10月も半ばを過ぎる頃になると、やはり冷え込んできますね。

季節の変わり目は風邪を引きやすい、とは昔からよく言われています。

そんなとき、風邪を引きやすいのは、免疫力が低い子ども

子どもが風邪を引いたときに、口の奥にある扁桃が腫れることは少なくありません。

いわゆる扁桃炎ですが、基本的には、風邪と同じように、数日安静にしていれば治る病気です。

ところが、慢性化して年に何回もかかったり、扁桃に膿が溜まって危険なことも。

扁桃炎の原因や症状、治療法を知り、子どもに、元気に過ごしてもらいましょう。

扁桃炎は、扁桃にあるリンパ球の防御反応

口の奥、喉の少し手前にある、左右の少し盛り上がった部分が扁桃です。

扁桃には、リンパ球という免疫細胞がたくさんあり、細菌やウイルスが付着すると、防御反応として炎症を起こし、赤く腫れたりします。

扁桃が炎症を起こすので、扁桃炎、または急性扁桃炎と呼びます。

扁桃の活動は4~8歳が最も活発。

大きさも最大になるので、子どもに多く見られます。

「扁桃腺炎」と呼ばれることもありますが、実は正しくありません

「腺」とは、「分泌腺」という使われ方をするように、何かを分泌している場所のこと。

扁桃は何かを分泌しているわけではないので、「扁桃腺」とは言わないんです。

扁桃炎の原因は、誰もが持っている常在菌

扁桃炎の原因は、扁桃周辺に存在する常在菌。

常在菌とは、多くの人が共通して持っている細菌で、溶連菌(溶血性連鎖球菌)、ブドウ球菌、インフルエンザ菌、肺炎球菌などがあります。

免疫力の弱い子どもや、季節の変わり目で体調を崩しているときなどは、これらの細菌が増殖し、扁桃など、喉の粘膜に炎症を起こしやすくなります。

扁桃が腫れて、白い斑点があるときは扁桃炎

扁桃が真っ赤に腫れていたり、白い斑点がついていれば、扁桃炎と判断して良いでしょう。

白い斑点は、扁桃にある腺窩(せんか)という穴に、膿が溜まった状態で、『膿栓』と呼ばれるもの。

腺窩は、扁桃にいくつも存在しているので、そこに膿が溜まると、白い斑点のように見えます。

この膿は、細菌やウイルスの死骸が固まったもので、ほとんどが自然と無くなるため、心配はいりません。

このほか、扁桃炎の症状には以下のようなものがあります。

≪扁桃炎の症状≫

・38℃以上の高熱

・喉の痛み

・あごや首のリンパ節の腫れ

・リンパ節の腫れからくる耳の痛み

・悪寒

・倦怠感

・頭痛

・関節痛

特に、38℃以上の高熱と、ものが飲み込めないほど喉が痛むのが特徴。

冬ではインフルエンザと間違われることもありますが、高熱や喉の痛み以外の症状はあまり見られず、区別しやすいそうです。

扁桃炎は、風邪と同じように治します

原因となっているのは、いわゆる『風邪』と同じ菌やウイルスであることが多く、自宅で数日安静にするだけで治ることも。

原因のほとんどは細菌なので、医療機関を受診しても、抗生剤での治療と、解熱剤などの対症療法が主となります。

また、ウイルス性の場合でも、単純ヘルペスにしか特効薬がないため、解熱剤など対症療法となる場合がほとんどです。

ひどくなると慢性化したり、中耳炎や扁桃周囲炎を併発。

さらには、扁桃に膿が溜まる(扁桃周囲膿腫)ことも。

扁桃に腫れが見られる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

自宅でのケアが大切です

扁桃炎では、抗生剤のほかに、解熱剤や、うがい薬などを使います。

細菌やウイルスが原因なので、特に、うがいはよく行いましょう。

喉は乾燥すると痛むので、部屋の中を加湿したり、市販のマスクで喉が乾かないようにすると、痛みが楽になります。

また、こまめに水分を取り、口の中が乾かないようにも気を付けましょう。

喉の痛みが激しく、水分が取れないようなときは、脱水症状が心配なので、医療機関に相談しましょう。

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扁桃炎でオススメの食事

痛みで食べ物を飲み込むのが難しいときは、冷たくて飲み込みやすいものを試してみましょう。

・ヨーグルト

・アイス

・ゼリー

・冷たいスープ

・冷たいうどん

・はちみつ

・ウーロン茶

など。

具のあるスープやうどんは、よく噛んで食ましょう。

ポタージュスープは、噛まなくても良いのでオススメ。

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また、ウーロン茶には抗炎症作用があるので、扁桃の腫れを鎮めてくれます。

レモンなどは、刺激が強く、痛みを悪化させるので控えましょう。

注意!

1歳未満の乳児には、はちみつを与えないようにしましょう。

はちみつから食中毒になり、呼吸困難や、死に至ることもあって危険です。

加熱での殺菌も難しいので、食べさせないようご注意を。

合併症に注意しましょう

扁桃炎の原因となる、細菌やウイルスによっては、合併症を引き起こす可能性があるので、注意が必要です。

ほかにも、繰り返し扁桃炎にかかったり、激しい喉の痛みや、声が出せなくなったりしたときも要注意!

ただの風邪だと思わず、高熱が出ていたり、扁桃が腫れて喉が痛い時は、必ず医療機関を受診し、正確な診断と治療を受けましょう。

扁桃炎を繰り返すときは、手術で扁桃を摘出

扁桃は、年齢とともに縮小し、大人になる頃には、ほとんどの人が扁桃炎にはかからなくなります。

しかし、中には扁桃炎を繰り返す子も。

扁桃炎を繰り返していると、扁桃が病巣となり全身に悪影響を及ぼし、ほかの重大な合併症を引き起こしやすくなります。

年に4回以上、扁桃炎になるような場合は、摘出手術を受けることが多いそうです。

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溶連菌感染症

A郡β溶血性連鎖球菌が原因で起こる感染症です。

≪症状≫

・身体にかゆみのある発疹が出る

・舌がイチゴの表面のようにプツプツと赤くなる(苺状舌)

・軟口蓋(のどちんこ)の周りに小さな赤い発疹が出る

このような症状が見られる場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

アデノウイルス感染症

その名の通り、アデノウイルスが原因

夏に、プールを介して感染することが多いので、プール熱とも呼ばれています。

≪症状≫

・高熱が5日間ほど続く

・目が赤く充血する

高熱が出ているわりには元気なのが特徴です。

合併症などの心配はほとんどなく、水分をしっかり取って安静にしていれば、5日ほどで治ります。

伝染性単核症

EBウイルスが原因で起こる感染症。

日本では、子どものうちに感染し、1度かかると抗体ができます。

再び感染することはほとんどありません。

≪症状≫

・1週間~3週間ほど持続する発熱

・首周辺のリンパ節の腫れ

有効な治療法はなく、症状が治まるまで安静にさせます。

肝機能、神経系、血液、心臓などへの合併症の報告もあるので、症状が重い場合は入院しての治療になるでしょう。

扁桃周囲炎

細菌が、扁桃の周りにある粘膜を破り、喉の奥深くまで侵入し、炎症を起こした状態を、扁桃周囲炎と言います。

さらに、そこに膿が溜まると、扁桃周囲膿瘍になり、膿が胸の方に広がって死亡することもある、危険な状態

もし、膿が溜まってしまったら、注射器などで膿を吸い出す、『排膿』という処置が必要となり、入院することも。

排膿はとても痛い処置なので、膿が溜まる前に治しましょう。

登園・登校や、予防法など

登校、登園は医師の判断で

原因のほとんどが、普通の風邪なので、出席停止期間は決まっていません

せきやくしゃみから、他の子どもにうつることがあるものの、必ずしも、扁桃炎になるわけではなく、ただの風邪として、自然と治ることがほとんど。

しかし、原因となった菌やウイルスによっては、法律により、出席停止期間が決まっています

小学校や幼稚園に行かせるかは、医師の判断。

小児科などの医療機関を受診し、相談して決めましょう。

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扁桃炎の予防は規則正しい生活から

扁桃炎の予防は風邪と同じ。

手洗いうがいはもちろんのこと、身体の免疫力を高める、乾燥を防ぐ、十分な睡眠時間を取る、ストレスを溜めないことなどが重要です。

免疫力は、普段の食事から高めましょう。

にんにく、納豆、バナナ、キノコ類などがオススメ。

これらを中心に、バランスの取れた食生活を。

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自宅でのケア同様、乾燥を防ぎましょう。

室内の湿度は40~60%を目安に設定し、水分補給もしっかりと。

また、ストレスが溜まってる子どもは、風邪を引きやすくなります。

子どもにとってのストレスは、食生活や睡眠時間など、生活習慣の乱れが原因となることも。

睡眠時間は、6歳未満であれば12時間、小学生の間は最低でも10時間は必要だと言われています。

普段から規則正しい生活を心がけ、風邪や扁桃炎を予防しましょう。

自己判断はせず、医療機関を受診しましょう

扁桃炎は、基本的には、安静にしていれば治る病気です。

しかし、医療機関で処方してもらった薬を使った方が、早く治る場合がほとんど。

原因が溶連菌などの場合、合併症や重症化も心配です。

また、原因となる菌やウイルスによっては、出席停止となります。

自己判断はせず、早めに小児科や耳鼻科、内科など、医療機関を受診しましょう。