子どもが感染しやすい溶連菌!

はしか・りんご病・おたくふくかぜなど、子どもの病気として象徴されるものには様々な病気があります。溶連菌感染症(溶連菌)もその中の1つの病気です。

 

この病気にも流行時期はあるものの、インフルエンザ感染症のように「ある時期だけとても話題になる」という病気ではなく、1年を通して感染がみられます。

また、子どもを介して大人に感染するケースもあり、様々な特徴を持っています。

 

溶連菌感染症とは一体どんな病気なのか。この記事では溶連菌感染症の症状や治療に使う薬のこと、子どもが感染した場合、気になる出席停止のことなどにわたって徹底解剖していきます!

溶連菌感染症の90%以上はA群溶血性連鎖球菌の感染!

溶連菌感染症とは、溶連菌という細菌に感染することにが原因で発症する病気です。

 

溶連菌の正式名称は溶血性連鎖球菌といい、この細菌にはα溶血とβ溶血の2種類があります。

 

一般的に人に影響を与える病原を持つものはβ溶血の中のA群、B群、C群、G群などの細菌です。

溶連菌感染症の90%以上がA群によるものだとされており、溶連菌と言えばA群溶血性連鎖球菌と認識されています。

流行時期は年に2回。大人も感染する可能性があります!

溶連菌感染症は1年を通してみられる病気ですが、特に流行する時期が年に2回あります。

 

①冬季(12月〜3月ぐらい)

②春〜初夏

 

にかけて多くみられ、7〜9月の真夏の時期には少ない傾向があります。

 

感染患者に圧倒的に多いのは幼児や小学生などの学童期の子どもです。

中学生や高校生でも感染はみられ、一般的に赤ちゃんが感染することは少ないとされています。

子どもの感染が多いとはいえ、決して「子どもだけの病気」とは言い切れず、大人にも感染の可能性があります。

溶連菌の感染経路は飛沫感染と経口感染

溶連菌の感染経路は、感染患者のくしゃみ・咳・つばといった飛沫によって感染する飛沫感染、溶連菌に触れた手などを介して口に入って感染する経口感染です。

 

子どもが溶連菌に感染し、看病をしている最中に菌が親にうつって感染するということもあります。これが大人へ感染する時の主な感染のしかたです。

 

また、子どもの兄弟間の感染は大人へ感染する場合よりも確率が高く、実に25%にものぼると言われています。特に病気のなり始めである急性期に感染力が強い病気です。

 

「喉の痛み・イチゴ舌・発疹」が溶連菌感染症状の特徴!

溶連菌の潜伏期間は2〜5日です。この期間を経た後、発熱や喉の痛みといった症状が出てきます。

 

はじめは風邪に似た症状があらわれますが、次第に喉や舌、皮膚などに溶連菌感染症ならではの特徴的な症状をあらわすようになります。

喉の症状:咽頭炎、扁桃腺炎

溶連菌感染症になるとまず喉の痛みを感じ、咽頭炎や扁桃腺炎になります。

 

喉付近の状態として、扁桃腺が赤く腫れ上がります。そして喉の入り口辺りに白い膿の付着が確認できるようになります。

そして、溶連菌感染症の喉の症状として最も特徴的なのが、咽頭や口蓋垂(のどちんこ)周辺が点状の紅斑や小出血斑が現れることです。

 

この症状が確認出来たら溶連菌感染症が強く疑われます。

咽頭炎、扁桃腺炎を患っている状態の時は高熱を伴っている場合がほとんどですが、稀に咽頭痛だけという場合もあります。

舌の症状:イチゴ舌

舌が白いコケに覆われたようになり、次第にブツブツしたできものができてきます。

 

舌にブツブツしたものが出来ている様子がまるでイチゴのようにみえることから、この状態をイチゴ舌といいます。

 

イチゴ舌は、溶連菌感染症を発症してから2〜4日目ぐらいにみられるようになります。

皮膚の症状:発疹

溶連菌感染症の発病から1〜2日目には発疹の症状があらわれはじめます。

 

最初は赤い細かい発疹が首や胸、手首や足首のあたりにあらわれ、それが次第に全身へと広がって行きます。

 

特に顔や脇の下、下腹部への広がりが多数見られます。そして、これらの発疹にはかゆみを伴う場合が多いことも特徴の1つです。

 

 

【手の発疹の特徴】

風疹やリンゴ病に似た点状紅斑があらわれます。皮膚のザラザラ感がない場合とある場合があり、手の指や手のひらの皮が白くむけるのが溶連菌感染症の発疹の特徴です。

特に手は、皮膚がかさかさ・ごわごわしてきたり、しわにそって皮がむけることがあります。

 

【足の発疹の特徴】

足首や甲に紅斑がみられるようになり、足の指、下腿部や大腿部にも広がっていきます。

紅斑の他には、にきびに似たような、大きく盛り上がった湿疹(丘疹)があらわれることもあります。

 

【顔の発疹の特徴】

鼻や頬に紅斑が広がり、にきびに似た丘疹ががあらわれることもあります。かさかさとした荒れた皮膚になる場合もあります。

 

【身体の発疹の特徴】

赤い斑点状の湿疹が身体全体に広がり、ぶつぶつと丘疹があらわれることもあます。皮膚がかさかさして荒れてくる場合もあります。

溶連菌感染症は子どもの発症に気をつけたい病気の一つです。溶連菌感染症の主な症状は発疹・咽頭痛・イチゴ舌。それぞれの症状や合併症についての特徴を詳しく解説します。

 

検査は短時間で精度も高い迅速診断キットの検査が中心!

溶連菌に感染するとあらわれる、喉・舌・皮膚の特徴症状は目で見て確認ができます。

 

しかし、高い発熱はあってもイチゴ舌や発疹などの特徴的な症状は軽症、もしくはあまり見られなかったりする人もいます。

 

そこで、溶連菌の感染をより確実に判断するための検査があります。

 

 

【A群溶血性連鎖球菌迅速診断】

A群溶血性連鎖球菌迅速診断とは、簡単なキットによって溶連菌の有無を判断出来る検査です。

 

およそ5分で判定結果が出るだけでなく検査精度も高いとされ、近年、病院で検査が必要な場合はまずこの検査をすることがほとんどです。

 

 

【培養検査】

喉を綿棒などでこすって付着した細菌を培養し、溶連菌がいるかどうかを確認する方法です。

溶連菌が存在するかどうかの確定信頼度は非常に高く、また、他の細菌についても同時に調べられるメリットがあります。

 

その一方で、専門の検査会社に検査を依頼するため結果を受け取るまでに時間がかかります。

 

 

【血液検査】

血液中の「ASO」と「ASK」というタンパク質の上昇を確認することで溶連菌に感染しているかを判断します。

 

「ASO」や「ASK」といった数値の上昇は、早くても感染1週間後あたり、通常2週間程度してから確認ができるといわれています。そのため病気が発症しはじめる急性期の診断としてはあまり適していません。

 

治ったと思っても尿検査で確認を!

病気が治ったかどうかを判断するために、発病してから2週間後ぐらいに尿検査をする場合があります。

 

尿検査では溶連菌感染症の合併症でもある腎炎の有無をみます。

 

発症してから2週間後に尿検査をおこなうのは腎炎の発症のタイミングが「溶連菌感染症発症後、2週間程してから」と言われているためです。

 

特に問題がなければ再発や合併症による危険性も限りなく低いと判断できるでしょう。

妊婦が受ける溶連菌の検査、GBS検査について

「溶連菌に感染した」といえば、一般的にA群溶血性連鎖球菌に感染することを指します。

 

A群とは別に、妊娠中の方は妊娠後期になると身体の中で保有するB群溶血性連鎖球菌に関する検査をおこないます。

 

これがGBS検査です。

 

GBSとはB群溶血性連鎖球菌のことを指します。人はもともと身体の中に菌を飼っており、その中には溶連菌もいます。

菌を飼っていても普段わたしたちが普通に生活できるのは、その保菌量が病気になるほど過剰な量ではないからです。

 

GBS検査で陽性になったとしても、普通に生活をするには何の支障もありません。

しかし、GBS検査で陽性になるほどの菌の保有が確認されると、赤ちゃんへの感染リスクが高まるため、出産時に感染の予防措置をとる必要があるのです。

 

赤ちゃんが溶連菌に感染すると、新生児GBS感染症という重大な病気を起こす可能性が高まります。

肺炎、敗血症、髄膜炎などを発症し、最悪の場合は命の危険もありえる病気です。

 

しかし、実際に新生児GBS感染症が発症するのは約1%だといわれており、出産時に抗生物質を投与する予防をすれば防ぐことができる病気です。

 

溶連菌には抗生物質で対抗!一定期間、薬を飲むことが大切です!

溶連菌感染症は発熱をはじめとして喉の痛みや腫れ、イチゴ舌、発疹など、様々な症状があらわれます。

それら全ての症状において治療は抗生物質を飲む薬物治療が中心です。

 

溶連菌の抗菌にはペニシリン系の薬剤を第一選択薬として使用します。ペニシリン系薬剤では、

 

■バイシリンG

■アモキシシリン

 

などがすすめられています。また、

 

■メイアクト

■フロモックス

■セフテラム・ピボキシル

 

といったセフェム系の薬剤を使用されることもあります。ペニシリン系やセフェム系の薬剤にアレルギーを持つ場合にマクロライド系の薬剤を使用します。

 

■クラリスロマイシン

■エリスロマイシン

■アジスロマイシン

 

などが、マクロライド系の代表的な薬剤です。患者の状態や体質をみながら医師と相談して抗生物質を選ぶようにしましょう。

 

 

溶連菌感染症は合併症を引き起こす可能性も!

溶連菌感染症は抗生物質を飲みはじめれば数日で熱も下がり、各症状も改善されていきます。

しかしこの病気は、「治った!」と思っても10日程度は薬を飲み続けなければいけません。

 

一度、症状がやわらいだ時点ではまだ病気が再発する可能性があり、更には合併症を引き起こす可能性があるからです。

 

溶連菌感染症の合併症には次のような病気があります。

 

 

【急性糸球体腎炎】

血尿や蛋白尿が出たり、顔や脚がむくむことがあります。また、一過性の高血圧などを発症します。

 

【リウマチ熱】

多関節炎、心炎や皮下結節などの炎症を起こすことがあります。発熱症状もみられ、40℃ほどの高熱になる場合も。

国内ではあまりみられなくなった病気で、児童の発症率に関してもそれほど高くないとされています。

 

【その他の合併症】

肺炎、髄膜炎、敗血症などを起こす可能性も考えられます。

 

 

薬局でおよそ10日〜2週間分の薬が処方されます。処方された分の薬はきちんと飲みきるようにしましょう。

出席停止には基準が!予防で溶連菌から護りましょう!

溶連菌感染症による、園児・小学生・中学生・高校生・大学生の出席停止はそれぞれ基準が設けられています。

 

 

【小学生・中学生・高校生・大学生の場合】

小学生・中学生・高校生・大学生は、学校保健安全法が基準となっており、抗菌剤治療を開始後、24時間は出席停止を求められます。

 

ですので、基本的には医療機関を受診した日とその翌日が出席停止することになります。

 

その後、全身状態がよければ登校可能となります。

 

 

【園児の場合】

幼稚園や保育園に通う園児の場合は、厚生労働省が作成している「保育所における感染症対策ガイドライン」が一つの目安になります。

 

これによると、「抗菌薬(抗生物質)を飲んだ後、24~48時間経過していること」とあるので、園児の場合はだいたい2〜3日の出席停止をすることになります。

 

その後、全身状態がよくなれば登園は可能となりますが、園児の場合は感染拡大を防ぐために登園には医師の判断が必要になります。

受診した病院で医師に確認をするようにしてください。

 

また、各幼稚園・保育園、もしくは自治体が感染症における出席停止に関して、独自の取り決めをしている場合があります。

通っている幼稚園・保育園や自治体の担当窓口に確認をするようにしてください。

 

飛沫感染と経口感染を断つ、マスクと手洗い・うがい

子どもたちが病気で幼稚園・保育園・学校を休まなくても済むように、病気の原因となる溶連菌を体内に入れないようにすることが大切です。

 

溶連菌感染症は、飛沫感染経口感染によって病気を発症します。

 

飛沫感染の予防は、マスクの着用が有効です。患者の咳やくしゃみ、つばの飛沫に付着する菌から護ることに役立ちます。

 

経口感染の予防は、丁寧な手洗い・うがいです。溶連菌に触れると手を介して口の中に入ってきます。

まず手洗いで手を清潔にし、口に入ったとしてもうがいでしっかりと菌が体内に入るのを食い止めることが大切です。

 

もし、同じ環境で生活している人の中に溶連菌感染症患者がいたら、同じコップや食器を使わないように気をつけましょう。

子どもの病気はやっぱり心配。正しい知識は味方です!

溶連菌感染症は、発熱の症状だけでなく、喉にひどい腫れやできものができたり、皮膚にも発疹症状などがあらわれるので、その様子から過剰に心配をしてしまう場合も少なくありません。

 

特に子どもが病気になった時、保護者の方々は心配でたまらないのではないでしょうか。

いざという時に適切な処置や看護ができると心強いですよね。

 

病児保育にプロがいるのをご存知ですか?日本病児保育協会が認定する「認定病児保育スペシャリスト」です。

 

一般財団法人 日本病児保育協会が主催する「認定病児保育スペシャリスト資格取得web講座」の公式サイト。病児保育を体系的に学び、専門性を証明する資格が取得できます。

 

 

この資格を持っていると、病児保育施設体調を崩した子を保育所で保護者の方が迎えにくるまでの預かり病児の預かりもおこなうベビーシッターなどとしても活躍ができるようになります。

 

資格取得を目指して勉強をすることで、子どもの病気に関する様々な知識が見につきます。

子どもの病気に対して正しい知識を得る方法として、こういった機会を活用してみるのも一つの方法なのではないでしょうか。