溶連菌感染症は子どもに多くみられる病気です。

溶連菌の中でも特殊な毒素を出すタイプに感染してしまうと、高熱とともに全身の皮膚に赤い発疹を発症する「しょうこう熱」として、昔はとても恐れられていた病気です。

症状は風邪やインフルエンザ感染症と似たものがあるものの、発熱や喉の腫れだけでなく、皮膚に発疹があらわれるなど目に見える症状があるのが特徴です。

この記事では、溶連菌に感染した時にあらわれる発疹の症状について、治療方法も交えて解説していきます!

溶連菌感染症とは?

溶連菌感染症は、溶連菌に感染することで発症する病気のことです。主な病気として咽頭炎、扁桃腺炎、とびひなどがあげられます。

溶連菌は正式には溶血性連鎖球菌といいます。
この細菌にはα溶血とβ溶血の2種類があり、β溶血で人に病原性を有するものにA群、B群、C群、G群などがあります。

溶連菌感染症の90%以上がA群によるものなので、一般的にはA群溶血性連鎖球菌と呼ばれます。

溶連菌感染症は12月〜3月の冬場に多く見られ、7月〜9月の夏に少なくなる傾向があり、日本などの温帯地域ではよくある病気です。

溶連菌の感染は4歳頃から小学生期に多い

溶連菌は赤ちゃんが感染することは少なく、4歳〜学童期の子供に最も多く感染が見られます。特に兄弟がいる子どもは感染しやすいので注意が必要です。

また、溶連菌に感染した子どもを看病する親が感染するなど、大人にも感染する可能性はあります。

家族のうちの誰か一人が感染すると、家族中を巻き込んでしまう可能性もあるので注意が必要です。

溶連菌感染症の特徴は発疹とイチゴ舌

溶連菌感染症はまずは喉の痛みから始まる病気です。
扁桃腺が腫れるだけではなく、喉の入り口も炎症を起こしているため痛みが強くなります。そのため吐きけや嘔吐、頭痛、腹痛、ときには筋肉痛や関節痛が出ることもあります。
また、喉の炎症に関連して首のリンパ節が腫れたり中耳炎を起こす可能性も考えられます。

溶連菌の症状の中でも特徴的なのは発疹イチゴ舌です。
喉の痛みからはじまり、目に見えるこれらの症状が出れば溶連菌感染症である可能性が非常に高いといえます。
発疹の経過をみていきましょう。

発病から1〜2日

◼︎咽頭炎、扁桃腺炎・・
発熱や喉が真っ赤に腫れ上がり痛みを伴います。

◼︎全身発疹・・
発疹症状の出現には段階があり、最初は赤い細かい発疹が首や胸、手首や足首のあたりにあらわれ、それが次第に全身へと広がって行きます。特に顔や脇の下、下腹部への広がりが多数見られます。

発疹の出方や程度はさまざまで、軽度の人もいればやけどをしたかのように皮膚が真っ赤になってしまうほど重症な例もみられます。そして発疹にはかゆみを伴うことも特徴の一つとしてあげられています。

【手の発疹の特徴】
風疹やリンゴ病に似た点状紅斑があらわれます。皮膚のザラザラ感がない場合とある場合があり、手の指や手のひらの皮が白くむけるのが溶連菌感染症の発疹の特徴です。
特に手は、皮膚がかさかさ・ごわごわしてきたり、しわにそって皮がむけることがあります。

【足の発疹の特徴】
足首や甲に紅斑がみられるようになり、足の指、下腿部や大腿部にも広がっていきます。紅斑の他には、にきびに似たような、大きく盛り上がった湿疹(丘疹)があらわれることもあります。

【顔の発疹の特徴】
鼻や頬に紅斑が広がり、にきびに似た丘疹ががあらわれることもあります。かさかさとした荒れた皮膚になる場合もあります。

【身体の発疹の特徴】
赤い斑点状の湿疹が身体全体に広がり、ぶつぶつと丘疹があらわれることもあます。皮膚がかさかさして荒れてくる場合もあります。

発病から2〜4日

◼︎イチゴ舌・・
最初は舌が白いコケに覆われたようになり、次第にブツブツしたできものができてきます。その状態がまるでイチゴのようなことからイチゴ舌と呼ばれています。舌と同時に口角も荒れることがあります。

発疹やイチゴ舌が消えたあと

◼︎皮膚落屑・・
手や足の指先から皮膚がむける場合があります。

溶連菌感染症の治療

溶連菌感染症は適切な抗生剤を内服することでほとんど問題なく治る病気です。
自己判断によって治りを遅くさせてしまったり、症状を悪化させたりしないように気をつけましょう。

診察

溶連菌感染症を発病して1〜2日目で発疹の症状はあらわれます。
発疹に関しては目に見えてわかる症状なので、特別な検査を受けなくとも症状に気づくことが可能です。

治療

発疹は皮膚に対する症状なので塗り薬を処方されると思われる方もいるかもしれませんが、治療の基本は抗生物質の服用になります。

ペニシリン系薬剤が第1選択薬ではありますが、アレルギーがある場合にはエリスロマイシンが適応されます。また、第1世代、第2世代以降のセフェム剤も使用される場合もあります。

「小児呼吸器感染症診療ガイドライン」によると、下記のような抗菌薬が推奨されています。

・バイシリンG
・アモキシシリン
・セフジニル
・セフジトレン ピボキシル
・セフカペン ピボキシル
・セフテラム ピボキシル

薬の服用期間は、治療のためには2〜3日とされています。しかし、合併症を防ぐために10日程の服用が望ましいとされています。

さいごに:目にみえる症状もきちんとした対処で治ります

単なる風邪などと異なり、溶連菌感染症は発疹をはじめとして身体に対して目にみえてわかる症状もあるので、その様子から「重篤なのではないか」と思ってしまう方も少なくありません。

しかし、発疹もイチゴ舌もきちんと治療をすればちゃんと治りますし、子どもの場合は発熱や発疹がおさまれば登校・登園をしてもかまわないとされている病気です。

溶連菌感染症の初期症状を見逃さずに発症に気付いたら早めに病院で診察を受け、正しい治療で重症化を防ぎましょう。