一般的な腰痛は腰全体が痛みますが、左右どちらかのみの腰痛を訴える人もいます。

片側のみの腰痛には日頃の姿勢はもちろん、痛む位置にある内臓の病気などが関係していることもあるため、なるべく早く原因をつきとめる必要があります。

この記事では、腰の右側に感じる痛みの原因や対処について解説します。

右側の腰痛の原因:姿勢と筋肉

姿勢や筋肉が原因となる腰痛は、ずっしりと重い痛みが特徴です。

姿勢と筋肉は腰痛に大きく関わっています。

腹筋・背筋・腸腰筋は背骨を支える筋肉のひとつです。日頃の姿勢が正しくないことで腰の筋肉が緊張して、時間の経過とともに筋肉が疲労し、血行が悪くなり、腰痛を引き起こします。

また、筋肉が衰えることで腰のバランスをうまく支えられなくなり、姿勢が悪くなります。

姿勢が悪くなると筋肉の衰えや負担につながり、筋肉が衰えると姿勢の悪化につながるという悪循環が起こり、どちらも腰痛を引き起こす原因となるのです。

筋肉に負担をかけ姿勢を悪くする日常の癖には、次のようなものがあります。

片足重心

右足に重心を乗せて立つことで、右側の筋肉に負担がかかり右側の腰が痛むことがあります。

また、左足に重心を乗せて立つことで左側の筋肉が衰え、腰椎に直接負担がかかり右側の腰が痛むことがあります。

足を組む癖

右足を上にして足を組む癖があると右側の骨盤が傾き、それにともない背骨まで曲がってしまい、腰が痛むことがあります。

また、左足を上にして足を組む癖がある場合も、右足の血管が圧迫され血流が悪くなり、右側の腰が痛むことがあります。

右側の腰痛の原因:腰椎の病気

腰椎の病気が原因の腰痛は、動くとき・歩くときの痛みや足のしびれが特徴です。

加齢や激しい運動、日常の動作が原因で起こる腰椎の病気が右腰の痛みの主な原因となります。

右側の腰痛を引き起こす腰椎の病気には、次のようなものがあります。

椎間板ヘルニア

背骨のクッションである「椎間板」の一部が飛び出した状態が「椎間板ヘルニア」です。

飛び出した椎間板の一部「髄核(ずいかく)」が、脊椎の周りの神経を刺激することが痛みの原因です。眠れないほど痛むこともあり、髄核が右に飛び出した場合は、右側の腰が痛みます。

多くの場合、足の痛みやしびれもともないます。

変形性腰椎症

背骨をまっすぐ支える「椎体」と「椎体」との間にはさまっていて、クッションの役目をしている「椎間板」が薄くなり、椎間板に接した椎体が骨硬化して変形した状態が「変形性腰椎症」です。 

背骨が左右にずれる「腰椎変性側弯症」や脊柱管が狭くなった状態の「腰部脊柱管狭窄症」になることもあります。

初期症状として腰痛があり、悪化すると下半身がしびれたり、筋力が低下したりします。曲がる方向によっては右側が特に痛む場合もあります。

右側の腰痛の原因:内臓の病気

内臓の病気が原因の腰痛は、姿勢・加齢・運動などに関わらない慢性的な腰の痛みが特徴です。

体の右側にある臓器が何らかの病気にかかっているおそれがあり、臓器の痛みの腰周辺の神経への影響が原因となることがあります。

胆のう結石症・総胆管結石症

胆のうは、みぞおちの右側あたりにある臓器です。

脂質の多い食事が主な原因で起こる「胆のう結石症」「総胆管結石症」では、腰上部右側に痛みを感じることがあります。

腰痛以外のその他の症状は、疝痛(引いては繰り返す痛み)・吐き気・嘔吐などがあり、胆管がふさがり、感染がおこると悪寒・黄疸などが起こります。

腎盂腎炎(じんうじんえん)

腎臓は、胃の下部左右にある臓器です。

細菌によって右側の腎臓に「腎盂腎炎」が起こっている場合は、腰中部右側に痛みを感じることがあります。

右側の腎臓に腎盂腎炎が起こっている場合は、右側に痛みを感じることがあります。

腰痛以外のその他の症状は、発熱(主に38℃以上)・膀胱炎・吐き気・悪寒・倦怠感などです。

卵巣炎・卵巣腫瘍・卵巣がん

卵巣は、女性の下腹部左右にある臓器です。

細菌感染などによって右側の卵巣に「卵巣炎」「卵巣腫瘍」「卵巣がん」が起こっている場合は、腰下部右側に痛みを感じることがあります。

卵巣の病気はほとんど自覚症状はありませんが、それ以外に便秘・頻尿・激しい腹痛・嘔吐・40℃前後の高熱・不正出血などの症状が出ることがあります。

腰痛で疑われる内臓の病気について詳しくは関連記事をごらんください。

右側の腰痛を改善するには?

右腰の痛みを改善するには、次の方法を試してみましょう。

ただし、椎間板ヘルニアや変形性腰椎症のおそれがある場合は、発症から数日は患部を動かしてはいけません。

普段と違う痛みを感じたり、しびれや足の痛みがともなう腰痛の場合は、なるべく早く整形外科を受診しましょう。

姿勢を整える

日頃の姿勢の悪さが腰痛の原因と考えられる場合は、日頃の姿勢に気をつけることからはじめましょう。

片足重心や足を組む癖のある人は、重心をかけていない方の骨盤が上がったままになっています。立っている時に意識的に左右均等に体重を乗せる意識をしましょう。

また、左右比べて高い方の坐骨(お尻)の下に、タオルを挟んで座るようにすると、徐々に均等に体重を乗せることができるようになります。

筋肉を鍛える

筋肉の衰えが腰痛の原因と考えられる場合は、腰を支える「腹筋」「背筋」「大腰筋」などを鍛えましょう。

■手軽にできるトレーニング「エア自転車漕ぎ」

腰回りの筋肉を鍛えることができます。回数制限などはありませんが、腰に負担をかけないようにしましょう。

1.仰向けに寝て、腰の浮いている部分と床の間にたたんだタオルを挟む
2.足を上にあげ、空中でペダルを漕ぐように足を回す

おわりに

腰痛は、痛みの場所や種類によって原因が特定できる場合があります。

原因を特定するのが難しいとされている腰痛を、根本から治療する大きな手がかりとなるため、日頃から「どのような時に痛むか」「どのように痛むか」を意識しておきましょう。