風邪が治っても長引く咳!咳喘息に要注意!咳喘息と原因・治療・予防法について

慢性の咳の30%以上が咳喘息だった!

風邪が治って熱が下がったのに、咳が止まらない…。

その長引く咳!もしかしたら咳喘息という病気かもしれません。

風邪に併発して起きることが多いこの病気。風邪を引いたあとに2~3週間以上も咳が続くことがあれば、咳喘息の可能性があります。成人では女性に多い傾向があり、しばしば再発を繰り返します。

この咳喘息は最近増えているといわれる喘息に関連した病気の一つ。慢性の咳(3週間以上続く咳)の約30%以上が咳喘息によるものと報告されています。

今回はこの咳喘息という病気について迫ります!


 

激しい咳が続く…原因は咳喘息?!

咳喘息とは、3週間以上ひどいときには2か月以上の、慢性的な痰を伴わない空咳が続く病気です。風邪症状の咳とは違い、明らかな喘鳴(ぜんめい:ゼーゼー、ヒューヒューといった呼吸音)がなく、激しい咳のみが症状です。夜間から明け方に特に症状がひどくなることが多いのが特徴です。

病気の発症として、軽い咳から始まって次第に悪化する人もいれば、突然のひどい咳にみまわれる人もいます。咳が長期にわたると筋肉痛が起きてしまい、胸部痛を生じたり、睡眠が確保できなくなることもあります。

咳喘息の原因

咳喘息は、空気の通り道である気道が様々な刺激によって過敏になり、炎症を起こすことが原因で咳が出ます。
冷たい空気に触れたり、湿度が変化することで咳が誘発されます。前述の通り、原因が気道の炎症のため、タバコの煙やホコリ、刺激のある辛いもの、熱いものなど咳を誘発するもととなることも。また、会話、運動、飲酒、ストレス、ハウスダストなども発作の引き金になるといわれています。

春や秋など特定の季節に症状がひどくなる場合やアレルギーの関与も少なくありません。

 

咳喘息と間違えやすい病気!

◼︎気管支喘息

咳喘息は気道が主な原因ですが、気管支喘息はそれに加えて気管支が細くなります。そのために咳喘息の症状に加え、呼吸困難がみられます。

気管支喘息の主な症状は激しい咳や痰・息苦しさや呼吸困難・喘鳴です。咳喘息は乾いた咳なのに対して、気管支喘息は痰を伴う咳が多く見られます。また、のどの違和感や胸の痛みなども症状の一つ。このような症状を、喘息発作をいいます。
咳喘息と同じく、深夜から早朝に症状がひどくなります。

◼︎アトピー咳嗽(がいそう)

喘息と同じ症状を起こす病気にアトピー咳嗽があります。咳嗽は、一般的な咳のことをさします。

咳喘息と同様に、風邪を引いたのち2~3週間以上咳が続くようならば、この病気が疑われます。咳喘息との区別は難しいのですが、気管支拡張薬の効果があるかないかで見分けがつきます。
また、アトピー咳嗽には、気管支拡張薬が効きません。治療薬としては、ヒスタミンH1拮抗薬・吸入ステロイド薬が有効です。
 

咳喘息を見逃さない!正しい診断を受けましょう

以下の診断基準にあてはまる方は、咳喘息の疑いがあります。

・風邪のあと発熱がおさまったにも関わらず、咳だけがいつまでも残る
・痰を伴わない空咳が続いている
・呼吸困難や喘鳴がない
・通常の咳止め薬が効かない
・気管支喘息の治療に使われる気管支拡張薬の吸入で症状が楽になる

何科で受診すべき?

咳喘息を発症しても専門医の治療を受ければ、症状は治まります。風邪症状では、内科を受診しますが、咳止めの効かない空咳が続くときは、アレルギー科や呼吸器科を受診しましょう。

咳喘息の治療の基本は薬物療法

咳喘息は、気管支喘息と同様に気道が過敏な状態が続いていることから、通常の咳止めや風邪薬は効きません。治療は気管支喘息と同じで、気管支拡張薬や吸入ステロイドが基本になります。

吸入ステロイドの効果は気管支喘息に比べれば早くにみられ、初日から効果が得られることもあります。夜間不眠や生活に支障があったり、苦痛であるときは長期作用型気管支拡張剤を併用します。吸入剤または貼付剤を使うことが標準です。

咳喘息の治療薬

◼︎β₂刺激薬…短時間作用性と長時間作用性に分かれています。

・短時間作用性β₂刺激薬は発作時の症状改善に有用で呼吸が苦しくなり始めの時の吸入に効果があります。発作が重くなると薬剤が気道に到達できなくなり、効果が少なくなります。発作治療薬を吸入して1時間以内に悪化する場合や改善しない場合は、医療機関へ相談しましょう。

・長時間作用性β₂刺激薬は、長期管理のコントローラーとして用いられます。抗炎症効果はないので、抗炎症効果のあるステロイド薬と併用して使います。

◼︎テオフィリン(気管支拡張薬)

◼︎吸入ステロイド喘息の病態である気道の炎症を抑える効果があります。副作用が少ないために、世界的に喘息治療の第一選択薬とされています。吸入ステロイド薬は長期に使用しても、経口ステロイド薬のように全身的な副作用の心配はありません。

 


 

患者さんあるいは同居人の方が喫煙者の場合は、煙が咳を誘因してしまうため禁煙されることをお勧めします。

咳喘息は、喘鳴がないために喘息であるという自覚しづらいのですが、放置すると30%の患者さんが喘鳴を訴える喘息に移行するといわれています。難治化を防ぐためにも、早期の治療が大切です。

生活習慣を見直して咳喘息を予防しましょう!

気温の変化に気を付ける

急激な気温の変化は、咳喘息の発作を招くので、季節の変わり目には用心が必要です。
特に、春や秋は常に気温の変化に注意を払い、外出時には服装による温度調節を心がけましょう。そして、エアコンを使う場合は室外との温度差を大きくしないようにして、室内の温度は一定に保つようにしましょう。

 

風邪に注意

風邪やインフルエンザにかかると、気道の粘膜が炎症を起こしてしまいます。
それにより、わずかな刺激にも反応し、気道が収縮して咳喘息を発症しやすくなります。風邪が流行るシーズンの外出時には、マスクを装着するようにしてください。そして、外出後は手洗いとうがいを心がけましょう。

ストレスをためこまない!

気道を過敏にさせる要因として、ストレスも挙げられます。ストレスの原因となる過労を日ごろからため込まないようにしましょう。そのためにも、睡眠・休養を十分にとることが重要です。抵抗力をつけるのには水泳など適度な運動を行うことも咳喘息の予防になります。

 

タバコ・飲酒を控える

タバコの煙は気管支を刺激するので、咳の頻度を増やしてしまいます。更に、ステロイド薬の効果を弱めるという報告もあります。タバコの副流煙は、咳喘息を悪化させることになりますので、患者さん本人の禁煙に加えて受動喫煙にも注意しましょう。
また、アルコールも原則控えることが望ましいです。飲酒によって、体内にできるアセトアルデヒドという物質は気道を収縮させて咳を誘因します。そのため、飲みすぎは控えましょう。

アレルギーを起こさない環境を

咳喘息の患者さんにとって、アレルギーを引き起こす原因となるアレルゲンの排除は不可欠になります。アレルゲンとはハウスダスト、カビ、ペットの毛、花粉などのアレルギー反応を引き起こす物質のことです。
アレルギーを起こさない環境を保つために、週に数回ふとんや枕などの寝具を干したり、室内の換気やこまめな掃除を心がけましょう。
 


 

おわりに

秋から冬にかけて空気が乾燥してくると、寒暖差が激しいこともあって風邪を引きやすいシーズンです。
咳といえば、ごくごく身近な症状なので軽んじてしまいがち。止まらない咳が続くのはただの風邪ではないかもしれません。いつまでも症状が治まらない場合、病気の正体を正しく知ることが必要なはずです。

なかなか治らない長引く咳にお困りの方は早めに病院への受診をしましょう。

 

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