はじめに

友人やパートナーに「口が臭い」と思われていたら…。口臭は本人には言いづらく、そのため気付かないというケースは多いようです。
近年、20代~30代の若者の口臭が増えているといわれ、その原因に「ドライマウス」が挙げられています。

ドライマウスとは、「口腔乾燥症(こうくうかんそうしょう)」という、唾液の量と質の異常をきたす病気です。
口が渇くのは高齢者に多いと思われていましたが、近年は若者にも広がり、目が渇く「ドライアイ」で悩む人と同じ位の割合に見られるとされています。
単に口が渇くことにとどまらず、全身疾患に発展する可能性がある怖いものです。
ドライマウスの症状と対処法を確認しておきましょう。

 

唾液の働きは?

洗浄作用(口腔内を洗い流す)
抗菌作用(口腔内の細菌増殖を抑える)
粘膜の保護・修復(口内の粘膜の衝撃の緩和・傷を修復)
歯の再石灰化(初期のむし歯を修復)

このように、唾液には様々な働きがあるため、唾液の量と質が変わることで様々な疾患が現れます。
 

若者のドライマウスの原因は?

1、口周辺の筋肉の衰え
ファーストフードはじめ柔らかい食べ物が中心で、あまり唾液を出さなくても飲み込めるような食事により、よく噛まないで食べる習慣があると唾液の分泌機能の減少します。
高齢により唾液が出なくなるのではなく、若者に増えているのは子どもの頃から唾液の分泌が悪くなるような生活習慣によるものと考えられています。

2、口呼吸が多い
口で呼吸することが癖になると唾液は蒸発してしまいます。
鼻炎や鼻の疾患がある場合は口呼吸になりやすいため治療する必要があります。

3、緊張、過度なストレス
唾液の分泌は自律神経によって調整されているため、緊張すると「口がカラカラ」ということがあるように、緊張やストレスが多いと唾液の分泌が抑制されます。

4、薬の副作用
風邪薬、抗ヒスタミン剤、血圧降下剤、抗うつ剤などの薬物の副作用として、唾液分泌低下になることがあります。

5、病気
糖尿病、腎不全、脳血管障害や目の乾きと唾液の分泌量低下が主な症状の自己免疫疾患「シェ―グレン症候群」など。


ドライマウスは、高齢者や病気によるものだけではなく、生活習慣により誰にでも起こるため注意が必要です。


 

ドライマウスの症状は?

口の渇きが数か月続いている
口の中がネバネバする
口臭がする
渇いた食べ物(パンやビスケット)が食べにくい
舌のひび割れ、痛み
しゃべりにくい
味がおかしい
夜に口の渇きで目が覚める

このような症状が見られたら、要注意です。

ドライマウスが引き起こす病気には、虫歯、歯周病、味覚障害、口腔カンジダ症、嚥下障害(えんげしょうがい)などがあり、たかが口の渇き…と思っても、細菌感染症や嚥下障害による窒息事故を招く恐れさえあります。
 

ドライマウスが気になったら歯科医へ

ドライマウスの症状が見られたら、まずは歯科医へ行きましょう。
ドライマウス専門外来を設置している病院もあります。
治療には原因療法と対処療法があります。ドライマウスの原因は様々あるため、まずは原因を調べ、それを排除する治療を行います。
完治が難しい病気の場合は、医師と連携し、原因疾患の治療と併用します。

対処療法は、人口唾液や保湿ジェルなどで潤いを補助します。
いずれも医師と相談し、改善していきます。


 

ドライマウスの予防法・対処法は?

日常で、唾液がしっかり出るように、以下を意識しましょう。

  • 歯磨き、舌磨きなど、口の中を清潔にする
  • 食べものをよく噛んで食べる
  • 水分補給
  • ストレスをためない
  • 口で呼吸をしない
  • 舌を動かす
  • 早口言葉やテンポの良い歌を歌う
  • 耳や顎の付近をマッサージする


このようなことを日頃から意識して行いましょう。
 

さいごに

ドライマウスは、ストレス社会と食生活の変化によるところも大きく、若者に多く見られるようになった現代病の一つといわれています。
お口のトラブルは起こりやすいため、日頃からオーラルケアはしっかりしたいですね。