口臭は、「生理的口臭」と「病的口臭」の2つに分類されます。
生理的口臭は、空腹時・緊張時・疲労時などに生じる一般的な口臭や、妊娠時・月経時・更年期に生じるホルモンバランスの変調による口臭などです。
対して病的口臭は、口腔や耳鼻咽喉の疾患などによる口臭を指します。
本記事では、病気による「病的口臭」について解説していきます。
治らない・ひどい口臭で考えられる病気は?
歯周炎など口腔の病気による口臭
口臭は、歯周炎や歯肉炎、口腔粘膜の炎症舌苔(えんしょうぜったい)などの病気によって生じることがあります。
また、むし歯を長期間放置した場合にも口臭が現れます。
まれに、口の中にできた悪性腫瘍によって口臭がひどくなることがあります。
副鼻腔炎など耳鼻咽喉の病気による口臭
口腔に病気がみられない場合には、副鼻腔炎(蓄膿症)や咽喉の炎症などによる口臭が考えられます。
特に、子どもの口臭はむし歯が原因でないときには副鼻腔炎(蓄膿症)である可能性があります。
全身疾患による口臭
胃や腸の内臓疾患や呼吸器系疾患などの全身疾患により口臭が現れるケースがあり、糖尿病、肝疾患、腎疾患などが原因となることもあります。
以前これらの病気にかかったことがある方や自覚症状がある方は、こういった病気が原因で口臭が悪化していることが考えられます。
精神病性などの障害による口臭
不安障害や身体表現性障害などの神経症状障害、または、統合失調症や妄想性障害などの精神病性障害の方も口臭を気にする場合があります。ただし本人が心配しているだけで必ずしも実際に匂うとは限りません。まずはかかりつけの担当医に相談しましょう。
口臭の対処法は?
口臭は病気などによる、口腔の乾燥(ドライマウス)や舌苔(舌の表面に沈着している苔状の物質)によって悪化していることがあります。
病院を受診するまでにまだ日にちがある方や口臭がひどくて仕事に支障がある方は、起床時や食後などのこまめな歯磨きで口の中を清潔に保ちましょう。
歯磨きや市販のうがい薬でこまめにうがいを行うことで、口内の細菌の繁殖を防ぐことができます。
舌苔を専用の器機で除去するのもよいでしょう。
口臭の対処法について、詳しくは関連記事をごらんください。
治らない・ひどい口臭は病院へ
口臭が治らない、または口臭がひどい場合には病気が原因となっていることがあるため、早めに病院を受診することをおすすめします。
全身疾患の自覚症状がある方は、内科など該当する外来の診察を受ける必要があります。
歯周炎などの口腔の病気が疑われる方は、歯科のほかに口臭外来への受診もおすすめです。
口臭は何科を受診したらよいかなどは関連記事をごらんください。
おわりに
口臭がなかなか治らない場合や口臭が悪化してひどい状態の場合には、歯周炎や副鼻腔炎(蓄膿症)といった病気のサインかもしれません。
糖尿病などの全身疾患でも口臭が現れることがあるため、気になる方は我慢せずにできるだけ早く病院を受診しましょう。