湿布の種類
湿布には種類があるため、打撲をしたときに冷湿布と温湿布のどちらを使ったら良いか疑問に思う方も多いかもしれません。
また、湿布には冷湿布や温湿布でもないテープ剤もあります。
パップ剤:冷湿布や温湿布
冷湿布と温湿布はパップ剤といい、有効成分と水分が含まれているものを指し、成分の違いで冷感か温感に分けられます。
冷感湿布はメントールやハッカなどの冷感成分、温感湿布はトウガラシエキスなどの温感成分が含まれています。
パップ剤は水分が含まれているため、テープ剤に比べて厚みがあり、水分が蒸発するときに冷たく感じることが特徴です。
テープ剤
テープ剤は伸び縮みしやすい素材に有効成分や粘着剤、香料などが含まれています。
薄くて伸縮しやすく、パップ剤に比べてはがれにくいことが特徴です。
打撲のときの湿布の選び方
時期や症状によって選ぶ
冷湿布は、主に打撲をしたばかりで炎症を起こしているときに使用します。
一方、温湿布は血行を良くする効果があるため、炎症が落ち着いて患部にコリやかたさを感じる場合に使用します。
炎症を起こしているときには冷やすのが正しい対処法ですが、冷湿布を打撲などの怪我に使う場合は、冷やす効果よりも腫れや痛みをおさえることを目的としています。打撲してから3日以上過ぎても腫れや痛みが残っていたり、温湿布よりも冷湿布の方が貼っていて気持ちが良いと感じる場合は冷湿布をそのまま使っても問題はありません。
テープ剤は冷湿布や温湿布よりも鎮痛作用が強く、特に時期を気にせず使うことができます。
種類 | 基本的な使用時期 | こんなときに |
冷湿布 | 打撲してから2〜3日 | 腫れ・痛み・熱感があるとき |
温湿布 | 打撲してから3日後〜 | 患部にコリやかたさを感じるとき |
テープ剤 | いつでも | 腫れや痛みが強いとき |
打撲したときに冷やすか温めるかなどを含めた対処法について、詳しくは関連記事をごらんください。
肌の強さによって選ぶ
湿布は肌に直接貼るため、肌が弱い方はかぶれやかゆみを気にする方も多いでしょう。
肌が弱くて直接湿布を貼るのが心配な方には、冷湿布をおすすめします。
テープ剤ははがれにくいですが、その分密着度が強いため、肌が弱い方はかぶれてしまうおそれがあります。
また、温湿布は冷湿布よりもかぶれてしまう方が多い傾向があります。温湿布がかぶれやすい理由ははっきりとわかってはいませんが、含まれている成分によるものや温まって汗が出ることが原因になっている可能性があります。
効果の強さで選ぶ
打撲の炎症や痛みをおさえる効果は、冷湿布や温湿布よりもテープ剤の方が高くなっています。
テープ剤には、元々医療用でしか使われていなかったジクロフェナクナトリウム、インドメタシン、フェルビナクなどが配合されています。確実な鎮痛効果があるため、有効成分が単体で配合されていることが多くあります。
冷湿布や温湿布でも配合されている成分によって、効果が異なります。炎症がひどくない場合はサリチル酸グリコールやサリチル酸メチルなどが配合されたものを、炎症がひどい場合はジクロフェナクナトリウムやインドメタシン、フェルビナクなどが配合されたものを選ぶと良いでしょう。
打撲に冷えピタは効果的?
打撲したばかりの時期は患部を冷やすことが重要なため、手軽に「冷えピタ」「熱さまシート」などの冷却シートを使おうと考える方もいるかもしれません。
しかし、冷却シートには深部まで冷やす効果はないこと、湿布のように炎症や痛みをおさえる成分は入っていないことから、打撲に使用しても効果は期待できません。
患部を冷やすにはビニール袋やアイスバックに氷を入れて冷やしましょう。
打撲したときの応急処置については関連記事をごらんください。
打撲におすすめの冷湿布
冷湿布の粘着力は比較的弱いですが、その分皮膚への刺激が少なく肌が弱い方でも使いやすくなっています。
はがれにくさにこだわっている湿布もありますが、肘や膝などよく動かすところに貼る場合は切り込みを入れるとはがれにくくなります。
打撲におすすめの温湿布
温湿布は入浴の1時間前までにはがし、入浴後は30分程経ってほてりがおさまってから貼りましょう。
温湿布を貼ってかゆみなどが出た場合は、はがして水やぬるま湯で肌についた成分を洗い流しましょう。
打撲におすすめのテープ剤
テープ剤ははがれにくいのが特徴ですが、密着度の高さからかぶれる方もいるため、肌の弱い方は注意が必要です。
においは少ないため、湿布独特のにおいが気になる方におすすめです。
テープ剤は1日1回貼るだけで効果が持続するため、入浴後や寝る前に使用すると良いでしょう。
打撲の痛みがひどいときの痛み止め
打撲の腫れや痛みが強く、冷やしたり湿布を貼っても痛みがつらいときや、病院が空いていないときには市販の痛み止めを飲んでも良いでしょう。
ただし、市販の痛み止めを飲んで2日くらい経っても痛みが続く場合は病院を受診しましょう。
おわりに
いくつか種類がある湿布ですが、その中でも成分によって効き目の強さが異なります。強さだけでなく、かぶれやすさやはがれにくさなどもあるため、自分に合った湿布を選んで打撲の痛みを少しでも軽減しましょう。