なかなか治らない口内炎は病気の危険性も

ただの口内炎だと思っていたけどなかなか治らない、子どもに口内炎ができているけど熱もある…そんな時は口内炎以外の病気ではないかと心配になりますよね。

次の症状が当てはまる場合は、何らかの病気が隠れていたり、口内炎とは別の疾患であるおそれがあります。

2週間以上治らない

一般的に口内炎は、栄養のある食事や睡眠を十分にとったりストレスを溜めないようにして生活習慣を整えると、10日〜2週間ほどで自然治癒します。

2週間以上治らない場合は、病気のサインである危険性があります。

大きい口内炎ができる

一般的な口内炎の大きさは通常、直径2mm〜1cm程度です。

1cm以上の大きな口内炎ができている場合には、がん化する病気であるおそれもあるため注意が必要です。

口内炎がたくさんできる

通常口の中にできる口内炎の数は、1個〜数個程度です。

大量発生している場合は、何らかの疾患が隠れていることも考えられます。

そのほかの病気が疑われる口内炎の症状

ほかにも次のような症状がある場合は、ただの口内炎ではなく病気であるおそれもあります。早めに病院を受診しましょう。

・何度も同じ場所に繰り返しできる
・口内炎の症状の他に熱や全身の倦怠感がある
・口の中に水泡ができている

病院の受診について、詳しくは関連記事をごらんください。

口内炎の症状が出る病気

免疫システムの異常による自己免疫疾患の症状として口内炎が出ることがあります。治っても繰り返すことが多いのが特徴です。

ベーチェット病

全身性炎症性疾患であるベーチェット病の初期症状に口内炎があります。唇、頬の粘膜、舌、歯ぐきなど口の中全体に直径1cm程度の口内炎ができます。

「アフタ性口内炎」という、口内炎ではよく見られる白っぽくて丸い窪みができる口内炎のため、病気の初期症状と気付きにくい場合があります。

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎の合併症のひとつに口内炎があります。

アフタ性口内炎が頬の粘膜にできることが多く、周辺が腫れて強い痛みを感じます。

天疱瘡

天疱瘡(てんぽうそう)は、皮膚や粘膜に水疱やびらんを生じる自己免疫性水疱症です。

口の中にも水泡ができ、水泡が破れると痛みのあるただれができて、飲食が困難になります。酸っぱい食べ物がしみることでわかることが多いとされています。

全身性エリテマトーデス

全身性エリテマトーデスは20〜30代の女性に多い病気で、頬の部分や口蓋にくぼんだ口内炎ができます。

痛みがないため、自分で気づきにくくい疾患です。

バセドウ病

パセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰に作られる病気です。病気による全身状態の悪化によって口内炎が起きることがあります。

白血病

白血病の初期症状で口内炎ができることがあります。これは免疫に関わる白血球が減って免疫力が下がることが原因です。

口内炎と間違えやすい病気:口腔がんのおそれのある口内炎

口内炎と間違えやすい病気の中には放っておくとがん化するものがあるため、注意が必要です。

一般的な口内炎はがんに進行するものではありませんが、口内炎の症状である白っぽい潰瘍や痛みが、深刻な病気の初期症状であるおそれがあります。

がんへの進行に注意が必要なのは口腔白板症と紅板症(紅色肥厚症)です。初期症状では一般的な口内炎との違いがわかりにくいので、いつもの口内炎よりも治りが遅かったり、1cm以上の潰瘍があるなど症状に不安を感じたら、速やかに医療機関を受診してください。

口腔白板症

舌や頬の粘膜、歯茎などに白い潰瘍やびらんができます。食べ物がしみたり、物に当たると痛いため、口内炎と間違えやすい病気です。

通常の口内炎とは違って範囲がだんだん広がっていき、がん化する危険性があります。

紅板症(紅色肥厚症)

舌や歯茎などの粘膜が赤くなり、明らかに周りと色が違うのがわかります。食べ物などの刺激があると痛みます。

紅板症の50%ががん化し、すでにがんになっている危険性の高い疾患です。

紅板症を発症する80%は50歳以上の方ですが、それ以下の年齢でも発症する可能性があります。

口腔がん

口腔がんは歯茎・頬の内側・下にでき、特に初期は口内炎と区別がつきにくくなっています。通常、口腔がんは痛みをともないません。

口腔のがんで最も多いのが舌がんで、舌の側縁にできることがほとんどです。舌の一部が白か赤に色が変わり、他の粘膜との境界がはっきりしています。

初期には痛みを感じることはほとんどありませんが、舌のしびれや動かしにくさが感じられるようになります。出血を伴ったり、口臭がきつくなることもあります。

50代後半の方に発症しやすいですが、発症者の4分の1は50歳以下で20〜30代の方にも時々みられます。

子どもに多いウイルス性の病気

口内炎の症状が出る病気の中で、子どもが特にかかりやすいものがウイルス性のものです。免疫力が低下した大人もかかる可能性はありますが、多くはありません。

通常の口内炎と違い、水泡ができることが特徴です。一週間程度で治ることがほとんどですが、口内炎の痛みが強いと飲食が困難になって脱水症状を起こす可能性があります。

ヘルペス性口内炎

ヘルペスウイルスが原因で起こる口内炎で、発熱やリンパ、扁桃腺の腫れをともなうことがあります。

突然38度以上の熱が出て、2〜3日後から口内炎ができます。水泡がたくさんできた後に赤く腫れ、痛みが強いのが特徴です。

熱は3日以上続き、熱が下がった後でも口内炎の症状は1週間程度続きます。

ヘルパンギーナ

乳幼児の間で流行しやすい夏風邪の一種で、幼稚園や保育施設で感染することが多くなっています。

38度以上の高熱が2〜3日続き、口内炎は口蓋(口の中の天井部分)や喉の周りに1~5mmの水泡ができることが特徴です。痛みで飲食が困難になることが多いです。熱が下がった後に口内炎も収まっていきます。

手足口病

手のひら、足底や口の中に2~3mmの水泡ができます。感染者の3分の1に発熱もみられますが、あまり熱は高くならないことが多く高熱が続くことはありません。

おわりに

子どもが感染しやすいウイルス性の病気は1週間程度で治るため、脱水症状にならないように気をつければそれほど心配することはありません。

気をつけたいのは2週間以上口内炎が治らない場合です。2週間以内でも通常の口内炎でないと感じた場合は早めに病院を受診しましょう。