溶連菌に感染すると、発熱などの症状に加えて咽頭炎扁桃腺炎などの喉の痛み、舌にイチゴのようなブツブツしたできものができるイチゴ舌、全身にわたる発疹などの症状があらわれます。

対処が早ければ早いほど、身体への負担や皮膚などに広がりを見せる症状もおさえられるので、病院での検査が重要です。

この記事では溶連菌に感染したらどのような検査をするのかを中心に妊娠中の方が受けるGBS検査について、家庭での看護のポイントなどに渡って解説していきます。

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溶連菌の検査は症状・経過に合わせてえらびましょう!

溶連菌感染症の場合は発疹や喉・舌の特徴症状などを目で見て確認し、診察が出来る場合もあります。

しかし、溶連菌に感染していても初期段階では目で確認しただけでは断定しきれない場合もあります。

更に、人によっては高熱が出ていても発疹や口の中の症状が軽症の場合もあるため、他の病気と見分けづらいことがあります。

そこで溶連菌の感染確認をより確実にするために、症状や経過に合わせた検査をします。

A群溶血性連鎖球菌迅速診断キットによる検査

A群溶血性連鎖球菌迅速診断とは、簡単なキットによって溶連菌の有無を判断出来る検査です。

測定のための特殊な器材などは不要なため、緊急な場合での検査にも対応できます。

およそ5分程で判定ができ、陽性の場合は約90%が2分以内に判定が可能とされています。

判定に時間を要さないというだけでなく、検査の精度も高いとされ、病院で検査が必要な場合はまずこの検査をすることが多いでしょう。

【検査方法】

1、検体採取用綿棒で咽頭部分の粘膜を採取します。

   ↓

2、「1」で採取した検体を試薬に懸濁させます。

   ↓

3、「2」の混濁液をテストスティックに浸します。数分後には判定が出ます。

培養検査

喉を綿棒などでこすって付着した細菌を培養し、溶連菌がいるかどうかを目で確認する方法です。

溶連菌が存在するかどうかの確定信頼度は非常に高く、また、他の細菌についても同時に調べられるメリットがあります。

その一方で、専門の検査会社に検査を依頼するため結果を受け取るまでに時間がかかります。

血液検査

血液中の抗体を調べて確認する検査方法です。

溶連菌に感染すると、身体の中の「ASO」と「ASK」というタンパク質が上昇します。それらの上昇値を確認することで感染があるかどうかを判断します。

同時に溶連菌以外の病気を発見することも可能です。

しかし「ASO」や「ASK」といった数値の上昇は、早くても感染1週間後あたりからで、通常2週間程度から確認が出来ると言われています。

そのため、急性期の診断としては有用とは言えません。

溶連菌に感染しても喉の腫れや発疹の症状が軽い人もいます。溶連菌感染症の初期、または特徴的な症状が出ていない場合、風邪と症状が似ているため、自己判断では勘違いをしてしまう恐れもあります。

病院での診察を受けずにいて「なかなか治らない」という時などには、血液検査の結果が一つの判断基準になることがります。

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治療後に受ける尿検査

病気の診断確定のために行う検査もありますが、病気が治ったかを確認するために行なう検査もあります。

溶連菌感染症の症状が治り、問題がないかを確実にするために病気が発症してから2週間後ぐらいに尿検査を行う場合があります。

尿検査から何をみるかというと、腎炎の発症の有無をみます。

腎炎は溶連菌感染症の合併症です。発症のタイミングは「溶連菌感染症発症後、2週間程してから」と言われています。

ですので、溶連菌が発症してから2週間後に尿検査をおこない、特に問題がなければ再発や合併症による危険性も限りなく低いと言えます。

妊婦さんは感染に要注意!妊娠後期にはGBS検査を

溶連菌には幾つか種類があり、一般的に子どもを中心に感染を受ける溶連菌感染症はA群溶血性連鎖球菌への感染を指す場合がほとんどです。

そして溶連菌感染症の90%がこのA群による感染が原因だと言われています。

しかし、妊婦中の方はB群溶血性連鎖球菌に注意をしなくてはいけません。

妊婦中の方は、妊娠後期になるとGBS検査を受けます。このGBSとはB群溶血性連鎖球菌のことなのです。

もともと溶連菌は多くの人の身体に存在する菌なので、病気になるほどの過剰増殖をしない限りは人の身体に対して特に悪影響を与えることはありません。それは妊婦に対しても同じです。

しかし、新生児にはB群溶血性連鎖球菌が大敵になるのです。

赤ちゃんが産道を通る時に感染する危険性が!

母親がGBS検査で陽性になるほどの溶連菌を保有していると、赤ちゃんが新生児GBS感染症という重大な病気を起こす可能性が高まります。

赤ちゃんへの感染経路は、経膣分娩で赤ちゃんが母親の産道を通って出てくる時に感染する産道感染で、感染リスクがあるとすればこの時だけです。

感染を防ぐには、分娩時に抗生物質を使います。

陣痛が始まってからお産の終了まで4時間ごとにアンピシリンというペニシリン系抗生物質を点滴により母体へ投与します。

ペニシリン系薬剤にアレルギーがある場合は違う抗生物質を使用します。

【新生児GBS感染症とは】

新生児がGBSに感染することによって肺炎、敗血症、髄膜炎などを発症します。髄膜炎になると後遺症を残すこともあります。

新生児GBS感染症は短時間で症状が重くなったり、赤ちゃんの命を奪うこともありえる病気です。

母親のGBS検査が陽性でも、実際に新生児にGBS感染症が発症するのは約1%だといわれています。

その理由は、ほとんどの妊婦にはGBSに対して抗体・免疫を持っており、赤ちゃんへその抗体が移行し、GBSから守ってくれるからです。

しかし、中には抗体が少ない人や抗体が無い人もいます。赤ちゃんへの感染を防ぐためには検査で陽性となったら分娩時にしっかり防ぐことが大切です。

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治療や家庭看護の注意点

溶連菌感染症の治療は抗生物質の服用による薬物治療が中心になります。

抗生物質は処方薬のため、病院で処方箋を貰わないと購入が出来ません。症状が疑われた場合はすぐに病院を受診しましょう。

溶連菌感染症の治療は、ペニシリン系を中心とした抗生物質を使用します。

抗生物質は発症後、早い段階で飲むことだけではなく10日間は飲み続けます。

飲み始めて1〜2日で溶連菌感染症が治ったと思っても、再発したり合併症を発症させる危険性もあるため、飲み続けることが大切になります。

抗生物質を飲めば比較的早く回復が見込める病気なので、発熱症状や喉の異変を感じたら病院での診察を受け、薬物治療を開始してください。

また、溶連菌は口の中に紅斑やできものができたり、身体中に発疹もできる病気です。

これらの身体的症状は、ひどくなればなるほど完治にも時間がかかります。

病状を少しでもおさえるために、なるべく早い段階で診察を受けるようにしましょう。

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喉の痛みが強い溶連菌感染症!家庭看護のポイント。

溶連菌感染症患者を家庭で看護する場合のポイントを紹介します。

特に子どもの看病には注意も必要なので是非、活用してみてください。

温度調節

溶連菌感染症の症状は、発熱など風邪の諸症状似ているものもあります。

寒くなく暑すぎない、患者の負担とならないような保温調節をしましょう。

水分補給はしっかりと。食べ物には工夫が必要な場合も。

水分補給をしっかりとするようにしてください。

また、溶連菌に感染すると強い喉の痛みがあるため、食べ物を食べることがツライ場合があります。

「のどごしが良いもの」であったり「子どもの好きなもので消化によいもの」をあげるようにしてください。

そして、食欲はなくて当たり前です。

どうしても食事が摂れないような場合でも、水分だけはしっかりと取らせるようにしましょう。

入浴

高熱が続く間は入浴を控えてください。

身体が汗ばんだら「温かいお湯に浸してからしぼったタオル→乾いたタオル」の順番で身体を拭き、サッパリした状態で着替えをさせるようにしてください。

熱が下がってきて、37.4℃以下が24時間以上続いたら汗を流す程度から入浴をはじめることができます。

溶連菌感染症の症状の発疹にはかゆみを伴う場合が多いとされています。身体をさっぱりとした状態にさせてあげましょう。

そしてお風呂で温まり過ぎてもかゆみの原因となるので注意が必要です。

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検査も治療も、病院での診断が大切です

溶連菌感染症の検査は病院でないと受けられません。

培養検査や血液検査も病院を通した特別な機関でないと調べることができません。

迅速診断キットがあると言ってもそれを家庭では使用できないのが現状です。

しかし、迅速診断キットはすぐに判定が出る上に正確性もある検査方法です。

病状の悪化は負担を強いられるので、無理をしないで病院で検査を受け、少しでも早い治療開始に繋げてください。