法

喉の炎症や痛みは決して珍しい症状ではありませんが、悪化すると会話をすることや飲み込むことが困難になるなど、日常生活に支障をきたすため厄介です。

喉を痛めないために、普段からできる予防法をご紹介します。

マスクをする

もっとも手軽に行える予防法は、マスクを着用することです。

マスクの着用によって細菌やウイルスの吸い込みを予防するだけでなく、保湿効果もあるため乾燥から喉を守ることができます。

加湿器で部屋の湿度を保つ

風邪などの原因ウイルスは空気が乾燥すると活発になるほか、乾燥によって喉の粘膜の防御機能も低下してしまいます。

毎年12月〜3月にかけては特に湿度が低下するため、加湿器などで意識的に部屋の湿度を保つようにしましょう。

うがいをする

手洗い・うがいは風邪予防の基本です。

うがいには、細菌やウイルスを洗い流すだけでなく喉を潤す効果もあります。

疲れやストレスによって免疫力の低下しているときや風邪の流行している時期には、特にしっかりとうがいを行いましょう。

おわりに

喉の痛みを感じたら、自分でできる対処法を行いながら市販薬や処方薬も上手に利用してみましょう。

いつまでも症状の改善が見られない場合には、別の病気が隠れているおそれもあるため早めに医療機関を受診しましょう。