はじめに
尿酸値が7.0mg/dL以上の高尿酸血症と診断されたら、実際に痛風の痛みが出ていなくても食生活の改善が必要です。
尿酸値に影響する食材を知り、できるだけ尿酸値が上がらないよう食事面の自己管理を心がけましょう。
尿酸とプリン体の関係
生物の細胞内にある核が代謝されるときに、核内に含まれるプリン体から尿酸が作られます。つまり動植物の細胞にはすべて核が含まれるため、肉・魚・野菜・果物などほとんど全ての食品にプリン体が含まれるということです。中でも細胞数の多いものや、細胞分裂の盛んな組織に多く含まれますので、尿酸値が高いひとは避けたほうがいいでしょう。
食生活の改善 3つのポイント
- プリン体が多い食品は控える
- 食事全体のエネルギー(カロリー)を減らし、バランスのよい食事を
- アルコールも控えめに
プリン体が多い食材を摂れば、体内の尿酸値にももちろん影響がでます。以前は、このプリン体の量ばかりを気にした食事療法が中心でしたが、最近では全体的な摂取エネルギー(カロリー)も控えつつ、バランスのよい食事を摂ることが奨められています。というのも、プリン体が多い食材にも体にとって必要な栄養素が含まれていますし、逆にプリン体が少ない食材だからといって食べ過ぎるのはよくない、というわけです。またアルコールの摂り過ぎもNG!どんな種類のアルコール飲料でもエタノールが代謝されるときに尿酸値が上昇するからです。
なかでもビールはプリン体の量もカロリーも高めなので、飲み過ぎは要注意。さまざまなビールが出回っている中、とくに地ビールはプリン体の量が多めになっています。
プリン体が多い食材、飲料
レバー(レバーペーストは低め)、ハツ、カツオ、白子、タラコ、エビ類、イカ類、干物(アジやイワシ)、ビールなど
プリン体が少ない食材、飲料
ロース肉、バラ肉、羊肉、ウナギ、卵、牛乳、チーズ、豆類(納豆は高め)、野菜類、海藻類、イモ類、穀類、ワイン、蒸留酒など
食事のワンポイント
プリン体の量とともに、カロリーのこともしっかりと考えましょう。バラ肉はプリン体が少なくても、残念ながらカロリーは高いのです。
一方、野菜や海藻類はプリン体もカロリーも少ないうえに、尿をアルカリ性に近づけて尿の中で尿酸が結晶化するのを防ぐ働きがあるといわれています。一食で、生野菜は両手一杯程度、茹で野菜と海藻なら片手一杯程度を摂るよう心がけてください。アルコール飲料は、プリン体の量以上に飲み過ぎに注意!アルコールの度数が高いほどカロリーも高いのでウイスキーならダブルで1杯(60ml)、ビールだったら500mlまで、このどちらかを飲むくらいを一日の摂取量の目安にしましょう。お酒を飲むとついつい食べ過ぎる傾向にありますので、休肝日を設けるのもおすすめです。
おわりに
食生活の改善は毎日の積み重ねだけに、自分の努力とともに周りの人の協力も必要です。尿酸値(血清尿酸値)7.0mg/dL以下を目指して、体重もコントロールしながら長い目で頑張っていきましょう。
(image by photo-ac)
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