骨折の痛み止めの方法|痛みをおさえるのに使える薬を紹介
骨折の痛み止めに使える薬について解説。骨折痛に使えるカロナールとロキソニンの市販薬も薬剤師監修のもと紹介します。
2019年12月10日
骨折・骨折痛の原因・対処・お薬・疑われる病気を解説します。分からないことがあれば薬剤師に相談することができます。
骨折とは、骨組織の連続性が完全あるいは部分的に切り離された状態のことで、簡単にいうと「骨が壊れた状態」を指します。
健康な骨ではかなり大きな力が加わらないと骨折しませんが、骨が弱っていると弱い力でも骨折します。
外から強い力を受けた衝撃で骨に過度の圧力がかかり損傷するもので、骨折原因のほとんどを占めています。
直接何かにぶつかった、スポーツなどで強い力が加わった、転倒などで関節を強くひねったなどが原因となります。
健康な骨でも、特定の部位に繰り返し長期間に渡って力が加わり続けることで骨折します。「疲労骨折」といわれるものです。
ランニングやマラソンなどですねに繰り返し負荷がかかったり、サッカーやバスケットで足の甲に負荷がかかった、ゴルフやテニスなどのスイング動作で腰に負荷がかかったなど、スポーツでの骨折に多くみられます。
どの世代でも起こりますが、骨の成長期である10代に起こりやすく、ごく小さなひびの場合はレントゲン写真に写らないことがあります。
もともと持っている病気のために骨がもろくなり、わずかな力が加わっただけで骨折する場合があります。
女性や高齢者に多いのが骨粗しょう症による骨折で、女性ホルモンの減少やカルシウム不足などで骨の強度が低下することが原因です。
その他、がんが骨に転移したり、遺伝子の異常で骨が硬くなる大理石骨症などでも骨折しやすくなります。
骨自体には痛みを感じる神経がありません。しかし、骨の表面を包んでいる骨膜には神経が豊富に分布しているため、強い力が加わると痛みが起こります。
また骨折では、骨の周囲の筋肉や靭帯なども傷ついて神経が刺激されたり炎症を起こすので強い痛みを感じます。
骨折と骨折痛の対処法では、折れた骨を固定しながら痛みを軽減していきます。基本的には病院で治療を受けますが、悪化を防ぐためにも家庭での応急処置も重要です。
骨折の応急処置の基本は「冷やす」「固定する」「安静」です。骨折を疑ったら、まずはどこが痛いかを確認し、変形や出血がないか確認します。このとき、骨折が疑われる部分は動かさないよう注意してください。
骨折した部分では皮下に炎症が起こっています。痛みや腫れを抑えるために、速やかに冷やしましょう。できれば氷などを入れた袋を患部に当てて冷やします。凍傷を防ぐために袋をタオルなどで包み、直接あてないでください。
骨折した部位の安定には、雑誌や新聞紙など身近なものを添え木代わりに当てて固定します。きつく縛り過ぎると血流が滞る恐れがあるので注意してください。
うっ血や腫れを防ぐために、可能なら骨折部位を心臓より上に挙げて安静にします。
万が一腰や頸の骨などの骨折を疑ったら、すぐに救急車を呼んでください。
病院での骨折治療では、まず折れた骨を元の正常な位置に戻し、その後固定します。
骨折した部位を皮膚の上から医師の手で調整したり、ずれた骨を持続的に引っ張るなどして正常な位置に戻します。さらにギブスや添え木、鎖骨バンドなどを使用して、正常な位置に修復された骨折部を安静に維持します。
骨の細胞は、再形成されて固まるまで数か月単位の時間がかかり、その間はとても脆い状態です。
骨折から2~4週間くらい経つと痛みが和らぎ、骨の表層も固まり始めます。ただし、この時期に無理をすると治りが遅くなったり、骨が変形する可能性があります。
バランスの取れた食事や適度な運動は骨密度が高まり、骨折の予防に繋がります。丈夫な骨を作るにはカルシウムが不可欠ですが、良質なたんぱく質やクエン酸、マグネシウムなどと一緒にとると吸収が高まります。
スポーツによる疲労骨折の予防には、体を保護するプロテクターを使用したり、体の動かし方を見直して負荷がかかり過ぎないよう工夫をすることも大切です。
家庭内では、つまづきを防ぐために小さな段差を減らすとともに、足腰のストレッチで筋肉を鍛えることもおすすめです。
骨折痛や炎症による腫れが強い場合は薬を使用します。錠剤の消炎鎮痛剤や湿布などが一般的です。カルシウムなどミネラル分など、食事だけで補えない栄養素をサプリメントでとることもあります。
市販の薬で痛みが軽減されない場合は、薬の効果が弱い可能性があるため、病院を受診して効果の強い薬を処方してもらいましょう。
また、女性ホルモンの減少による骨粗しょう症が骨折の原因であるときは、ホルモン補充療法を行うことがあります。
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